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プロローグ
──選ばれた人しか入れない、深い森を辿って、森の棲家へ行ってごらん。
そこには妖精が住み、生活を少しだけ手助けしてくれるよ。毎日のミルクとビスケットを忘れないで。悪戯されちゃうからね。
人生に迷った時、挫折した時、何かを変えたい時、助けて欲しい時、尋ねてみたらどうかな。もしかしたら願いを叶えてくれるかもしれない。
君に資格があるのなら。
詳しい場所を思い出せなくても、きっと辿り着けるだろう。どんなに標が欠けてもね。
思い出せない人はきっと資格がないのだろう。
教えてくれないのかって?
資格がなければ辿り着けない。辿り着いても悪戯される。
紙に残しても、いつの間にか忽然と消えて、巡り巡って誰かの元に飛んでいく。不思議だけれどそれがルール。
君に資格があるのなら。
大丈夫、君の元に飛んでいくから。
春、夏、秋、冬、見守ろう。
緑の瞳で見極めて。
大切な人を想う。その心を。
ああ、ほらまた。
新しい人が来る。




