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一日目 朝

春 それは別れと出会いの季節。

そして、春休みが来る季節。

 先週の金曜日、3年生が卒業した。

 あまり自分は3年生と関わってなかった気がするが、なんとなく切ない気分だ。

 通学路でも学校付近だと先週までは結構いたように感じていたが今は3年生が居ないためとても少なく感じる。

 学校の校門が見えるまで歩くと生徒指導の先生が立っていた。

(…今日ってなにかあったけ?)

 考えながら校門に近づいてみると何やら言い争いをしてるよう。

「先生!どうしてピアスはつけてはいけないんですか!?」

「学校の風紀のためだ!!!」

「うるさっ(ボソッ)]

「なんか言ったか?」

「いいえ何も。ただ、声がとても大きく近隣の方々の目覚ましになると思っただけです」

「そうか。ならいい」

(許されるんだ)

「放課後、取りに来なさい」

「はぁい。」

 結構な言い争い(?)をしていたようだ。ちなみに生徒指導の先生の苗字はは北村。

 何も言わず校門を通り過ぎようとすると生徒指導の先生が引き留めてきた。


「おい、挨拶をしなさい!」


 先生が「おい」という言葉を生徒に向けていいかはこの際置いておこう。

 正直挨拶はめんどくさいが、このとても大きな声の北村先生に絡まれる方がめんどくさいのだ。

 適当に切り抜けよう。


「あぁ、すみません。おはようございます」

「声が小さい!!!!」


 …切り抜けられなかった!!!

 さぁ自分はどうする!?

  ▶ 大きく挨拶して切り抜ける

    ささっと走り去る

    他の人に構わせる


 …絶望的なラインナップだ。

 まず一番上はもっと大きくと言われる。北村なら間違いない。

 真ん中は内申点が下がる。というか目を付けられる。

 一番下は目をそらせられるほどの生徒がちょうどいる確率が低い。

 終わったな。グッバイ自分。


「聞いているのか!!!」


 にしても声でかいな。大声大会日本選手として出られるよ先生。

 そろそろ何か言わないと終わるのは分かっているがどうするか…。


「先生!栗原君が校則違反をしてます!」

「なんだと!?」


 おっと???神か?

 救世主メシアキタコレ。そのまんま真ん中を選んで逃げよう。うん。


「おい栗原!」

「ゲッなんで北村がいるんだよ!!!」

「そこの女子生徒から報告を受けたんだ。校則違反をしたってな!!!!」

「はぁ!?」


 …女子の報告こと噂話って一番広まりやすいし信用しやすいんだよね。うん。ご愁傷さまです。

 女子は一番敵に回しちゃいけないってこの中高5年間で学んだよ。

 一人でも敵にしたら全員敵に回るからね。


 北村に怒られている男子生徒から逃げ歩き、教室に向かう。

 階段らへんなのに自分のクラスメイトの声がする。なにをしているのだろう。 

 教室前に行き教室の扉を開けた。


「なぁこれどう戻す?ほんとにさぁ!」

「せんせーが来る前に直さなきゃ死ぬな俺ら」

「時間的に終わってるよ。マジでね!」

「ありゃ、?これ怒られるパターンかなぁ?」

「怒られるな」

「コテンパンに怒られるな」

「げんこつはくらいそうだな」

「わぁ」


…何してるの????

目の前にあったのは積み木のように積み重なった机だった。

犯人は声的に中村、鈴木、神州、五百木のようだった。


「…ありゃ?五木いたのかぁ!」

「あっバレた」

「五木!?」

「マジで五木じゃん!」

「ごーやじゃん」

「だれがごーやだよ」

「「「お前」」」

「酷い」


 …ごーやはあだ名である。

 理由はは苗字の五木の『いつ』が『ご』と呼べるところと自分の弁当の中にゴーヤチャンプルーがほぼ入っているというダブルネーミングから来ているらしい。


 正直自分は不服だがクラス内でのあだ名として浸透している。


「五木も片づけ手伝ってよぉー」

「そうだな手伝え」

「ごーや手伝え」

「怒られたくないから手伝え」

「勝手に手伝うことにしないで。まだ神州は頼んでくれてるがほか三人は勝手に手伝うことにしてるじゃねーか」

「いいじゃん」

「どうせ暇だろ」

「暇だよ!!!」

「だよな!」

「暇そーな顔してるもんねぇー」

「いや神州もそっち側行くのか」

「面白そーだしねぇ」

「神州はもともとこういう性格だぞ」

「そうでした。」


 いやぁ…忘れてた。こいつふわっとしてるけど面白そうな方に向かう愉快犯的な性格が入ってんだったわ。


「ということで手伝ってくれ」

「まぁ良いけどどんだけ積んでるのこれ」

「三段は積んだ」

「片づけるのめんどくさいな」

「「「わかる」」」

「積んだのはお前らだろ」

「「うん」」


 いや本当に積みすぎだろ。一番上の机座っても天井多分つくぞ。


「開き直るな。そして神州はどこ行ってる」

「たぶんトイレ」

「マイペースだな」

「なんならサラッと中村もいなくなってる」

「「逃げてるだけだな」」

「中村の信用のなさ」

「いや逆に逃げてるという信頼がある」

「ひっでぇ信頼だこと」


 まぁ授業中であっても面倒ごとから逃げる中村だからなぁ。そりゃ当然の信頼か。


 愚痴りながらも自分たちは机を片づけた。

 もちろんほかのクラスメイトにばれたし担任にもバレた。

 中村は五百木と鈴木から恨まれていた。こりゃ昼の時間に弁当からおかず取られるな。

登場人物紹介

五木いつき 理緒りお17歳 2-C

主人公。高二でショートの生徒

面倒ごとが苦手な普通の一般生徒


中村なかむら 空斗くうと16歳2-C

高二で短髪の少年

面倒ごとが苦手で後先考えずに突っ走る癖がありその上逃げ癖がある


五百木いおき 汐留しおん17歳2-C

高二でツインテールの少女

男より男しており何に対しても強気。恋愛には弱い


鈴木すずき 正樹まさき17歳2-C

高二で襟足が少し長めの少年

常識的な考えは持っているが、ノリと勢いで生きている節がある


神州しんしゅう つき17歳2-C

高二で横髪が長めの生徒

マイペースで愉快犯なところがある。日によって制服が男子になったり女子になったりするためはたから見ると性別がわからない。クラスメイトこと2ーCは全員分かる

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