真実
遅くなってすみません〜!
リア多忙で…
知らなかった、みぞれが俺を好きでいてくれてたなんて。夢のようだ。
しかし現実は喜びに浸らしてくれず、なにやら悲壮な顔をするみぞれはさっさと帰り支度をしてしまう。え………なぜ?
先程の会話を思い出してみると、理由が分かった。って帰らせるわけないでしょう?そんな誤解させたまま。
思わず追い掛けてみぞれの手を掴んだ。そして、ビクッとして振り返ろうとするから、胸に抱き寄せた。
「っっ!…………うた…?」
顔を真っ赤にしながらも、俺を決して突き放したりなんかしない彼女をとても愛おしく思った。
だから…
「みぞれ、好きだよ」
率直に想いを伝えた。
「ぇ…………ほんと…?ほんとに?」
「うん、当たり前」
「ぅ、嬉しい…ぁ」
無意識なのだろうが、涙をその瞳にたたえ、その黒瞳を艷やかに潤ませる。そして溢れた涙を驚いた顔で拭う様はとても綺麗で儚い。…………どれだけの破壊力があるとも知らないんだろうな。
「うん、俺も。ずっと、みぞれは俺のことただの幼馴染としか思ってないと思ってた。俺の目の前で婚約しちゃうくらいだし?」
「あ、あれは…その…」
「それでね?実は後で驚かそうと思っていたんだけど、手を回して俺も求婚しといた」
「は、はぁ⁉」
「あとはみぞれがどちらかを選ぶだけ。あと奏璃が中原に求婚した。アイツ実は中3だって」
「え?えっ…⁉ちょっと待て……‼奏璃が………?中原右景が中3?ウソだろう⁉」
「落ち着け、みぞれ」
「そんなこといったって」
「じゃあ、これならどう?」
「え?ん…。お、落ち着いた…」
「そう?残念」
本当に。せっかく正当な理由でキスできる時だったのに。
「あの、うた……?」
「ん?」
「私………、もちろん、うたを選ぶからな?」
「当たり前」
「ふっ、すごい自信だな」
「俺はみぞれの彼氏だからな」
あっ、ヤベ。まだ付き合ってとか言ってなかった。俺の中ではもうそのつもりだったからつい…。どうフォローしようか?
「うん…」
意外と満更でもないのかやっと元の色に戻った白い頬を再び赤に染めている。
…………よかった。ていうか、普通に嬉しい。でも、これはけじめ。ちゃんと言おう。
「みぞれ、俺と、付き合ってください。結婚を前提に」
「っ、気が早すぎないか?………喜んで」
Side霙澪
うたの胸に引き寄せられてからはあっという間だった。こんな時に限って彼の男らしさを実感して赤くなって………。
まさに不意打ちだった。現状を理解できず混乱している時にあんな事言われて……。一瞬何言われたのか分かんなくて、言葉の意味を理解しても、最初は信じられなかった。本当にうたが私を好きでいてくれたんだと分かった時なんて、全身が震えて無意識な涙が出た。
その後も衝撃発言連発で、いつの間にかうたからも求婚だなんて…、あ、もしかして前、父と兄が言っていたのもこのこと?
奏璃も中原右景に求婚したようだし、彼が実は中学生だという事も判明した。あれが私よりも年下なのか……。
なんやかんやあったけど、あの後うたからお付き合いを結婚を前提に申し込まれて受け入れて、私達を応援してくれていた桃桜にも報告に行ってきた。
桃桜は大層喜んでくれて、これで自分の恋愛に専念できると言っていた。
因みに、桃桜の好きな人とは私の兄である柊拓眞だ。二人の様子は私の目から見て、良い線行っていると思う。彼女がいる様子もない。
2月生まれの私を、5月生まれの桃桜はいつもお姉ちゃんのように引っ張ってくれた。小さな頃から追ってきた彼女が、私の本当の姉になってくれるだなんてイヤな訳がない。
次は私が桃桜を応援する番。
これから大会シーズンなので、更新できないかもです。
なるたけ書いていきますね‼