私がVRゲームを書くとこうなる
VRゲームで人気の種別は大別して二つある。一つはMMOやRPG(間違っても対戦車火器ではない)。もう一つが鉄道シミュレーターである。
二つの共通点は、長時間プレイが前提であり、また普通は出来ない体験を出来ることである。
旧字体で書かれた『気動車と電車』、鮮やかな表紙の『国鉄蒸気機関車開発史』、そして何故か隣に並ぶ『性同一性障害って何だろう』とか『子供の人権とは』とか『九二式歩兵砲のすべて』等、ジャンル分けはどうしたと言いたくなる本棚。
その本棚の主はいま、新しく購入した最新のVRゲーム、『完全版 蒸気機関車シミュレーター 定価¥12500』のパッケージど向き合っていた。この為だけにやたらとお高いヘッドギア式のコントローラーを買ったのである。が、せっかく届いたゲーム、すぐにプレイするのがもったいなく感じる。
なにしろ鉄道シミュレーターメーカーの中でも大きな力をもつ『汽車堂』のこのゲームは店売りなしで売られたのだが、鉄道ファンたちの壮烈な注文バトルによって何度かサーバーダウンしたそうである。それを縫ってなんとか買えた喜びをまだ噛み締めていたいから、ずっと見つめているのだ。
過去に問題があったせいで表情がほとんど動かなくなっている彼は、無表情ではあるが、心のそこでは狂喜乱舞していた。
ヘッドギアに連なるゲーム機の本体にカセットを、九六式軽機関銃の弾倉よろしく嵌め込む。そうだ。いつぞやのゲーム機のあのカセットの要領である。何故だかは知らん。そして足首や手首に電極のついたベルトをつけ、そのコードをヘッドギアに差し込む。そうした後にヘッドギアを被る。頚に巻く電極環のキツさを調定する。彼は心を震わせながら、それを起動させる。
続き?
というか、マニアックになりすぎるから省略したプレイ内容あるけど、どうする?




