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ザ☆旅行記Ⅳ カオス・スペシャル  作者: 小宮登志子
第2章 ミスティアG&Pブラザーズ
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本部爆発炎上

 メアリーを送り出してから、しばらく待っていると、東方にモクモクと煙が立つのが見えた。

「うまくいったようだね」

 と、プチドラ。今頃、G&Pブラザーズの連中は、わけも分からずに右往左往していることだろう。

 さらに、もうしばらく待っていると、メアリーが横向きに槍に乗って、猛スピードで戻ってきた。

「どうだった?」

「うまくいきました。G&Pブラザーズ本部を完全に破壊しました」

 メアリーは、ささやかにVサイン。話によれば、G&Pブラザーズ本部を目視可能なギリギリの距離から狙い打ちにしたそうだ。メアリーの指先から放たれた特製の火球(Fire Ball)は正確に目標を捉え、火球が命中すると、本部は大爆発を起こし炎上を始めたとのこと。

「すごいわ、メアリー」

 わたしが思わずメアリーを抱きしめると、メアリーはちょっぴり頬を赤らめ、

「いえ、それほどのものでは…… 妹がいれば、射程距離はもっと伸びるのですが……」

 メアリーが打ち出した火球をマリアが誘導すれば、目視範囲外の目標も攻撃可能という。なんとも……ここまでくれば近代戦の遂行も可能かもしれない。


「でも、本当に、いいのでしょうか」

 メアリーは首をかしげた。

「いいのよ。復讐する気がなくなるくらいに痛めつけてやらないとね。過剰なくらいが丁度いいわ」

「でもでも、G&Pブラザーズのギルドマスターが爆発・炎上に巻き込まれて死亡していたりすると、今後の交渉の相手がいなくなりますが……」

「大丈夫よ。裏の秘密結社のトップになるくらいだから、それなりに悪運も強いと思うわ。でも、もしも本当に焼け死んでいたとしたら、今回ばかりは運がなかったということね」

 この攻撃でG&Pブラザーズの「社長」もついでに焼き殺してしまったかも知れないが、今更言ってもしょうがない。ただ、わたしの根拠のない憶測では、社長とハーフ・オークの魔法使いは殺しても死なないような気がする。そのうち密偵でも送って生死を確認することにしよう。


 その後は事件もなく、わたしたちは無事にミーの町に戻ることができた。館に着くと、わたしは今回もまたカトリーナ学園初等部の子供たちに囲まれ、エレンとドーンは抱き合って再会を喜び合った。

 ポット大臣はわたしたちを出迎え、

「お帰りなさいませ。首尾はいかがでございましたか」

「まあまあよ。大成功ではないけど、そう悪くもないわ。いろんな意味でね」

 我ながら、いい加減な表現だ。ポット大臣は、よく理解できないらしく、「はぁ?」と首をひねっていた。

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