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04 戦火の戦姫と千化の道化
千の名前を持つ道化が 戦場を見下ろしていた
道化は笑う 夜も朝も 昼も 日々絶えず
戦の火を絶やさぬ 命たちに向けて
千の名前を持つ道化は 千の苦痛をその目に移してきた
千の喜びよりも多い 千の悲劇と千の憎悪を
踏みにじられる千の夢すらも
やがて道化は一本の銀のやりと出会う
はかなく散る生の輝きを引き立て役にして
死の嵐の中で 美しく舞い踊る 銀の光
道化は目を細めた
命と希望を愛する者よ
希望はそこに存在するか
気高く抗う者よ
絶望は一つでも消えたか?
千の名前を持つ道化は 戦場に降り立つ
敵も味方も 等しく目を奪いながら
幕引きを忘れた滑稽な舞台を 笑いながら