表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソウルウォーク★魔都  作者: 神嘗 歪
一章:どうやら俺は、『巻き込まれ体質』のようで…。
13/46

一章:9 「……いい加減にッ、しろッッ!!」

 

 カツン…ッ。



竹の先が三年生の顔に激突する寸前ッ。その先は横からの流れるような力により、落下地点の座標を狂わされた。


竹の先はゴッ!と凄い音をたて、三年生の顔横の地べたに数センチめり込んでいる。たぶん直撃していたら、三年生は重傷を負っていたことだろう。


三年生はそれを見たとたん、白目を向いて卒倒してしまった。


       「………………ア"ッ?」


雪人の顔から笑みが消え、横やりを入れてきた人物をギロッ!と睨む。


「アホユキッ。……それはやりすぎだッ。」


三年生を助けたのは………刀夜だった。


「…なんだよッ。邪魔すんなッ、刀夜ッ!」


どうやら雪人は、楽しみを奪われたことにご立腹らしい。


「邪魔しなきゃ、ヤバイだろ?……『お前が』。」


「ッ…!」


雪人の目が鋭くなるッ。


三年生の上から降りると、地べたから竹の先を引き抜くき、邪魔した刀夜に向かって一直線に突きを放ったッ。


それも突きの連続技ッ。


速いッ。そして皆、体という体の急所ばかりを狙っているッ。本気だッ。


本気で、友である刀夜をトりにきている。


でも……まあ、こんなことは雪人と知り合ってか『いつものこと』なので…。


(んーっ。「突き」だけでなく、もっと技のバリエーションをつければ、もう少し『さま』になるんだけどなーぁ。)


…などと悠長に分析している刀夜は、攻撃をかわすか、雪人の突きの竹の側面を同じ竹の側面で受け流している。


剣道に勤しんで『いた』刀夜にとって、『素人』の雪人などに負ける気がしない。


それでも雪人の突きの連弾が続く。


あまりのしつこさに…。


  …イラッ(怒)。


刀夜のこめかみに怒りマークが点灯し…。



「……いい加減にッ、しろッッ!!」


          ドッコンッッ!!



ここで始めて、刀夜が攻撃に転じたッ。


突きの隙間を縫った刀夜の竹の棒が、雪人のどって腹に横一文字に深く入る。


いわゆる剣道でいう「胴」だ。


その流麗な流れとは裏腹に破壊力は半端なく、あの三年生の鉄パイプを額で受け止めた雪人が、端に積み上げられた荷物の山までフッ飛ぶ。


ガラガラと崩れる荷物の山。雪人の足だけが、そこから飛び出ていた。



ため息混じりに荷物の山に歩み寄る刀夜。


「目ぇ覚めたか?ユキ。」


その荷物の山に手を伸ばすと、中から雪人がその手を取った。


引っ張り起こされた雪人は、血だらけの頭をポリポリ掻きながら…。


「…………………あーあ、スッキリしたーぁ。」


…と呟く。


それを聞いた刀夜はドッと疲れたように項垂れ「…あっそう。それは良かったな。」と返した。


とはいえ、これで一件落着と思って一息つく刀夜。


だが、その背後から大きな人影が近づく…ッ。




「お前ら~ぁッ!これはどういうことなのかッ、説明してもらおうか~~~ぁッッ!!」




       「ヘッ?」×2


……その影の正体は、岩木先生だった。








          ★☆★

 

 

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ