国民的人気のゲーム世界に、チート満載で転移したのに、初見殺しとやらに殺られてすぐに死亡とか、いったい何の冗談なのか、小一時間ほど問い詰めたいのだが、責任者どこ行った?
勢いだけで書いてみました。
「手違いだと!?」
お手本の様な見事な土下座をかます、『自称神』のバタ臭い顔つきの老人を睨みつけながら、オレは言い放つ。
「はい、このたびは誠にすいませんでした!」
どうやらオレは神様同士のイザコザのとばっちりのせいで、登山中に落雷で死んだらしい。
「つきましては、元の体は落雷で起きた火事で人知れず火葬されて復活出来ませんので、貴方を異世界にお連れします」
「異世界だと?」
「はい、あの大人気の国民的ロールプレイングゲーム、デーモンキングバスターに酷似した世界ですので貴方にも、ご納得頂けるハズです」
「やったことない」
「は?あのデモキンをやったことないですと?日本人の半分以上がやっているゲームですぞ?」
「やったことないヤツだって、半分は居るんだよ」
「貴方と同じ二十代なら七割以上はやってますぞ」
「その三割ぐらいの一人がオレなの!」
「なんと!儂もやりましたが、あれは傑作ですぞ!今は三周目に…」
「しつこい!知らん!」
「何と勿体ない!あれをやらんとは、人生の半分は損を…」
「お前のせいで人生全損したんだが?」
「…そうでしたな。分かりました。チート満載で、現在の姿のまま勇者アベルとして、記憶有りで転移させて頂きます。魔法は全種類使えて、剣技もマックス!しかも特別に、スマホも繋がるようにしときます。ネットが有れば現代知識で内政チートとか、やり放題!レベルだけは自分で上げないとつまらないだろうから…」
「もう何でもいいや…早くしてくれ!」
「それでは行ってらっしゃい!良い人生を〜」
次の瞬間オレはゲームに良く似た世界とやらに転移していた。
ご親切なことに、目の前には『ファーストタウンはこちら!』なんて書いてある立て看板まで有る。
しばらくテクテク平坦な道を歩いて行くと、モンスターが出現!
スライムがあらわれた。
スライムBがあらわれた。
スケルトンがあらわれた。
うん、雑魚だね。
こんなん魔法でちょちょいのちょいだ。
「スターインパクト!」
『スライムに五千のダメージ!スライムをやっつけた。スライムBに五千のダメージ!スライムBをやっつけた。スケルトンには、きかなかった』
………は?
『スケルトンのこうげき!アベルに十五のダメージ!アベルはたおれた。』
……………え?
嘘だろ?ふざけんな!
責任者でて…こ……い。
「あーあ、死んじゃった。このゲームのスケルトンに魔法が効かないなんて五歳児でも知ってるだろうに…。初見殺しなんて言われてたの大昔だってば。まぁ良いや、デモキンやろ」
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