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詩集

笑顔の仮面

作者: うさみち


 ――ひとり。


 ――――ひとり。


  ――――――また、ひとり。



 呼ばれていく、検査室。


 (かんば)しくない体調に、何が悪さしてるのか、調べる検査。


 今日は、◯◯科。


 明日は、◯◯病院。



 ――――――来週は――――――。



 何が原因か、


 知りたいし、知りたくない。


 知ることができないのはこわいけど、


 知ってしまったらもっとこわい。


 みんなどうやって、乗り越えてるの?



 思い当たる症状をキーワードに入れて(はかど)るネット検索。


 ――そのたびに増す、行き場のない虚しさ。




 『自分よりもっとツラい人探してるんでしょ?』

 

 ――もう一人の、自分が言う。



「そうかもしれない。だってこうでもしないと――」



 た 


      え



         ら



      れ



   な




      い




           の

             


 く



   る



      し



          い





            よ



 でも私のこの精神状態は、検査を終えたら一旦おしまい。


 優しくて、愛しい家族が待っているから。

 

 夜が来て、不安がまた押し寄せる、その時まで。


 こわい気持ちに蓋をして、




 ――ニコニコ笑顔の、仮面を被る。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 原因不明の症状、病院と科のたらい回し、私も経験あります( ;∀;) 辛いですよね。 痛いのに「そこは痛くないはず」って言われたり、ただでさえつらくて行ってるのに怒られたり(^-^; す…
[良い点]  こんなに短い詩であるのに、心に迫る焦燥と恐怖を感じました。  最後に描写された、笑顔の仮面というタイトルにも表された比喩が、これに更なる感傷を演出したと思います。  ハイレベルな表現力に…
[良い点] 文字がこぼれ落ちるように書かれているのが素敵です!!! [一言] たくさん共感できます。
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