表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新たな世界でほのぼのと  作者: うずら
プロローグ
2/12

夢の中で

「フィオラ、こっちで一緒にお昼ご飯食べよう。」

声がするほうを振り返ると、金髪に碧眼の優しそうな女の人が呼んでいた。横には赤茶色の髪にハチミツ色の瞳をしたこれまた優しそうな男の人が、馬車から荷物を下ろしていた。

「お父さん、お母さん!」

私は二人のほうに走っていき、お母さんに抱きついた。

「お母さん、これあげる!」

私は手に持っていた花の冠をお母さんに渡した。

「さっき教えてあげたのに、もう一人で作れるようになったのね。ありがとう。上手にできたね。」

笑ってくれたお母さんの顔が嬉しくて、またぎゅっと抱きついた。すると荷物を運び下ろしたお父さんがやってきた。

「お父さんにもあげる!」とお父さんにも花の冠を渡した。

「フィオラが作ってくれたのか。上手に出来てるな。ありがとう。」

こちらも嬉しそうに笑ってくれたので、嬉しくてお父さんにも抱きついた。

すると横で見ていたメイドのノーヤさんが「フィオラさんは本当にお父さんとお母さんが好きですね。」といったので、私は言った。

「うん、お父さんもお母さんも大好き!」

すると二人は私をぎゅっと抱きしめた。


雪が降る日だった。棺桶の中にはお父さんとお母さんが入っていて、周りにはたくさんのお花が敷き詰められていた。

私は泣き叫んでいた。周りいた人たちは、まだ若いのに残念ね、娘さんもまだ小さいのに、など話していた。

両親と最後に話したのは5日前。お父さんが「風引いたかも。」と言っていたので、ノーヤさんと一緒にシチューを作ったのだ。お父さんは美味しそうに食べてくれた。次の日起きるとお父さんとお母さんがいなかったのでノーヤさんに聞いてみると、「お父さんとお母さんは体調が優れないのでベットで休んでおられます。」と言っていた。

5日後両親は亡くなった。

横にいたノーヤさんが泣き続ける私をぎゅっと抱きしめてくれた。


1ヶ月後、私は空腹でベットから動けなくなっていた。一週間前、両親が亡くなってから何も口にしない私のためにノーヤさんが近くの街へ買い出しに行く途中、モンスターに襲われて亡くなったのだ。私の家族はもう誰もいない。だんだんと意識が朦朧としてくる。このまま死んじゃったらお父さんやお母さん、ノーヤさんに会えるかな、また一緒にピクニック行きたいな...。

そうして意識が途切れた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ