表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

第2章





現在の大学ではさすがに、いじめは起こらない。少しは大人であることや他生の許容範囲の拡大に原因があるのかもしれない。友を作らず、羽織と過ごす日々。普通の人達よりは不自由でも、幸せだ。でも、僕は知っている。幸せを感じた時こそ、絶望がやってくるのだろうと。いまの僕にとっての絶望とは、それは羽織がいなくなることだ。羽織以外に頼れる人はいない。羽織が消えてしまっては死んだも同然。羽織が消えてしまわないかそれを恐れながら暮らすことはできないものか…。




大学




秋、大学にも慣れ、羽織と休み時間に喋っていた時のことだった。羽織が連れていかれる。


「おーい、羽織~ちょっと来てー」


「えー、やだし」


羽織は、覗くようにチラッと僕を見てから言う。


「今、風斗と休み時間を満喫してるの。邪魔しないでー。」


「おい、そんなこと言うなよ、」


さっきと雰囲気をずいぶんと変え、羽織を連れて行こうとする。が、羽織は「いやだ」と拒む。


「はあ?、来いよ」


羽織の腕を強くつかみ、連れていく。僕は唖然としてしまった、そして察するのだった。また自分がらみのことで羽織が連れていかれたしまったのだと。


結局、休み時間内に羽織は帰ってこなかったので、メールをし、その場を去った。その日からなるべく羽織に迷惑をかけるまいと、羽織と一緒にいる時間を減らし、自然と避けるようになってしまった。いつもいっしょにいてくれる友達だから。




羽織side




風斗と一緒にいたら無理矢理の連行。最初は普通に話しかけてきたのだが、俺が断ったら物凄い目で風斗を見た。それを見て気がついたのだ。嗚呼、こいつもだ。風斗を疎外している。嫌っているのだと、容姿のおかげもあってか、クラスでそこそこ人気者の俺、友達は多いが1番は風斗。あいつは俺がいなければとっくに壊れていたのだろう。けれども、俺が人気なせいでよく、こういう目に遭うが、俺が断れば皆諦める。けれど明らかに雰囲気が違い、危ない。とりあえずついて行く。建物の陰に連れていかれるかな。とても冷たく肌に刺さる風が吹いた後だった。


「何で、女とずっと一緒にいるのかよ、気持ちわりぃ。彼女かよwwwwww」


「あいつは男だ」


「じゃあホモかww」


こんなことなんて今まで、山ほどあった。慣れていたのに何故かいつも、言われる時とは違う気がした。


「人気者で優しくていいこちゃんは、性別もよくわかんないやつと仲良くやってますー。だから褒めてーーーってか?キモイ、人気者は嫌われちゃいけないんだよ。俺の友達がな、言ってたんだよ」


こいつ最悪だ。


「「羽織は風斗ちゃんwが1番で遊んでくれない、まじウザイw」ってな、もう一度言おうか人気者は嫌われちゃいけないんだよ。俺の大事なお友達と遊んでくれなきゃ、どうなるんだろうね」


言われなくてもわかる。遊びという名の金づる。そして、断れば風斗へ被害が行く。俺は断るという意志がある。けれど、風斗は錆びれてしまったのだから。


俺はこう言った。


「風斗に何もするな。俺をいじめろ。俺はいくら避けられたって構わない」


「wwwwwwwwwwwwwwwwwwあっそ」


どうなるか


「いいわ、じゃ皆にそういうふうに通しとくわww学年一の人気者がどん底に落ちる様を見ますかwwwwwwwwwwwww」


よし、これでいいのだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ