狼娘ロウの旅
あるところに、狼娘の少女がいた。
その少女の名前はロウ。
わけあって、故郷から追放された身だ。
故郷は閉鎖的な環境だったため、窮屈していたロウはあまり追放を気にしていない。
せっかく外の世界に出られたのだから、すべての国に行ってみようと思っていた。
そんなロウは様々な国へ向かう。
水の上に作られた水上国家や、たくさんの木に囲まれた樹木の国。
ガラスでできた国や、毎朝動物がはしりまわる国などがあった。
世界には珍しいものや、興味深いものがたくさんある。
そう感じたロウはこれからも旅をしたいと考えた。
旅をはじめてから1年。
ロウは、カラスを仲間に加えた。
怪我をしていた白いカラスを手当したら、懐かれたのだ。
スキップがへたくそなそのカラスを、ロウはそのままスキップと名付けた。
一人と一羽の旅が続く。
それからもロウ達はたくさんの国へ向かった。
生き物の体の中にある国や、迷路のような国。
夜が来ない暗闇の国や、罪を犯した罪人の国などにも。
楽しい事ばかりではなく、危険な国や冒険が必要な国もあった。
それでもロウは、旅をして良かったと感じた。
やがて足に怪我を負ったロウは、旅ができなくなり、気にいった国に移住することになった。
ロウは旅をまとめた本をかきながら余生を過ごし、仲間のカラスをみとったあと、安らかに眠りについた。
そんなロウのかいた本は、様々な国に伝わり、多くの旅人をうんだのだった。