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ソウルウォーク★魔都  作者: 神嘗 歪
二章:チートな 創造主 と 雪人たちのゲーム前の予習
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二章:15 「「金星の神子」?…ああ、あの神様キャラ?」

見終わった後も耳鳴りのような鼓動が煩かった。


物事を始める前の高揚感とも違うアレは……。




(………あの感覚は何だったのだろう?)


回想にのめり込んでしまった刀夜。


「おーい。聞こえてますかーーぁ!?」


話途中で無言になってしまった刀夜に、雪人が大声で呼びかける。


「…えっ?あっ!」


我に返った刀夜が顔をあげると、肉まんを食べ終えた雪人が唐揚げを食べながらムッとした顔をしていた。


「…ッて!まだ食うんかいッ!!」


思わずツッコミを入れる刀夜。


「俺、朝飯、食ってこなかったから。何?お前も食って来なかったとか?」


どうやら雪人は、お腹空いているからボーとしていると思っているらしい。


「いや、ちゃんと食べたよ。そうじゃなくって………雪人は【ソウルウォーク★魔都】のオープンニングを見たか?」


「ああ、見たぜ。あのグラフィック、相当作り込んでいるよなーぁ。」


「そ、そうだな。……でも、なんか変な感じしなかったか?」


刀夜は遠回しに、探るように聞く。でも…。


「「変な」?…って?」


雪人は聞き返しながら首を傾げる。


それを見た刀夜は「いや、何でもない。」と、この会話を止めた。


そうだ。当たり前だ。映像自体は、ゲームには良くありがちなストーリー展開だった。変なのは自分自身の感覚なのかもしれない…。


(もしかしたら前に見た映画かアニメで、似たようなシーンがあったのかもしれない。)


そう自分に納得させた。


雪人のほうはというと、刀夜の変な質問に気にする様子もなく、まだオープンニングのことを喋っている。


「特にあれだよな。最後に出てくる「金星の神子」が、迫力があって綺麗だよなーぁ。」


「「金星の神子」?…ああ、あの神様キャラ?」


すると雪人は自分のスマホを操作し、ゲーム内での主なキャラ説明のページに飛んで見せた。


そこには、その「金星の神子」というキャラのイラストと簡単なプロフィールが乗っている。


どうやら「金星の神子」は、このゲーム【ソウルウォーク★魔都】の中心人物らしい。


「金星の神子」は神様ではなく、神様から啓示を受けた人間で、この世界と対になるパラレルワールドの、日本に似た「日迦土」という国の人間という設定のようだ。


その日迦土に、突如魑魅魍魎が大量に現れるようになり、日迦土は【魔都】と化していく。そしてこのままいけば、対になる世界の日本にも魑魅魍魎の悪影響が出るという。


そこで「金星の神子」は授かった神の力を使い、この日本側から魑魅魍魎を共に倒してくれる人間を求めて現れた……というストーリーらしい。


説明を読み込んだ刀夜は「ああ」と『納得した』。


特に「金星の神子」が『人間』だというところに…。


だって、あのオープンニングの最後……四つの光が手から飛び出す瞬間、刀夜は見逃さなかった。


あの時、捲れ上った玉虫色の布の下から見えた「金星の神子」の顔は………とても神の子とは思えないほど邪悪に満ちた、ある意味『人間らしい』笑みをたたえていたから。

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