幸せの絶頂
グレースは一応世継ぎはいるので変な心配はないが、その世継ぎである子供達をどうするか迷った。
母親を奪った憎い女認定されて復讐されても困る。
そこで彼女は王妃としての仕事とたまの贅沢のための時間以外は、母親の代わりとして子供達に接するようになった。
ますます周囲からの彼女の評価は高まる。
彼女は幸福の絶頂だった。
「よちよち、お母様ですよー」
「きゃっきゃっ」
「きゃっきゃっ」
「ふふ、意外と可愛いじゃない」
「さすがグレース様、すぐに懐かれましたね」
「まあ、まだ幼いからだと思うけど…気分はいいわね」
その後ヒューゴから貴女を誤解していたと謝罪を受けたり、オノレから今まで悪かったと謝罪を受けたり、オノレから本当の家族になりたいと言われて突っ撥ねたりと色々と忙しくなったグレースだが、今はもっと幸せだ。
幸福の絶頂をさらに超えた。
その理由は。
「お母様ー」
「お母様抱っこー」
「はいはい」
ユリアの産んだ双子が、我が子のように可愛くなったからである。
グレースは良い母親となっていた。
しかしこれ以上子供を望むことはない。双子が王位を継承する際に余計ないざこざは必要ないからである。
それに、孤児院の子供達もいる。彼らは彼らで情が湧いてしまったので、可愛がっていた。
「お母様大好きー!」
「お母様愛してるー!」
「私もよ」
打算まみれの人間がこうも上手く幸せになるのだから、人生はわからないものである。




