01:オリエンテーション
天使は死神になる。
そう言われだしてから人間界ではずいぶんと時が経ったらしい。
天使とは本来人間を守護し、良い方向へ導く役割をもつ。なぜ人間を死へと誘う役割である死神となるのか。対照的な存在故に不思議に思うだろう。
それは……
「圧倒的死神不足だからである!!あぁ先生は君たちが入学してきてくれてほんとーっに嬉しいよ。ありがとう!」
大きな鎌を教室の端から端まで半円を描くように、精一杯大きく動かしながら︎︎゛先生︎︎゛は言った。
その瞬間にふわっと顔に風があたる。春らしい花の香りをのせて。
先生の見た目は13歳前後の女の子。
背は教卓より少し高いくらい。120cmちょいくらいだろうか?
誇らしげな表情を浮かべながら教室全体を見渡しており、その間鎌についている可愛らしい白いきつねのぬいぐるみキーホルダーが小さく揺れている。
今は入学式が終わったあとで各クラスにわかれてオリエンテーションをしている。この学校で学ぶこと、卒業するまで見ていてくれる担任の先生の自己紹介などいろいろするらしい。
先生の妙なテンションのおかげか入学式が終わったからなのだろうか。
緊張で張り詰めていた入学式とは打って変わり、教室の空気は緩まっているように感じる。
しかしそんな教室の空気が一瞬にして張り詰められた空気に塗り替えられた。今まで冗談めかしに話していた先生が真剣な眼差しで話し始めたからだ。
「この学校生活をもって、1人の人間の人生を見届けなさい。自身が担当する人生が、その人間にとって悔いがなく、正義に正当性があった場合のみこの学校を卒業できる。そして立派な天使の死神として称号を与えられる。」
灰色の長い前髪から除く赤い瞳はどこか神秘的で、何かを見透かしているような目に不思議な怖さを感じた。 ぱちっと一瞬目があう。先生は微笑み、最初のような妙なテンションで言った。
「君たちが無事卒業できたら私は晴れて自由の身だ!存分に学習し私の役に立ってくれ!」
その言葉は誰も反応することなく教室の空気にいとも簡単に溶け込んでいく。
私はただただ困惑していた。自由の身という意味も、このただただ謎のテンションでいる教師と、今この教室にいる仲間たちと本当に上手くやっていけるのだろうか。
きっと教室にいる皆も同じなのだろう。教室が困惑に包まれる中、先生のテンションだけはずっと高いままこのオリエンテーションは幕を閉じたのだった。
はじめましてynとかいて"ゆん"と申します。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
拙い文章となってしまいましたが楽しんでくれた方がいらっしゃたら嬉しいです。
気が向いたら続きを投稿していこうと思いますのでよろしくお願いします。




