上坂アテグロ
私が村田さんに今までの経緯を話している途中に、上坂さんの部屋に着く。
「ここだ。城の二階の紅蓮の間。ここに紅蓮公はおられる。紅蓮公は温厚で優しい方だが気をつけるんじゃよ。戦いになると手加減というものを知らぬからな」
村田さんは私に言うと、私は村田さんにお礼を言い、村田さんはその場からさる。
私は紅蓮の間と書かれた部屋のドアをノックする。
こんこん!
「入るといい。華村 カナエ君であろう?王国までの旅ご苦労だった。少し話そうじゃないか」
紅蓮の間から声が聞こえて、私はドアノブを握り、ドアを開ける。
「失礼しまーす」
「うむ!入りたまえ!」
紅蓮の間の中は普通の部屋のような感じだった。タンス、ロッカー、ベッド。そして上坂さんの刀がロッカーの右隣に置いてあり中央のテーブルに上坂さんは座っていた。
上坂さんは以前あった時と違う格好をしていて、以前はただの冒険者みたいな格好をしていたけど今はまさに騎士のような格好をしていた。
「さ、私の前に座りたまえ」
「はい。ありがとうございます」
私は上坂さんの言われた通りにし、上坂さんと面と向かって話す。
「早速本題で悪いが華村君。君が来たと言うことは魔法剣士の試練を受けるんだね。この紅蓮公と呼ばれる私、上坂 アテグロの」
「はい。試練かは存じてませんが上坂さんの魔法剣士になれるという話を受けに来ました」
うむ。と上坂さんは私の前で頷く。
「よろしい!では君はこれから私紅蓮公の弟子として扱う。魔法剣士になれた場合はガルデリニア魔法騎士隊の紅蓮隊に入ってもらう。よろしいな」
「はい!よろしくお願いします!」
私は上坂さんに頭を下げ、上坂さんは
「では今日は君の身分証を作るのと居住区に案内をする。尚、衣食住は心配しなくていい。私紅蓮隊候補は我々紅蓮隊からの経費で落ちるからな。ただし見込みがないと判断すれば即効王国から出て行ってもらう。そこらへんのご理解も頼む」
「は、はい。むしろ衣食住の保証はありがたいです。ありがとうございます」
私はあげた頭をもう一度下げる。
「うむ。では身分証については私がガルデリニア王に言って発行してもらおう。この書類を書きたまえ」
私は上坂さんに出された書類をサラサラーっと書いていく。
書類には年齢、名前、性別、役職を書くところがあった。
役職以外を書いて私は上坂さんに渡す。
「華村、役職は紅蓮隊候補と書きなさい」
わかりましたと私は上坂さんに言い、言われた通り紅蓮隊候補と書く。
「よし。これは明日私が渡しておこう。それでは寮の案内だが」
「失礼します!紅蓮公!」
ドアをバンッと開けて女の人が紅蓮の間に入ってきた。