表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

カワウソの身代金

作者: 新月

夢の中で、私は知らない街にいた




両側には高い壁

夕日を受けて、橙色に染まってる




足元には石畳


ヒビが入って割れた破片を、青い雑草が持ち上げている




「この袋が気になるかい?」




目の前に男が立っている


焦げ茶色の大きな袋を、大事そうに抱えてる




「この中身が気になるかい?」




艶々した毛皮で出来ている


中には水でも入っているのか、はみ出した部分は、重そうに脇へ垂れている




「持っていくがいいさ」




何も言わないうちに、男は袋を差し出した


予想に反して、それはゴツゴツとして固かった




「誰にも渡してはいけないよ。これは君が持つべきものだ」




男は笑った


影になった顔の中で、白い歯だけが光って見えた




「これは君が持つべきものだ」




言い終えると、男の姿は消えていた


後には小さな川がさらさら音を立てて流れている




私は川を覗きこみ、男が袋を寄越した訳を理解した

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ