黒龍の思い出
フレスヴェルグ→ニーズヘッグと仲が悪い大鷲
ラタトクス→ニーズヘッグとフレスヴェルグにお互いの悪口を吹き込むリス
GO!
遠い遠い昔のお話〜♪
始まりは普通の御伽噺みたいなんだね。
腹が満たされた夜の中で鳴る音は心地よく、私はとてもリラックスしていた。
あの頃の私は怒りに任せてユグドラシルの根を噛み砕いていた〜♪
やっぱり神話通りのニーズヘッグさんだね
来る日も来る日も噛み続けても私の怒りは収まらなかった〜♪そんなある日現れたのがミカさん〜♪
なんで現れたのかはさておき、とうとう邂逅したね
目と目が合って、振り下ろされる私の鉤爪、微動だにしないミカさん〜♪
次の瞬間に吹き飛ぶ、私の右腕〜♪
すごいね、さすがにニーズヘッグさんでもミカには敵わなかったのか。ていうか、それなら今、ギターを弾いてる腕はどうしたんだろう
昔は2本あった私の右腕〜♪
先走りすぎちゃったね、そこは解説が入るんだ
さすがにしゅんとしてしまった私に、ミカさんはこう言った〜♪
「もっとよく噛みなさい」
指示に従い〜噛み砕かぬ様に〜優しく噛み締めていく〜♪
刺激される〜♪龍の副交感神経〜♪
完全にサビに入ったね、というか龍にも副交感神経ってあるんだ
龍の副交感神経のリラックス効果、見る見る消えていく怒り〜♪yeah,uh〜♪
すごく綺麗な裏声のuhだ
嘘の様に怒りは沈み、これからどうしようかと考えていると、ラタトクスがやってきた〜♪
今日も今日とて、フレスヴェルグが言った悪口を伝えてくる〜♪
しかし、怒りは全く湧かず、こんな稚拙な文言に怒っていたのかと少し落ち込みました〜♪
このまま何も返さなくてもいいけど、どうしようかと迷っていると、すかさずミカさんこう言った〜♪
「韻を踏みなさい」
私は、ほんの少しの悪口を韻に乗せて伝えました〜♪
ちょっと心の中でつっこむの疲れてきちゃった
何回かラリーを続けるとフレスヴェルグが私の所に降りてきた〜♪
「お前の悪口はリズム感が良すぎる、いったいどんな術を使っているんだ」
韻の解説を少しして〜、悪口のラリーを何回か〜♪段々段々段々と〜♪熱い気持ちが溢れ出し〜♪気付けばマイメンに〜♪
あたふたしてるラタトクス〜♪そんなラタトクスに目をつけてミカさんすかさずこう言った〜♪
「ターンテーブルを回しなさい」
ah〜♪ラタトクス〜♪DJの語源〜♪
こうして段々と仲が深まった私達〜♪でも知っているラグナロクが起こる事〜♪悲しみのあまり叫ぶ〜♪ ᛋᚲᚱᚱᚱ〜♪
ついにラグナロク始まった〜♪
皆が皆、大勢の血を覚悟した〜♪
しかし、空から光が落ちて、戦場が変わろうとしてた〜♪
戦場の真ん中にはミカさん、その場にいた全員ポカンとしてる〜♪
恐る恐るその場にいた〜1人が攻撃をする〜♪
ミカさんはそれを避け、平手打ちをする〜♪
もう1人攻撃し、平手打ちをする〜♪
誰の攻撃も当たらない、平手打ちをする〜♪
両陣営が慄いて、一斉に攻撃を仕掛ける〜♪
これには流石のミカさんも〜♪
♪
♪
♪
平手打ちをする〜♪
両陣営の攻撃が何も当たらない〜♪
もうちょっと面白くなってきて〜♪少しずつ笑えてきて〜♪いつの間にか皆疲れ果て〜眠りに落ちる〜♪何もかもがもう何ひとつ分からなくなって〜♪なんかミカさんも勝手に生命を生き返らせたりして〜♪表面的ではなく問題を根本から解決する事で〜♪北欧神話の世界に完全なる平和がもたらされた〜♪
M・I・K・A ミカさん♪
M・I・K・A ミカさん♪
いやーすごい曲だった。色々突っ込みたいところはあるけれど、もう脳みそがあまり働かない。曲を聞く前よりも腹が満たされている感じがする。ふと、ミカの方を見ると、眼を瞑ってすやすやと眠っていた。もうそろそろ夜も更けてくる。ニーズヘッグさんには泊まっていってもらいたいが、しかし体格が大きすぎる。ニーズヘッグさんと同じ体格のペットを飼ってはいるのだが、客人としてのニーズヘッグさんをそのスペースに泊めるのは如何なものだろうか。せめてニーズヘッグさんが人くらいの大きさになってくれたら...。私が困った顔をしていると、ニーズヘッグさんはそれを察した様で
「実は私、小さくもなれるんですよ」
と言ってくれた。
「それは助かります。是非とも小さくなっていただきたい。お部屋も用意していますから是非泊まっていって下さいね。」
「ありがとうございます」
ニーズヘッグさんは、そういうと小さくなり人型になった。人型に?それは明らかに柔らかいシルエットの人型であった。
黒龍の名に恥じぬ、艶やかな黒髪、そして褐色の肌、そしてミカにも負けぬ美貌、セクシーかつ流麗な体格。これは確実に...。その時、後ろから究極の殺意を感じた。
「ミカさん、話せばわかる。」
「お話は寝室で聞きます。」
なるほど、今、本物のラグナロクが始まろうとしている。
マジでなんだこれ




