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第57話 心落ち着く場所

強い光のあとには、

心を休ませる時間がいる。

ソレイユの部屋には、

まだわずかに、

光の名残が残っていた。


誰も、

すぐには動かなかった。


 


ブランシュが、

最初に視線を上げる。


「まずは、休みましょう」


静かな声だった。


 


ソレイユを、

そのままベッドへ横にする。


状況を飲み込みきれないまま、

まぶたが落ちた。


ショコラが、

毛布を肩まで整える。


手つきは、

やさしかった。


 


ノアールは、

まだ足元が少し頼りない。


ショコラが手を取る。


「隣、行こっか」


短く言う。


 


隣の部屋まで、

ゆっくり歩く。


ベッドに座らせると、

ルナが先に跳び乗った。


 


ノアールは、

そのまま横になる。


目を閉じるまで、

時間はかからなかった。


 


ショコラは、

二つの部屋の扉を、

交互に確かめる。


少しだけ開けたままにする。


気配が通るように。


 


廊下の奥で、

ルミエールは、

まだ床に座り込んでいた。


 


ブランシュが、

そっと前に立つ。


「部屋で、休みましょう」


手を差し出す。


引き上げない。


待つ形で。


 


ルミエールは、

ゆっくり、その手を取った。


 


部屋は、

少し離れていた。


歩幅を合わせて、

連れていく。


 


布団をめくり、

横にならせる。


足元のスリッパを、

静かによけた。


毛布を、

肩までかける。


整えすぎない。


 


ブランシュは、

そのまま、そばにいた。


 


しばらくして、

ルミエールが言った。


「……怖かった」


 


息が浅い。


 


「一人で」


そこで、

言葉が止まる。


続きは、出てこなかった。


 


ブランシュは、

少しだけ身をかがめる。


「ちゃんと、呼べたでしょう」


責めない声だった。


 


ルミエールの呼吸が、

ゆっくりになる。


力が抜けていく。


 


そのまま、

眠ってしまった。


 


ブランシュは、

手を離さなかった。


 


隣の部屋では、

ショコラが

静かに行き来していた。


水を置き、

毛布を直し、

灯りを少し落とす。


 


誰も、

無理に起こさなかった。


 


今日は、

休む日だった。

眠れる場所があることは、

それだけで、救いだった。

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