表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/50

第19話・絶望来たりて

1966年4月7日・メストレ空軍基地




キィイイイイイウウゥゥゥン



ウ゛ェネチアに至る玄関町に置かれた飛行場で、轟音を上げていたエンジンがスイッチを切られて停止する。機種は閃光・偵察機型。閃光とは名ばかりの魔改造機である。黒を基調としたカラーリングであるが、所々白く焼けている

『ふぅっ!』

コクピットからパイロットが出て来る。酸素マスクを外した顔は、爽快そのものだ

『お疲れ様です!』

整備兵が声をかける

『カメラの方をよろしく頼む。上手く撮れてるといいが、結構貰ったしな』

『大丈夫ですよ、それから次の出撃には機体色を白にしてみます。ようやく調査の結果が来たんですが、やっぱり敵の使っていた攻撃方法はレーザーでした。これでいくらかは被弾に強くなるんではないかと』

黒は熱をためる。人間の目に付かないための黒色塗装だが、人間で無い相手に続ける義理は無い

『そうか、それは助かる』

最初の偵察飛行で、仲間が二機落とされていた。他の機も被弾をしていたのだが、なんとか戻ってこれた為に、敵の使用していた攻撃方法が判明したのである。その攻撃方法とは、ヨウ素レーザーであった

『今のままでは、ろくに攻撃も出来たもんじゃないからな』

光の早さでやってくるレーザーだ、ある程度の編隊を組んでのアプローチでは、中空から高空域の範囲だと、狙いは甘いものの、被害は必至。低空域からの侵入以外は、まともな攻撃は不可能だ

『技術部の調査で、理論的には射程の300キロ程で、機の撃墜が可能と言われましたしね』

実際は、探知や空気中の水分やらで、晴天時に100~50キロが限界みたいだが

『これに最初遭遇した編隊は、自分達に何が為されているかわからないまま落とされましたし。自分の機体にレーザーが当てられて加熱させられてるなんてわかりませんから』

数秒で航空機の外板は溶かされる。回避運動をしなければ、即貫通で燃料なりに引火爆発だ

『どうにか、アラームが出せるようにしたいもんだがなぁ』

そうすれば、ずっと任務が楽になる。といってパイロットは降りて来た

『鏡面コーティング等も考えられているようですよ』

整備員は言うが、それにしたって行き渡らせるには時間がかかる。だからそれまでは大規模な航空攻撃は不可能だ

『しかし、例のアウドゥーラ皇国とやらとも戦わなきゃならんかもしれんのだろう?』

出撃の前に読んだ新聞の内容を思い出す

『あの国は海軍さんだけでどうにか出来るんじゃないですかね』

どうやら整備員は、そちらの方を問題にはしていないようだ。さらに空爆等を行うとなれば、空軍の負担はかなり大きいものになると見ていいのだが

『我らがドゥーチェが一隻で14隻も戦艦を沈めてくれましたしね』

『俺も見たが、話半分じゃないのか?』

スエズ動乱で偶発的遭遇を得、英戦艦2隻を沈めたとはいえ、その七倍だぞ?

『海戦での運動図もついてるぐらいですから、間違いないですよ』

『そうかあ?』

前大戦で発生した、ドイツのエース達があげた撃墜数並にいかがわしい。というより、どの国も信頼していないが。イギリスはマルセイユのみ認めているだけだし、これは彼を落とせたからだろう。ソ連も人民の敵以外の被撃墜数を否定している。日本も自国のエース、確か岩本とかいったか、が350機以上撃墜!と言い出したのを窘めて、一時期基地空の司令から左遷していたと聞く

・・・というわけで、ドイツがほぼ敗戦国というのもあって、かの国のエースがあげた撃墜数の三分の二程が、虚偽か誤認申告となっている。ま、そのエースの名前は伏せられているが、ドイツ空軍の整備兵の中で、撃墜数を報告したのに弾が減ってなかった奴も居たらしいから仕方あるまい、火の無い所に煙は出ないからな

『ま、そんな事より、俺の目に止まったのは日本人に関する記事かな?』

『あ!例の少尉ですね!?』

応急修理の手伝いにでていったヘルシアの女武官を助けに、閉じ込められるのを承知で助けに行き、三日後に二人とも救出されたという記事だ

『抱きしめた状態で気を失ったまま発見されたとあったが』

パイロットはにんまりした、整備兵もニヤニヤする。結構この話題はメジャーだ

『やっぱりヤったんでしょうかね?』

『ヤっただろうよ、でなきゃ助けに行く間柄じゃないだろ?』

密閉空間に男と女、暖を求めるにも火は無く、震える身体、自然と二人は・・・って奴だ。それに責任者といっても、命をかけて助けに行くとか、どこのシネマかと

『ただ、問題はこの人が日本人ってとこなんですよね』

『ああ。あいつら、作り出すもんは女たらしのハーレム(源氏物語)から、幽霊(雨月物語)鬼(鈴鹿姫)宇宙人(竹取物語)まで食っちまう癖に、実際はどうかというと、ストイック通り越してシャイだからなぁ』

そこら辺までは流石に新聞では出ない、加えて救出された女性の方のコメントや本人の写真も見当たらない

『新聞は知る権利を行使してませんよね』

『野郎の方のコメントなんて不要だよな』

そう言って二人は笑った。まぁこれには、こっちも命張ってんだから、女といちゃいちゃしたいというやっかみも入っている

『ま、一応野郎の方のコメントも読みましたが、なかなか良い事言ってましたよ』

『お前読んだのか?おりゃ三行読まなかったぞ、それでなんてあったんだ?』

整備兵はおもいだすように空を見上げた

『ええっと、我が国の士官学校で、佐久間艇長の訓話を聞かないことは無い。しかしこの訓話には、その前提としてイタリアで起きた潜水艇事故が前提としてあり、彼等がハッチに殺到し、折り重なって死んでいたのに対し、佐久間艇長以下、持ち場を離れなかった事を褒めたたえる訓話だとか前置きがありまして』

『そりゃすげぇな』

誰も持ち場から離れないとか

『んで、しかし私は持ち場を外れた。そして、自ら危険を犯しながら、死にたくないと思った。少なくとも、せめて彼女だけは、と願った。私は、佐久間艇長から連なる帝國海軍の伝統を汚してしまった・・・しかし今の私は、彼女と、そして自分の命が助かった事に安堵し、喜びに涙が止まらない。そして思うのです。イタリアの潜水艇乗員も生きたかったのだ、と。私には、彼等を蔑む事など出来はしない。彼等は私なのだから』

『日本人も人なんだなー』

少なくとも俺達にとっちゃ、そっちの方がわかりやすいし共感できる

『生真面目に、本人達の間じゃ面汚しになると言ってますがね』

『まぁ、軍人が持ち場離れちゃいかんよなぁ・・・』

それを日本人がやったってのがミソなんだがな。んで、それをさせちまった女の子の方がもっと気になるのは当然の話ってわけで

『やっぱ美人なんだろうなぁ』

『ヘルシアに行った連中から聞く話じゃ、かなりオープンで、美人も多いって聞きますね』

なんて羨ましi、もとい、けしからん!

『偵察飛行隊じゃあまり外地に降りることも出来ないし(偵察情報自体が最上級の機密なんだから当然だ)なんだよこの落差』

絶望した!自分の立場に絶望した!今すぐ転属願いを出さねばなるまい

『そのぶん、お給金は頂いてますけどね』

何割か特別加棒してある。でなきゃやってられん

『使えないまま落とされたらたまったもんじゃないな』

だが、そこら辺の事を決めるのは、もっと上のお偉方である。この先、どんな戦場を用意するのか

『頼むぜお偉いさん方、情報はなんとか持って帰って来てやっから』

下手な戦しやがったら許さんぞ!そう声をあげる事しか、下の人間には出来ないのだった



同日、ローマ・国防省




『一応メンツは立てて来たわけだ、海軍さんは』

新聞をピラピラさせる空軍中将

『危うく、ですが』

と、ペンネは首を縦に振った。V・ムッソリーニは艦首の破孔と数発の被弾を得、中破判定。とても勝ったとは言えない。メンツを保ったぐらいが適当だった

『無理を言ったのは俺だ、そう彼を責めてくれるな、中将』

今回の議長であるアルが窘める。もうすでに結果は出たのである、今はその次だ

『偵察航空隊からの情報はどうだったのだ』

その中将は、参加者を見回した

『皆さんは、我々の報告であの化け物がヨウ素レーザーを発射するようになったのはご存知の筈。それが実質の射程が100キロ程である事も。それが、僅かずつであるが移動している事も』

参加者全員が頷いた

『よろしい。では、今回の偵察で判明した事実をお知らせしたい。我々は、今の今まであの植物が攻撃を受けて、ああいう変態を起こしたと考えていた。しかし、事態は違っていた』

空軍中将は息を継いだ

『あれは変態ではなく、完全な進化である事がわかりました。ご覧ください』

連れて来た参謀に写真を配らせる。偵察隊が撮ってきた写真だ

『煙にまかれて見にくいが、これがなんだ?』

『ベクトル分析、そちらの写真でも色である程度解るでしょうが、によって判明した事実が、明確に示しています』

呻いたのはペンネだった。彼はそれを、間接的に一度見ていた

『コアが、二つある・・・!』

燃えている部分の基部、そして、わかりにくいが樹の下部に一つ

『それが意味する事はどういう事だね?』

いまいち理解出来ていないアルが聞いた

『単細胞生物から多細胞生物になったって事さ』

陸軍の制服を来た大佐が、飴玉をくるくる手で回しながら言った。陸軍は陸軍でも日本陸軍のだ

百目鬼どめき大佐、それが示す意味はどういうことなのだろうか?』

アルが促した。自分が言いたそうだった空軍中将が不満そうに席に座る

『悪い事と良い事、二つあるけどどっちから聞くかな?かな?』

飴玉を回すのはやめない

『良い方から頼む』

『それじゃあ良い方から。コアが集まって出来た訳だから、相対的に数が減ったのは間違いないよ。一つの樹にどれだけ集まったかしらないけど、その分個体数はかなり減っているわな』

おお!と、明るいざわめきが起きる

『それがどこでも同一の物だったらまだまだだけど、樹ごとに格差が出始めたら、彼等の間で生存競争を始めるのもありだね』

勝手に殺しあって、個体数を自分から減らしてくれるかもしれない

『んで、悪い事ですけれども、今の樹ぐらいだったらの話で、すぐに死なない事。もしかしたらチームワークを持って攻めてくるかもしれない事。そして機能の更なる高性能、高機能化かな、かな?生殖機能とかついたら最悪だね』

顔が青くなっていく将官達を、百目鬼は楽しそうに眺めた

『ある人が言ったよ、戦争で自分達を殺しまくって、数が少なくなるのが進化なんだから、早く戦争しよう!一心不乱に戦争しよう!闘争こそが生物の本質で、平和は堕落、退化、頽廃しか生まないってね』

アルがため息をついた。そんな思考なんてたまったもんじゃない

『誰です、そんなキチガイな事を言ったのは』

何となくチョビ髭さんの話を思い出すが、あれにしたって生存圏さえ得られれば、それ以上は求めてなかったはずだが

『え?私ですよ?』

『『お前かよっ!』』

会議に参加していた殆どの将官がつっこんだ

『でなきゃイタリア駐在武官なんて左遷はされてないけどね』

百目鬼は気にも介していないようだ

『あと一つ、これはどっち転ぶかわからないですが、感情が芽生えたらどうなるかだね』

恐怖するか、怒るか、様々な感情が存在する

『交渉が・・・可能になるというのか!』

『あくまで可能性だけどね』

そこまで至るには、まだ殺し足りない。殺すべきだと考えるが、自分は帝國陸軍の人間だし、そこらはこいつらが考えるだろう

『問題はそこのみにあるわけではありませんぞ、アンサルド大将』

それまで我慢していた空軍中将が立ち上がる

『これがヘルシアに向かって来ているこの時に、貴方がたは最大の火力投射能力のある戦艦をドッグ入りさせてしまったのですぞ!?』

第二艦隊でヘルシアに投入出来る戦艦はリットリオだけなのだ。後は戦力の半減した空母の航空隊

『陸軍はどうなのですか?』

『レオネッサ戦車師団の一部が展開しておりますから、戦えるとは思います。ただ我々は空軍や海軍と違い、かの化け物との本格的な戦いを経験しておりません』

転移当初に偵察部隊を送って未帰還であった以来だ

『明確な成果を上げられるかは、不鮮明としか言えませんな、残念ながら』

軍隊というものが嫌うのは戦場の霧であり、不確定要素である。何事も数値化出来るのが理想だ。今回はあまりにもそれに遠かった

『うむ・・・』

アルは腕を組んで考え始めた。彼我の置かれた状況、政治的立場

『ヘルシアの放棄を考えるべきか』

敵わぬなら退く、当然の話であるが

『荷揚げの能力からして、上陸させた機器の殆どを放棄せざるをえなくなりますな』

陸軍中将が片眉をあげた。戦略予備だったとはいえ、レオネッサ戦車師団のMBTの殆どを失う決定は快くない

『やっと拡張し終わった飛行場と、管制機器を放棄とは、誰が責任を負うのですかな?』

空軍中将は、自分はまつぴらだと肩を竦めた

『閣下、ヘルシアを放棄するとして、あの都市から脱出を計れるのは、御座船に乗れる王族以下の若干名に過ぎません。他の人命を輸送する必要があります。CPUと今後も付き合うつもりであらばの話ですが』

ペンネはヘルシアについて言及する。皇国とやり合った以上、CPUとまで断交するような行為は避けるべき、そういう訳だ

『うむ、そうだな』

アルはそれぞれの話を聞いて意地悪そうに笑った

『事態はこれで簡素化された訳だ』

退くのはそれぞれの事情からして賢くない判断だ、ならば四の五の言わず戦うしかない

『現場の人間は苦労するでしょうな』

ペンネは呟いた。苦労どころじゃ済まない可能性も高いが

『その分の責任ぐらいは私が取るよ』

アルは笑った。彼は覚悟を決めたのだ



『あーあ、海軍大臣は絶望的かな?』


同日・アクィラⅡ




『そこだ!加速しろ!』

アクィラの甲板を、小改修を受けた旋風が駆け抜ける。良くするように思われがちなタッチ&ゴーの訓練であるが、擬似とはいえ着艦を繰り返す訳で機体への負担は大きい。それが出来ているのは、幸か不幸か、地上基地に展開していて壊滅した航空隊の機体分のストックパーツが余っていたからである

『今日は後十本やってもらうぞ!』

ダンテ飛行長がマイクに怒鳴る

『エアボス、第八中隊が着艦許可を求めています』

第八中隊、ああ、初達だな。損害を受けてその補充が行われたが、新人だらけの上、まだ補充率が66%、つまり6機しかいない。だが、使っている機体は旋風より重い烈風、甲板を開けてやらねば

『他の飛行隊、待て、第八を降ろす』

ワイヤーとバリケードの網を出してやらねばならない

『1番機、降りて来ます!』

減速しつつ機首を上げてエンゲージしてくる。うん、悪く無い腕だ

『確か、奴らはコ・パイ搭乗で爆弾投下訓練だったな』

一度目は全弾命中、二度目は全弾外れ・・・なんだこの結果は

『中隊長は至急、ここに来い』

これは問い質さねばならない。コ・パイが居てこの命中率であっては問題だ。一回目と二回目に何があったのか



『正確には至近弾1ですが、どうにもこうにもなりませんよ』

パイロットスーツのままダンテの前に初は現れた

『爆撃やミサイルの誘導で、他の機体よりより良い正確さを得る為に烈風はコ・パイを乗せているのに、このていたらくはどういう事なんだ?』

これでは攻撃にムラがありすぎて、戦力として裁定出来にくい

『一回目と二回目の間に何をやらかしたんだ?』

期待された新鋭機だ、なんとしてでも使える段階に持ち込まねばならない

『何を、といいますか、通常より多少激しい程度の戦闘機動を・・・そうしたら殆どの人間が』

吐く真似をしてみせる。殆どのコ・パイがGによりグロッキーに陥り、操作に不具合を生じさせてしまったのだ

『後席はGがかかりやすいものですが、ある程度飛行機に乗りなれた人間じゃないと』

使い物になるのに多少時間がかかってしまう

『しかしな・・・』

飛行経験を持つ技術者なんて、すぐ集められるもんじゃない(実際の米海軍だと、飛行ライセンスを持たないでコ・パイをしてる人も多いそうな)転移がなければ顕在化しなかった問題である

『機動を緩めれば・・・いや、愚問だったな』

敵は光の速さで撃ってくる。照射を避けるには高い運動性が必要である

『ええ、ですから次善の策としてG訓練の装置に、数日間交代で乗せ続けるつもりなのですが』

『許可しよう、医務長にも話を付けておく』

体を慣れさせるしかあるまい、空母にもトレーニング器具に混じって二人用の小型遠心力発生装置が搭載してある。フル可動させてしかるべきだ

『感謝します』

初は敬礼する

『ところで上飛曹(一階級昇進した)、聞きたいことがあるのだが』

ダンテは初を呼び止めた

『主計と機関科以外からかなり貴様にクレームが来てるぞ』

『はて、思い当たる節がありませんが』

いけしゃあしゃあと初はいってのけた

『そうか?エミリアに飛行に問題ないところで必要な部分を教えず、部屋に聞きに行くようにさせているようだが?』

『あー、バレてましたか』

テヘッと笑ってみせる。まぁ、事に至ってるわけではないが、

『あと他にも、コ・パイで電装系の整備をしているレシィの首筋に、後ろから顔を不必要に近づけすぎだとも来ている』

『いやぁ、魅力的なうなじに、ついつい私の鼻が』

こいつ本当に日本人なんだろうか、時々本当に疑いたくなる

『自重したまえ』

『了解です、見えないくらいには。近頃殺気ばっかり感じてて眠るのにも安地を探してましたから』

ちょっと人工呼吸の練習用人形を拝借して身代わりにし、コインロッカーやベッド下、はたまた瑞雲のレドームの上に寝たりするのが日常化していた

『お前なぁ』

呆れ果てる。お前は忍者か何かかよ

『いやいや、時々廃油や熱湯、ドライバーやバールのようなものが来るから仕方ないっすよHAHAHA!』

朗らかに笑うような事態じゃないぞ、それ

『どっちかに決めたらどうなんだ』

せめて一人あけば、ある程度嫉妬は防げると思うのだが

『二人とも、いえ、本土の女の子達も含めて全員俺の嫁ですが、なにか』

『だそうだぞ、二人とも』

初の後ろにダンテは声をかける。十字をきって

『へ?』



ゴゴゴゴゴ!



ふ、振り返れない!体も動かない!プ、プレッシャーと絶望で押し潰s




『あ゛ーっ!!!』




それぞれが絶望を抱えつつも、さらに大きなそれは来たる。歩みは遅くとも、確実に




次回、享楽と絶望のカプリッチョ第二十話【~荒野の死闘~】

感想・ご意見等お待ちしております

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ