表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

1章3話 陽炎騎士?いいえ声優です。

 "陽炎の騎士"ガヴェイン。


 彼は田口明日による漫画「ROUNDS」の登場人物で、"炎剣ガラティン"を持ち炎を扱う剣士である。

 「ROUNDS」は様々なパラレルワールドに存在する円卓の騎士達が異世界の闘技場に集められ、どの歴史を正とするかを賭けてトーナメント方式で殺し合うという内容の所謂マルチバース・バトル系の漫画である。

 なお、異世界に召喚された円卓の騎士達は全盛期の力を持つが、現実世界での記憶は円卓設立当初までしか持っていない。

  そのため、自分の記憶と実力に乖離があることに戸惑う者や、その力に溺れる者など同じ円卓の騎士でもパラレルワールドによっては様々な反応を見せる。

 ホムラ・カズキ演じるガヴェインは、主人公である"優王"アーサーの配下であり幼馴染の関係であった。

 "優王"陣営は様々な苦難を乗り越え勝ち進んでゆくのだが、最終戦目前に黒幕によって自分たちの現実世界の運命を思い出させられた"静水の騎士"ランスロットの裏切りが発生。

 アーサーを逃すためガヴェインは"忠誠の騎士"モードレッドとともに制圧にあたるが、モードレッドが負傷により戦線離脱する。

 炎を扱うガヴェインと水を扱うランスロットの相性や、試合での消耗具合から勝ち目がないと判断したガヴェインは、自爆技にて自分ごとランスロットを葬り去ることを決断。

 目論見通りランスロットは消滅し、ガヴェインもまた最期はアーサーに看取られながら消滅した。


 この作品では彼らの現実世界の運命は徹底して伏せられている。

 ランスロットが絶望し裏切るに至ったその運命とはどのようなものなのか、読者の考察に任せるというスタンスは賛否両論だが、それ故にこの作品の2次創作の数は非常に多い。


ーーーーー


 何かの間違いで召喚された英雄の中の人(俺)。

 クーリングオフして貰いたいものだが到底して貰えなさそうな雰囲気。

 なぜなら周りにいる位が高そうな方々が縋るような、期待したような目で俺を見ているから!!

 異世界転生・召喚モノだと異能とか身体面で何らかの特典が付いたりするものだが…俺の場合はどうなんだろうか?

 まずは確認する必要があるな…となると取れる手はひとつ。


 「まだ混乱しているので、この世界の情勢把握とか…自分の能力に変化が現れていないかとか…色々時間くれませんかね?」


 明確に返事をせず時間稼ぎをするという選択だった。


ーーーーー


 「ハイっ!それでは説明させて頂きますっ!」

 煌びやかながらもややこじんまりとした、おそらく来客用の部屋に案内された俺はメイド姿の女の子から説明を受けることになった。

 茶髪のロングヘアーがよく映える可愛らしい女の子。

 見た目は高校生くらいだろうか?少し幼さの残る顔立ちをしている。

 「ハイ、宜しくお願いします。私はホムラ・カズキです。あなたのお名前は?」

 「わっ!失礼しました。私はリリーナですっ。気軽にリリって呼んでくださいね。勇者様っ!」

 「宜しくお願いします、リリーナさん。あと私は勇者では…」

 「気軽にリリって呼んでくださいね。勇者様っ。」

 …話聞いてくれませんかね?いや、緊張をほぐそうとしてくれてるのか?

 いや、そもそも勇者は侍従にとっては雲の上の存在なのかもしれないな。

 それなら俺が敬語を使っていると彼女自身が白い目で見られてしまう可能性もある。

 初対面の人に気さくに接するのはあまり得意ではないがやってみよう。

 「分かったよ、リリ。じゃあこの世界について説明してくれる?」

 少し砕けた感じで接する。するとリリはそれまでより笑みを深くした。

 どうやら正解だったようだ。

 これからも位の高そうな人以外にはなるべく気さくに接しないとな。

 そんなことを考えているうちにリリの説明が始まる。

 「はい!勇者様!それではですねーーー」


ーーーーー

 "この世界には国が一つしかない"

 「厳密には4つの国からなる連合国家として協力し合っています。」

 曰く、かつては「ブレーウェ王国」「ロウジェ帝国」「ジャネ民主国家」「ヴェルト連邦」という4つの国家が存在し、時には争い合ってきたのだという。

 4国家は大海を中心に囲うように海に浮かんでおり、それぞれの国は陸続きにはなっていない。


 ・ブレーウェ王国

  南西に位置する国で、騎士道を重んじる国。

  気候が荒れにくく作物が育ちやすい。

  貿易は作物中心。

  今俺がいる国。


 ・ロウジェ帝国

  北西に位置する国で、武力と知力を重んじる国。

  兵器開発が最も盛んで、魔物による被害も最も少ない。

  時折発生する雷嵐のせいで作物は育ちにくく、食料面は輸入に頼る代わりに各国に兵力を貸し出す。


 ・ジャネ民主国家

  北東に位置する国で、唯一トップが世襲制ではない国。

  国の規模は他3国に劣るが、宝石、魔石が取れやすく最も貿易で栄えている。

  砂漠が多く暑いが、オアシスがありリゾート地として有名。


 ・ヴェルト連邦

  南東に位置する国で、ヴェルト大森林に住む魔人族の国に大森林周辺の人族の国家が合併吸収されてできた国。

  大森林の中にはエルフ、ドワーフ等様々な魔人族と人族が共存している。

  自給自足をしているが、友好の証として魔石の取引を行っている。


 「時に戦争をしていた4国家が協力し合うようになったのはですね…ズバリッ!魔王の出現が原因です。」

 「魔王…?」

 どうやらやはり異世界転生者には勇者と魔王がセットらしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ