ガルデリニア王国
「私に反応する?ほー。いい度胸ね。私から一本も取れたことないくせに。キヌエでさえ私から一本取れたのに、あんたはまだ私から一本も取れてない。私から一本取ってから反抗することね」
「くっ」
母さんめ。痛いとこをつくな・・・。
母さんは急に模擬戦をするぞと私とキヌちゃんを呼んで剣道場で模擬戦をする。
生まれてこの方私は一本も母さんから取れたことはないけどキヌちゃんは母さんから一本とっている。まぐれでも、母さんが疲れているからでもなく、キヌちゃんの実力で
「それとも私に勝てるまで家出させてやろうか?私に勝てるまで家の、道場の敷居を跨ぐことは許さない。それぐらいの覚悟がないならその話。受けるのはやめなさい」
「うっ!で、でも!私魔法剣士になれる可能性があるんだよ!母さん!」
「ダメよ。限度があるわ。いい?日常生活にマナは必須なの?例えば私だと門下生たちをメタメタにした後、もうくたくた何もしたくない時にマナを使えばご飯は遠くからでも作れるし、火だって、指をカチッと鳴らすだけでつくわ。こんな便利なものを失うなんてそんなの私は許しません」
「くっうぅぅぅぅ!」
私はガックリしていると母さんは
「1日時間をあげるからどうするか考えなさい。それじゃ遅いから私は寝るわ。カナエとキヌエも早く寝るのよ」
母さんは玄関から部屋に戻り、玄関には私とキヌエが残る。
「カ、カナ姉。母さんの言うことならいいよ。私が家出は勘弁してあげてって言うから。ね?後私も母さんと考えは一緒だよ。そんなに危険をおかしてまで魔法剣士になる必要はないよ。カナ姉は将来6代目師範になれるんだから。ね?大人しくしてよ?」
私はキヌちゃんの発言にイラつく。まるで私を馬鹿にし、譲ってやるみたいな言い方。
キヌちゃんの方が実力もある。なのに何で私に譲るの?姉だから?そんな同情欲しくない!
・・・決めたわ。
「キヌちゃん。私決めたわ」
「もう決めたの?やっぱり利口なカナ姉なら家出なんて」
「私家出します!明日の朝!今日は遅いし明日の準備もあるから家に泊まるけど明日から出発するわね。もう決めたから何も聞かないわ!キヌちゃん。説得しても無駄よ!」
私はキヌちゃんに指差してガツンと言うと、キヌちゃんはため息をついて
「わかったわ。母さんには私から言っとくから明日、朝早くいきな。カマコには心配かけたくないし」
「うん。わかったわ。ありがとうキヌちゃん」
私はキヌちゃんにお礼をいうと、今度はキヌちゃんが私に指を差し
「ただし行かせるからには絶対に魔法剣士になってかえってきて。わかった?」
「もちろんだよ!そしてキヌちゃんも超える剣士にもなって見せるからキヌちゃん。帰ってきたら勝負だよ!」
「わかったわカナ姉。必ずかえって来てね」
私とキヌちゃんは指切りをした後お互いに部屋に戻り、私は部屋でガルデリニア王国に行く準備をして、朝、まだ朝日が出ない暗い時に自分の部屋から静かに家を出て、家の前で
「母さん、キヌエ、カマコ。姉さん行ってくるね」
私はお辞儀し、アーブランド高原を超えた先、ガルデリニア王国に向かった。