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光   作者: 高領 つかさ(TSUKASA・T)


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光 二

光 二



 のんびりと歩いている長身の神原の隣で、真剣に受取った赤い紙袋を手に神代が歩いているのに。ついでに受取ってしまった青い紙袋を不思議そうにみてから、真剣に紙袋の中をみている神代に。

「前見て歩かないと、危ないですよ?」

「…――――って、おまえ、何でいるんだよ!」

「もう随分一緒に歩いてますけど、気がついてませんでした?」

「…いつからだよ、まったく、――――」

詰まった顔で見返していう神代は、けして背が低い訳ではない。むしろ高い方だが、それでも見上げる必要がある神原を睨んで見上げる。

「だから、…―――ったく、おまえ、身長幾つあるんだよっ」

「気にしたことはありませんが、…――――」

「ったく、いい!…――で、何でついてくるんだよ!」

元気が良いなあ、と思いながら、神原が首を傾げる。

「別について行っているつもりは無いんですが、…―――。こっちの方にいくので」

「…こっちって、―――こっちには病院しかないぞ!」

顔を引きつらせながらいう神代に、神原がのんびり応える。

「はい、その病院に用があるので、―――」

「病院に用って、患者か?…今日は診療は休みだ、…。どこか悪いのか」

眉を寄せて、怪訝そうな顔で、少し口籠って訊いてくる神代に。

 ――――…ふうん?

ふと、思いながら首を僅かに傾げて。

「患者じゃありません。お休みなのはわかってます。…唯、―――」

「患者じゃなければ、入院患者の見舞いか?…それで、」

神原の手にしている紙袋をみて、顔を見直す神代に首を傾げる。

「いえ、入院患者の見舞いでもありません」

「――なら、何でそんなもの手に入れ、…―――ヘンタイか?不審者なら通報するぞ」

「通報する本人を相手に、それは言わない方が。…これは何なんです?」

「――――知らないでもらってたのかよ?何でまた、…――」

いいながら早足で歩いていく神代についていきながら、神原が応える。

「それはですね、―――」

聞かずに、くるりと前を向くと、急ぎ足で病院の裏口へ向かい、そこから中へ入っていってしまうのに。

 もう神原を無視して、警備員がいる裏口に突進して、神代が急ぎ足で入る。

「――――神代先生、…!」

「じゃあ」

何かいっているのを無視して急ぎ足で歩いていく神代について入って、神原が警備員に微笑んで手を振る。

「あの、その、――――!」

警備員がそれに戸惑って、声を掛けようとするのに、にっこりと手を振って。

 無言で突進していた神代が、不意に気づいて足を留めて振り向く。

「―――――…だからっ、!おまえ、何でいるんだよ!…警備員も何で通すんだっ、…!」

病院の中を歩きながら、ついてきた神原に神代が驚いて振り仰ぐのに微笑み返して。

「さあ、…。どうも、先生と一緒だから通してくれたみたいですね」

「…一緒って、こんな不審者と俺が連れにみえるかっ、…!くそっ、何で俺が先生だって知ってるんだよ!」

「だって、いま警備員さんが、先生って呼んでましたから」

「…――――おまえな、…!第一、…―――」

ふと、神代の視線が手にしている青い袋に向いているのに、神原が気づいて見直す。

「これ、そういえば何でしょうね?」

もらいましたけど、とのんびりいっている神原に、ぎり、と眉を寄せて神代が見返す。

「…―――神代先生?」

「…――――おまえ、これ、興味ないんだよな?つまり、いらないんだな?」

「…はい、まあ、…そうですね」

何なんでしょう、と紙袋をみる神原に。

 詰まった顔で睨んで、神代がいう。

「…―――寄越せ」

「え?これを、…――ですか?」

青い紙袋を掲げてみせる神原に、手を出して紙袋を取る。

「…あの、」

その勢いに驚いてみていると。

 赤と青の紙袋を手に、だっ、と神代が走り出すのを、つい見送る。

 ―――えーと、その。…

そうして、足音が響いた先を歩いていくと。

 ―――これは、…。

病棟が、少しばかりパステルカラーの装飾のある、特徴的な造りになるのに表情を消す。

 ―――小児科病棟、…。

神原が真剣な顔で見る前に、小児科の入院病棟がある。

 いくら明るく造っていても、…――――。

子供が好きそうな絵や何かが壁に描かれていても、小児科病棟の持つある種の重さや、苦しさは消しようがない。

 そう思いながら歩いていた神原の前に、――――。



「え?」

思わず間抜けた声を出してしまう程には。

意外な光景がそこには広がっていた。



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