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異世界転生THE(駄)フラグ(仮題)  作者: nakaya
二日目。そろぷれいw
11/74

ステータスが君を決めるんじゃない、君がステータスを割り振るんだ!

 お嬢様はギルドへクエストに。

 荷物番は街に買い物へ出かけました。


 ということで街を散策中であります。


「むーん」


 街並は知っているものと変わらない。ゲームと同じ視点、同じ速度で動いているからなおさらだ。

 売り子や行き交う人の群れ、波が、見知ったモブとは違うくらいか。

 冒険者っぽいのが何人か居るけど、俺みたいな転生者もいるんだろうか?


 街の中央、噴水広場まで来て、その隅っこにしゃがみ込む。

 ここは別名、シャウト広場だ。

 一緒にクエストを受けませんかー?

 現在ハイパーポーション200G! 残り10個!

 そんな声がここでも聞こえる。


「思ってたのと違うんだよなぁ……」


 もちろん転生の話である。

 生まれ変わるとか、落とされるとか、そういう展開だと思ってた。

 けど実際は、既に存在していた、フラグって人間に重なったッポイ。

 そのくせ、フラグとしての記憶がない。

 フラグどこいった?


(やべー……ディーナに気付かれたら説明できねー……)


 どうなんだ?

 ドラゴンレジェンドに似た平行世界があって、ゲームのドラゴンレジェンドが余りにもそっくりで、だから世界が、同じものだと混同しちゃった、とか?


「レベル的には文句ないんだけどなぁ」


 ぎゅっぎゅっと、自分の手を見つめ、握ってみる。


 ドラゴンレジェンドには、職業という概念がない。

 スキルが全てのゲームだからだ。

 別に、鍛冶屋が商人として、自分で作ったものを売っても良いじゃん?

 魔法屋が、魔法の武器作って売ってたって、かまわないじゃん? ってなもんだ。


 ただ、特定のスキルを上げて、戦士だとか、魔法使いだとか、名乗るのは自由だ。

 自分を紹介するための職種欄が、ステータスの設定項目に存在している。

 そこになにを書くかは自由だ。


 はい、ちょっとへこんでます。

 昨日、ディーナに無理矢理、荷物番ってさせられました。


 んでもって、ディーナは精霊騎士となっている。

 偏り方は、精霊魔法に七割、騎士に三割って感じだな。


 ついでにレベルについて説明しておこう。

 カンストカンストって言ってるけど、カンストについては二つある。

 一つはスキル、もう一つがレベルだ。

 スキルは使えば使うだけ上がっていく。

 ディーナのように、精霊魔法が主体なら、自然とカンストしてしまう。


 ……剣技系が高いのはともかく、叩くとか殴るとか蹴るとか、突っ込み系が剣技を先回って、カンストしてるってのはどうなのよ。


 まあ、ともかくだ、スキルは使ってさえいれば数値は上がる。

 技能職や生産職の連中だと、戦闘系よりそっちに偏る。

 最終的には、みんな255になるわけだけど。


 だったら、最終的には、プレイヤー全員が、代わり映えのしない強さになるじゃないか、というとそうじゃない。

 足かせがある、それがレベルだ。


 レベルは初期上限が70となっている。

 けれど、レベルキャップの解放を受けることによって、最終的には150が上限値となる。

 解放条件は、クエストだ。

 そしてレベルは、上がる度に、ステータスやスキルに加えられる、ボーナスポイントを与えられる。

 つまり、スキルを255で止めずに、上にまで持って行けるし、ステータスの影響によって、スキル値が同じであっても、効果や威力が変わってくる。という現象が起こるのだ。


 ステータスはHP・MP・ST/STR・DEX・VIT・AGI・INT・MND・CHR・LUCKとなっている。

 普通のゲームと扱いが違うのが、MPとSTだ。

 精神力とスタミナ。

 魔法はマナとかを消費するんじゃなく、詠唱のために精神力を消費し、精霊を呼び出すために消耗する、という理屈だ。

 そしてスタミナ。

 長時間連続して行動、あるいは通常以上の運動を行っていると減っていく。

 少なくなるにつれて、体が重くなっていく。

 VRMMOでは、ただでさえ思考とアバターの動きがシンクロしないというのに、この足かせはかなりきつい。

 俺はこいつを上げるために、VITにやたらとポイントを振っていた。


 だって! スタミナですよ奥さん!? 一晩ひゃっはーですよ!?

 すみません、取り乱しました。


 俺、いつか魔法使い(三十路)になる前に、女の子啼かせるんだ。

 ……はっ!? 俺、現状で魔法使えるわっ、やべ!?


 んまあ、とにかく、システムの話である。

 このゲームは、自由にモーションを作れるけども、やはり用意されている技や魔法が存在している。

 しかし、最上級のものを使えるキャラは珍しい。

 それは平行職ではなく、戦士や魔法使いと言った、特化型の育て方をしていなくてはいけないからだ。


 ディーナは精霊魔法の最上級、最大魔法を使えない。

 それは冒険者的なエルフとして育てたからだ。

 本物の……NPCのエルフは、精霊魔法使いとしては強大な魔法を使い、恐ろしい存在である。

 しかし、それに特化していて、体力がない。

 装甲も紙である。

 そのくらい、ボーナスポイントの極振りを行わないと、極大魔法は使えないのだ。

 しかしそれでは、ゲームをするには辛すぎる。

 というわけで、ディーナの場合、腕力(STR)やら体力(VIT)にも、ボーナスを振り分けて育ててある。

 そのため、格下(レベル的な意味で)の相手なら、騎士としても通用する作りになっている。


 問題は俺、フラグだ。

 ステータス画面を開いてため息を吐く。


「適当すぎんだろ」


Lv70

HUMAN


HPmax 1200

MPmax 108

STmax 1024


STR 60

DEX 73

VIT 140

AGI 100

INT 41

MND 39

CHR 75

LUCK 102


「レベルキャップの解放クエ、受けるかなぁ」


 幸い、上限までにはかなり余裕がある。


「それでも、勇者にはほど遠いなぁ……」


 それも悩みの種だった。

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