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第39話 朝のお世話と、部活のスタート

少しずつ、新しい日常が形になり始めています。

ノアールの世界は、また一歩、広がっていきます。

朝。


ノアールは目覚まし時計とスマホのアラームを両方かけ、昨日より少し早く起きた。

ルミエールとソレイユは、まだ穏やかに眠っている。


そっとベッドを抜け出し、廊下へ出ると、メイドさんやお手伝いロボットたちが朝の準備に忙しく動いていた。


(よし……)


ノアールは急いで身支度を整えると、朝ごはんの前に猫のプレイルームへ向かった。


部屋に入ると、ルナがじっとこちらを見つめる。

しかし次の瞬間。


「プイ」


またそっぽを向かれた。


「……おはよう、ルナ」


めげずに声をかけるが、知らんぷり。

それでもノアールは、餌と水を用意する。

ルナは警戒しながらも、静かに食べ始めた。


その間に、ノアールは猫トイレの掃除、床の毛の掃除、クッションを整える。


(どうしても……ルナに振り向いてほしい)


その一心だった。


掃除を終えるころ、餌を食べ終えたルナが満足そうな顔でノアールを見る。


「ニャー」


小さな声。

ノアールの胸が、少しだけ跳ねた。


「おいしかった?

今日も学校から帰ったら遊ぼうね」


しかしルナは、再びクッションの上で丸くなり、のんびりと休み始める。


相変わらず気まぐれ。

でも、昨日より少し距離が縮まった気がした。


「ノアール、おはよう。早いのね」


背後から、ルミエールの声。


「うん。どうしてもルナに振り向いてもらいたくて、早起きした」


「ふふ、その気持ちはきっと伝わるわ。

さあ、手を洗って。朝ごはんにしましょう」


こうして、今日も一日が始まった。


学校。


授業は昨日と変わらず進み、ノアールは無事に放課後を迎えた。

今日は約束通り、部活動の日。


放課後。


部室の前に着くと、ルミエールが静かに鍵を取り出した。


「じゃあ、開けるわね」


カチャリ、と音を立てて扉が開く。


そのとき――


「お待たせー!」


廊下の向こうから、楽しそうな声が響いた。


振り向くと、ソレイユが彼の 朝倉 悠斗 と、昨日「部活に入りたい」と声をかけてきた子を連れて歩いてくる。


三人は、まるで最初から約束していたかのように仲良く並んでいた。


「初めまして。

朝倉 悠斗です。ソレイユと同じクラスです」


悠斗が穏やかに頭を下げる。


「あ、そうだ。昨日、名前言うの忘れてた!」


昨日声をかけてきた子が、にこっと笑う。


「桐谷 聖斗。よろしくな!」


元気いっぱいのため口。


すると隣の朝倉悠斗が、軽くため息をついて言った。


「聖斗。ここ学校なんだから。

先輩には最初くらい敬語使えよ」


「えー、堅いなぁ悠斗は」


「いいから」


「はいはい……」


桐谷は軽く咳払いをして、少しだけ姿勢を正す。


「……改めまして。

桐谷 聖斗です。よろしくお願いします!」


そのやり取りを、ソレイユは楽しそうに眺めていた。


ノアールは思わず微笑む。


(なんだか……賑やかになりそう)


ルミエールが穏やかに言う。


「じゃあ、入りましょうか」


部室に足を踏み入れる。

そこには、創作のための小さな世界が広がっていた。


「ここがアニメ同好会の部屋よ。

基本は“自分がやりたいこと”をして大丈夫。

わからない時は助け合いましょう。

楽しい同好会にしましょうね」


「めっちゃ自由じゃん。最高!」


桐谷は目を輝かせる。

悠斗も「悪くないな」と頷いた。


「じゃあ今日は、みんな好きなものを作ってみよう」


ソレイユの提案で、それぞれが「創りたいもの」を話し始める。


「私は恋愛アニメ作りたい!」


「俺はヒーローもの!」


「私はアイドルアニメかな」


「……私は、黒猫のアニメを作りたいな」


ノアールの声は小さいけれど、確かだった。


ルミエールは優しく微笑む。


「わからないことがあったら、私に聞いてね」


その背中を見ながら、ノアールは思った。


(ルミエールは……何でもできる。すごい人だ)


そしてその背中は、

少し遠く、けれど確かに目指せる光になっていた。


部室の中に、

新しい日常が静かに、確かに動き始めていた。

読んでいただき、ありがとうございました。


ルナとの距離はまだ少しずつですが、ノアールは確かに前へ進んでいます。

そしてアニメ同好会も、いよいよ本格的に動き始めました。


次回も、ノアールたちの日常と小さな成長を、温かく見守っていただけたら嬉しいです。

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