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第0話 流れ星の願い

夜。


大きな病院の屋上に、一人の女性が立っていた。


名前はショコラ。


大学四年生。


将来は、人を救える医者になりたいと願っている。


しかし今、救いたいのは——


自分の大切な妹、ノアールだ。


病室の窓から漏れる、


かすれた苦しげな声。


高い熱。息苦しさ。めまい。


何度検査をしても、原因不明。


「……医学を学んでいるのに、


私は、ノアールを助けてあげられない……」


心が軋む音がした。


ここ数日、ノアールは眠れず、


食べることもままならない。


ただの体調不良なんかじゃない。


けれど“病気”と呼ぶには、不自然すぎる。


まるで、


見えない闇に少しずつ蝕まれているような………。


ショコラは両手を胸に寄せ、


そっと祈る。


「神様、仏様、お星様……


どうかノアールを助けてください。


これ以上苦しまないように……」


その瞬間、空で光が弾けた。


キラッ——


流れ星が夜空を横切る。


……だけど、様子がおかしい。


ジグザグに揺れ、


金属のような光を放っている。


まるで、誰かを探しているみたいに。


ショコラは息をのみ、


その光を見つめた。


そして、流れ星は


彼女の祈りに応えるように進路を変え、


夜の彼方へと吸い込まれるように落ちていった。


それは星では、なかった。


けれど——


その意味を知るのは、もう少し先のこと。


この夜、ショコラの願いは届いた。


そして運命は静かに動き始めた。


ノアールを救うために。

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