イタリア8日目ーミラノフットボールー
サッカーを見に行こう
イタリア旅行の9日目と10日目は移動に費やされるので、実質的には最後のイタリア観光になる。
盛りだくさんだったイタリア旅行のトリを飾るのはフットボール観戦!
この旅行を締めくくるのに相応しい大舞台だった。
インテルのホームであるサンシーロスタジアムでのインテルVSユヴェントス戦だ。
起床は6時。1時間かけて昨日の出来事をメモに書いた。
7時に朝食を食べる。パンとジャムとヨーグルト、あと味噌汁を飲んだ。メチャクチャな組み合わせだけど、妙においしい。味噌汁はもう3日連続で飲んでいるけど、最高だ。味噌汁がこんなにも素晴らしいものだったとは。日本に居たときは気付かなかった。
朝食に並ぶメニューも最高においしいんだけど、味噌汁のおいしさはそれとは違う、舌だけじゃなくて心に響くおいしさなのだ。
朝食を食べたあとは速やかに出立の準備を整える。何しろ試合開始が18時だと思っていたけど15時からだったのだ。大急ぎで準備をして、9時過ぎにはホテルを出た。ホテル近くの地下鉄駅から、サンシーロスタジアムがあるLOTTO駅までは15分くらいで着く。そこから歩いて20分くらいだから、10時にはサンシーロに着いた。ちょっと早すぎた。まあ時間があるのは悪いことじゃない。
ただ、雨は最悪だった。どうもこの旅行には雨がついて回る。困ったものである。
LOTTO駅に着くと、さっそくサッカーグッズのショップがあった。インチキ臭いのでもちろん買わない。せっかく来たのだ。ちゃんとした店で買いたいじゃないか。
サンシーロに向かう道道にはダフ屋が居て、「チケットチケット」と言っていた。100€で意外と安い。でも僕らは彼らより遥かにいい席を持っていたので、話だけ聞いてグラッツェと別れた。冷やかしである。
サンシーロスタジアム
サンシーロスタジアム回りは、試合開始5時間前だというのに活気に満ちていた。スタジアム周辺には屋台が並び、サッカーグッズだったりサンドイッチだったりが売っていた。
僕らはふらふらと歩きまわり、公式っぽい店に入る。僕はユニフォームと缶バッチ、マフラーを買った。
ユニフォームは二人でさっそく着た。缶バッチは日本に帰ったとき、フットサル仲間へのお土産にしよう。マフラーは、応援の時に使おう。
屋台を歩いて回るのも楽しい。インテルの鉛筆があったので、「How much?」と尋ねたら「present」と言われた。喜んで受け取る。明らかに売り物だったと思うのだが、この国の値下げ感覚が未だによく分からない。
ユニフォームを着て歩き回っていると、車に乗ったイタリア人が「いえー!」と大声を出して僕らを呼んだ。特に意味は無いだろう。ガッツポーズだけしておいた。
屋台を歩きまわっても随分時間が余ってしまったので、安定と信頼のマクドナルドに入る。そこでマックチキンセットを頼む。
1時間半くらいマックで時間を潰した。
そのあとマックの隣にあるおもちゃ屋に入ると、黒騎士とホワイトタイガーのフィギュアを買った。
なかなかかっちょいい。これは自分の土産にしよう。
試合開始1時間前
いい時間になった。
キックオフの1時間前である。
マクドナルドからスタジアムに戻る途中の道は大行列になっていた。サンシーロスタジアムは8万人を収容する大スタジアムだ。そりゃあ混むだろう。そこで行われるのはイタリア最高の人気を誇るスポーツであるフットボールなのだ。
スタジアムに近づくにつて、会場からは怒号のような大声が響いてくる。
「うおおおおおおおおお!」
スタジアムが叫んでいるようだった。
圧倒的な熱気に、僕らのテンションも自然と上がる。
激しく混雑する中、僕らは受付のゲートをくぐった。結構たいへんだった。チケットをかざすところで、うまくできなくて焦った。後ろにいたイタリア人が親切に教えてくれた。イタリア人マジでいいやつ。
スタジアム内に入ると、まず席を探した。
自分たちが入るゲートを見つけ、中に入る。
圧巻の光景だった。巨大なサンシーロを埋め尽くす人の群れ。彼らが大声で叫んでいた。もちろんまだ試合は始まってない。
雨が降っているので、けぶるように見える対面の観客席から、激しい熱気がほとばしっているようだった。僕は写真を撮り、ここの空気を少しでも切り取れるように動画の撮影もたくさん行った。
ほどなくして、スタメンのコールが始まる。
スターティングオーダーを読み上げるとき、名前が呼ばれる度に観客が歓声を上げたりブーイングをしたりしていた。僕はヨーロッパサッカーがほとんど分からない。もうちょっと勉強すれば良かった。
マンデーフットボールでも見てみよう。
インテルVSユヴェントスとその後
そして試合開始。
これがもう大盛り上がり。何かあると歓声やブーイングが起こる。彼らの抗議の仕方がおもしろい。日本人の僕から見るとすごくオーバーで大げさに手を振って、立ち上がって堂々と感情を出す。でも、こういうのにちょっと憧れる。
試合は開始早々にユーヴェに先制点を入れられる。21番のピルロがうまい。回りがめちゃくちゃ見えている。彼が試合を組み立てて、攻撃を作っているようだった。
インテルも果敢に責め立てて、一点を返すも、その後追加点を取られて負けてしまった。
長友はベンチには居たけど、残念ながら出場機会はなかった。
試合が終わるとスタジアムの人は早々に帰っていった。僕らはサンシーロスタジアムの写真を撮っていた。
そのとき声をかけらた。10人ほどのイタリア人の家族が「写真を撮ってくれ」と言った。
もちろん快諾して写真を撮る。そのあと「君たちも一緒に撮ろう」と言うので、イタリア人家族に混じって写真を撮った。フレンドリーな人たちである。
応援していたインテルは負けてしまったけど、とても満足して帰路につく。帰り道は満員のサンシーロスタジアムから帰る人で溢れており、電車も恐ろしく混んでいる。
だから僕らは次の駅まで歩くことにした。歩いたけど、電車の乗る方向を間違えて元いたLOTTO駅に戻ってしまった。仕方なくLOTTO駅から電車で正しい方向に進んだ。何をしているのか。
降りたのはドゥオーモ駅。Nが彼女に買うミューミューのキーケースを買うのに付き合った。
そのあと、ACミランショップに行った。インテルのユニフォームを着ていたので、上着を羽織って隠す。
インテルとミランの本拠地はミラノで同じだけど、仲が悪いらしい。
ACミランショップでは軽くグッズを買う。これもお土産用だ。
ミランショップを出ると、ドゥオーモ広場で写真を取った。見納めかもしれないなと、少し寂しく思った。
写真を撮って、地下鉄に乗ってホテル近くの駅に戻ると、もうこの旅はあと僅かなんだなと思った。ホテルで荷物を下ろして、4回目のピザ屋に行く。ミラノの夕食はほとんどここで食べている。
何回食べてもおいしい。
おいしくいただき、満足して部屋に戻る。
部屋でも軽く酒を呑んだ。ワインとチーズと生ハムだ。
少し食べて、少し飲んで、眠った。
明日にはもう発たないといけないのか。
何だか不思議だ。日本にいたのが遥か昔ような気がする。
日本が懐かしい。
イタリアに居る時間もあと僅かだ。
もう思い残すところなく、無事に帰りたいものである。