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第34話 朝の始まり

昨日までの景色と、今日からの景色。

同じ朝でも、こんなに違うなんて。

朝、部屋の扉が軽くノックされた。


「お嬢様、お時間です。起きてください」


その声で、ノアールは目を覚ました。


隣を見ると、ルミエールも起きている。

反対側では、ソレイユが布団にくるまったまま、まだ眠っていた。


「ソレイユ、朝よ」


ルミエールが声をかけると、


「……まだ眠い……」


もごもごと返事が返ってくる。


 


ノアールは、はっとして起き上がった。


「あ……ルナのこと、忘れてた……」


昨日はあんなに、

ルナと一緒に暮らしたいと思っていたのに。


楽しいことが続いて、

気づけば、ほとんど構ってあげられなかった。


「どうしよう……」


ルミエールが、落ち着いた声で言った。


「大丈夫よ。昨日はメイドさんがちゃんと面倒を見てくれたわ」


「今日から、ちゃんと一緒にお世話すればいいの」


「ほら、ルナのところに行きましょう」


 


部屋を出てルナのいる場所へ行くと、

ルナはノアールを見るなり、ぷいっと顔を背けた。


昨日、面倒を見てくれたメイドさんの方へ近寄っていく。


……懐いてしまっている。


「ルナ……ごめんね……」


小さく声をかけると、

ルナはちらりとこちらを見ただけだった。


 


「今日は、学校が終わったら動物病院に行きましょう」


ルミエールが続ける。


「一緒に暮らすなら、健康診断も必要だし」


「避妊手術の予約もしないとね」


「お金は、ひとまずこちらで出しておくわ」


「アイドルのお仕事で稼げるようになったら、返してくれればいい」


ノアールは、強く頷いた。


「……はい」


 


「じゃあ、朝ごはんにしましょう」


ダイニングへ行くと、

すでに朝食が用意されていて、いい匂いが漂っていた。


色とりどりの料理が並び、

見ているだけで、少し元気が出てくる。


 


(……お姉ちゃんたち、元気かな……)


朝ごはんを前に、ふとそんなことを思い出していた。


ぼんやりしていると、ルミエールが声をかける。


「どうしたの?」


「ホームシック、かしら?」


「大丈夫よ。今度、ショコラさんとブランシュさんも来るから」


「昨日、ノアールが元気にしているって、メールも送っておいたわ」


 


その隣で、ソレイユが小さな体で元気よく言った。


「おかわり!」


よく食べている。


「食べないと、体もたないのよ」


「私、いつも全力だから」


「恋も、勉強も、スポーツも!」


楽しそうに笑う姿を見て、

ノアールは不思議に思った。


 


今まで、

姉たちが自分より勉強ができて、

スタイルも良くて、

充実しているように見えると、

少しだけ、嫉妬してしまうことがあった。


でも――


ルミエールやソレイユには、

そういう気持ちが湧いてこない。


(……宇宙人だから、かな……)


そんなはずないのに、

なぜか、一緒にいると楽しくなってくる。


 


「そろそろ、出る時間ね」


その声に、ノアールははっとした。


急がなきゃ。


荷物をまとめ、玄関へ向かう。


 


外へ出る準備をしながら、

ノアールは思った。


(……今日、学校、楽しく過ごせそうな気がする)


そんな予感を胸に、

新しい一日が始まろうとしていた。

読んでいただき、ありがとうございます。

失ったものより、得られたものに目を向けて。

ノアールは、新しい「一歩」を踏み出します。

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