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私が元々使っていた魔術はそれほど高度なものではなく、身体強化を主にしたものだった。
魔力で身体強化をし、事前に魔力を組み込まれた武器で戦う、それが私のスタイルだった。
しかし、今は魔力が微弱なため、身体強化がほとんど行えない。私が持つ武器は実質魔術具だけ、ということだ。
私がもつ魔術具は全部で5つ。そのうちまともに戦闘に使えるものは2つだけだ。
この2つの武器であの腕の怪物と戦うことになる。
本人の言い分を信じるなら、ブリキは戦闘では役に立たないだろう。
自身の戦力をある程度確認できると、眠気が襲ってきた。窓の外を見ると、空が白んできている。
本当ならば今すぐにでもあの怪物を追いたいところだが、今は体を休めなくてはならない。
「少し眠る」
ブリキに声をかける。するとブリキは
「いい夢を」
と返した。
悪夢しか見れない気分だ。