彼の日常を守るダメ社長とメイドさん。
さてさて無事就職?できました。
そして一通り施設や異能やこの会社の説明を聞いた後、あらさんに言われ地下十階に行くため一人で乗ろうとしたら一人の少年にぶつかりました。
「ごめんね。大丈夫?怪我無い?」
すると少年は「ん」といいすぐ立ち上がりどこかへ行ってしまいました。
十階には社長室がありました。俺は社長室の立派な扉に圧倒され固まっていました。すると女のひとの声で「どうぞ、お入りください。」といわれ、扉が開き机に座った人が逆光となり影がかろうじて見える。
「ようこそ。彼の青春親衛隊<HIYOS>へ。」
こ..これが社長。社長の凄味に圧倒されつばを飲み込「ヒューヒュー。ボスかっこいい!!」「わー。かっこいいー。」
ん?後ろに人がいる?振り返ると二人の人がしゃがんで手を口にあて社長を片方は熱烈に、もう片方は棒読みで褒めていた。二人は俺に気づくとヒソヒソと「どうしようバレた。ねえ、どうしようメイドくん。」「知りませんよ。社長。」すると何か決心をしたように社長と呼ばれたほうが立ち上がり
「社長に何か御用でしょうか?もし何かありましたらかわりに社長の部下の私がお伺いいたします。」
「「あんたが社長だろ!?」」
俺ともう一人のメイド姿をした棒読みの人が言いました。
「あははーばれちゃったかー。」
いやもうバレバレだろ。自分達で社長とか言ってたし。
「いやー僕の見る目が残念な人を見る目だねー。」
「社長は仕事と自分と自分の影武者に逆光が出せる異能社長の小さな威厳だけが取り柄の残念社長なのだから、しょうがないです。」
より残念な目で見た。社長は若い小柄な男の人だ。
「いやーお恥ずかしながらね、そうなんだ。仕事以外はからきちダメでね。」
「はい。ダメですね。ダメダメですね。そう言われて笑ってるからダメなのですよ。ダメ社長。私の自己紹介に入れないじゃないですか。あなたの性ですよ。ダメ社長。」
メイドさん辛口だなー。ダメばっかり言ってる。
「では、私の紹介に入ります。私はダメ社長の専属秘書兼メイドのナンバー2優秀すぎる使用人でございます。以後お見知りおきを。」
すげーまじでメイドなんだー。
メイドさんはフリフリが少ないが確実にエプロンを付け、丈の長いスカートをはいていた。髪はサラサラのロングヘアーで頭飾りまで付けている。
「じゃあ、ここに来てもらった理由を説明しよう。まず僕の紹介。そして君の異能を調べること。」
「え!わかるんですか?社長。」
「うんわかるよー。」
やったーどんな異能だろう。未来とか見えるようになったり何もない所から火を出せるようになったりするのかな?
すると社長が急に真剣な顔になり...
...
....
「わかりました。社長。」
「さっすがメイドくん!」
「え?メイドさんがしらべるのですか?」
「はい。ダメ社長にそんなことできるわけないじゃないですか。」
「いやー彼女の異能は仕える主がダメなほど優秀になる異能だからね。デスクワークに雑務、掃除、片付け、洗濯、料理まで完璧にしてくれるよ。助かるよ。そして異能を調べる異能は僕も使えてたんだけど彼女が僕に仕えはじめたら使えなくなっちゃて、代わりに彼女が使えるようになったんだ。不思議でしょ?」
ようは、社長のダメさがメイドさんの力として証明され社長の異能も移ったわけか。
「いやーほんとすごいでしょ、うちのメイドくん。」
そしてより主をダメにする異能だな。
「「このダメ社長が。」」
俺とメイドさんが言いました。
ちなみに
「社長の机に座ってたのだれですか?」
「ああ、今逆光消すね。」
現れたのは熊のぬいぐるみでした。
「社長の趣味です。」
社長はぬいぐるみを力いっぱい抱きしめていました。