女子会パート2 in水族館
私の頭の中では物語は出来上がってるので、文章で説明が抜けているかもしれません。
どうせ行くなら大きいところにしようと、車で1時間ほどの雑誌等で話題の水族館へ向かった。
「わぁ〜!」
奏璃が、目の前の水族館を見てはしゃいだ声をあげる。
「さあ、入ろうか」
友達と遠出するのが久しぶりな私は、内心かなり嬉しかったりする。
だが、そんな私とは違い冷静な桃桜は、もうチケット売り場に並んでいる。
11時前という微妙な時間帯で今から入る客が少ないから、チケットは直ぐに買えそうだ。
「お姉様、私、イルカのショー見たい!」
「ふむ、じゃあ時間を調べようか。先にお昼を食べてもいいな…」
もう、時間は11時を過ぎた。
腕時計を見ながら今後の予定を想像していると、服を控えめに引かれた。
そして、
「みぞれお姉様、桃桜お姉様がチケット買えたみたい。入場口に立ってるよ?」
上目遣いでこっちを伺う。
…なんで、いちいちこんなにも可愛いんだろうか。
でも、そこは大人の意地で
「よし、行こうか。奏璃」
頑張った。
「全く、二人してそんなに喜んで。チケット買えましたよ。早く入りましょうか」
桃桜には、私の喜びがバレているようだ。流石親友。
※
いい時間にイルカショーがあったため、見に行く。
雑誌などで取り上げられるだけあって、迫力満点で、奏璃もご満悦だ。
お昼も水族館内のカフェで食べた。
すぐ近くに水槽があって、魚を見ながら食べるのは新鮮でなかなか良かった。
その後、魚のエサやりを見て、他の水槽を巡ろうかというとき、桃桜と奏璃のスマホが同時になった。
そして、スマホの画面を見るなりニヤリと目を合わせた二人は、私をトイレへと押し込んだ。
そして、全く行きたく無かったわけではない私がトイレを済ませ外に出ると、先ほどまで二人が座っていたベンチにその姿は無く、代わりに
「うた…?」
うたがいた。
なにやらボーッとしていたうたは、私の声を聞くなり立つと
「みぞれ!」
抱きしめてきた。
「えっ?う、うた?」
私の心臓が速くなる。緊張している時とは違う、この感じ。この原因知っている気がする。
何かで聞いたことあるような…?
「みぞれはホントに鈍いよね。俺、悲しくなっちゃう」
「うた、何言って、ていうか、離して…」
そんなに人通りの多い通路ではないからこそ、周りの視線が痛い。
そしてうたは、結構キツく抱きしめてきたわりには、すぐに離してくれた。
…溜め息と共に。
「みぞれ、今日はこれから俺とデートしてもらうから」
「は⁉え、み、桃桜は?奏璃は…」
「先に行った」
「えっ…」
「…みぞれ。俺、さっき例の各務原家のヤツに告白された」
唐突にうたは話し始めた。
「ああ、知っている。私と昨日話したのから」
「みぞれは俺が各務原と付き合っても良かったのか?」
胸がチリッとした。
いまだに正体の分からないこの現象は、うた関係でなるようだ。
そこまで確証はないが、なんとなく、そう思った。
「……」
謎の現象とうたの縋るような目に動揺していると、
「俺は、嫌だ。
お前に婚約者が居るって聞いたとき、目の前が真っ白になった」
そんな事を聞いて更に私は動揺した。
そして、
「急にこんなこと言って悪かったな。みぞれ、水族館周ろうか」
さり気なく繋がれた手。
…繋いでいる手が熱い。
何かおかしい。
その後は普通に周ったが、私の心は、振り回されっぱなしだった。
うたは、私の様子に気づいているようで、さり気なく気遣ってくれたから、すごく恥ずかしくて、申し訳なかった。
※
そして、家に帰ると、ベッドに倒れ込み明日は『流れの中で』を全部見て癒されようと誓った。
いつも読んで下さりありがとうございます。
こんな作品ですが、どうぞよろしくお願いいたします。