13月6日
昨日の夜のあの感動を、うまく伝えられるだろうか……
その日、僕は午後から、簡単な食料と、ペットボトルの飲み物だけを持って、出かけた。
目的地は、僕の家の最寄り駅である、荒川沖駅。いや、正確には、そのすぐ南側にある、踏切だ。
電車がこない。たとえ呼んでも駅員すらこない。警察もいない。そんな状態なんだから、やることは一つに決まっている。
そう、線路の上を歩くのである。
線路の上を歩くことは、電車が止まったとしても、向こうの人の指示なしでは絶対にできないこと。だれもいない今だからこそ、やるしかないと、そう感じた。
別に、どこかに行きたいとかではない。ただ、線路の上を歩きたかった。それだけだった。
周りの景色をみながらゆっくりと歩いていたら、牛久駅まで来たあたりで日が沈んでしまった。僕は真っ暗な駅のホームで、スマホの懐中電灯を使いながら、その日の晩ご飯を食べた。
家に帰るために、下り方向へ歩いて、おおよそ二十分くらいあるいただろうか。枕木に足を引っかけてしまい、僕は転んでしまった。幸いにも、顔を線路にぶつけるなどの大事にはならず、事なきをえた。
それは、たぶん全くの偶然だった。僕は立ち上がるときに、上を見上げたのである。
そこに何があったと思う?
いままでプラネタリウムでも見たことがないほどの、無数の星で埋め尽くされた、夜空が、視界いっぱいに広がったのだ。
僕はそのまま立ち尽くして、しかしそれもつかれて、線路の真ん中に座り込み、しまいには仰向けで寝転んでしまった。その間に……いや、その後でさえ、どれほどの時間が流れたのか、僕はもはやわからない。
気がつくと、私は、泣いていた。この美しい星空を、自分の目で直接目にしたこと。そして、これほどの美しい星空を、僕たちの文明は隠してしまっていたと言うこと。そのほかにも、色々あるだろう。たくさんの感情が一気にあふれてきて、僕は泣いてしまった。大声をあげて泣いた。
気がつくと、あたりは明るくなっていた。泣き疲れた僕は、知らないうちに眠ってしまっていたようだったのだ。
綺麗な青空が広がる空の下を、僕はまた一人で、家に向かって歩き出した。
その帰り道で、今僕が置かれてる世界のことを考えてみた。今日はもうたくさん書いたから、そのことはまた明日の日記に記していこう。どうせ僕の方から動かなければ、なんにも変化はないんだろうから。
もしかしたら、この日記の名前も変えるかもしれないし。