表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/74

そのいちー

ありがちな異世界転生ものをやりたくなって、おかしな方向へ全力疾走中w

剣とか魔法とかある以上、流血もあるかと思うんでご注意を。

「なぜだぁ!」


 俺は両膝を屈し、両拳を激しく地面に叩きつけた。


「なんで倉庫キャラの時に! こんなっ!?」


 そう、今の俺は倉庫キャラだった。

 どのゲームにも、一つのキャラが持てるアイテムには限界がある。

 そんなときに、アイテムを預けておくためだけに作るのが倉庫キャラだ。

 まあ俺の場合は、ゲームに慣れるために作った最初のキャラだってだけなんだけど。

 そんなだから、作りは超適当だ。

 顔とか体とかは初期設定のまま。

 メインキャラに持たせるかどうかと悩んだスキルを試すため、職業も転職ばっかりで、パラメーターだって遊び丸出しで酷いもんだ。

 そんな感じだから、無駄スキルも多すぎる。

 というか、だ。


「こんなこともあろうかと! いや、こんなことがきっとあると信じて俺はっ! うぉおおおっ、ディイイイナァアアアアア!」


 魂からの号泣だった。

 ちなみに恋人の名前じゃない。

 俺のメインキャラ、ディーナちゃんのことだ。

 きっとある。異世界転生、きっとあるよ!

 そう信じてカンストしたディーナちゃん(17才:女エルフ)は、仲間内からエロフとかエロスとか言われるほど完璧な……ネカマキャラだった!

 くっそ! マジくっそ!!

 女性プレイヤーからも見破れないほど、完璧な演技を身につけた俺の苦労をどうしてくれる!?

 女ってのはな! 男と体のつくりが違うんだよ! だから立ってても、背筋の伸び方とか違うんだよ! 足運びとか違うだよ!

 ちょっとした仕草どころじゃないんだよ!? 実生活にまで仕草が現れて、オカマと疑われた俺の苦労はどこ行った!?

 VRMMOの弊害、ここにあり……ちなみに声は、変声ソフト使ってた。


「あー、マジウゼェ……」


 俺、女の子になって、可愛い子とお近づきになるんだ……。

 夢も希望も潰えました。

 俺は右に林、左に平野、前後の地平の先に山、という場所を伸びる道の真ん中、立ち上がった。


「とりあえず街行くか……」


 ふらふらと歩き出す。

 ぽかーんとこっちを見ていた、商人の馬車っぽいのプラス護衛団とそれを襲っていたらしい盗賊団の間を抜けて。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ