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第二話 いざ、トルトンへ

至らない点がありましたらご指摘ください

「不可能を可能にする能力?」

なんだそれチートじゃん。

悠斗は岩の上で眠っている少女に対して『起きろ』という念を込めて空想を発動した。

しかし起きるどころか動く様子もない。

「発動しないじゃんかよ」

「そりゃそうだろ。空想は自分じゃ絶対に起こせないことを可能にする能力だ。あの子に目覚めない呪いがかけられえいるのなら別だが、そうでもないのだから発動する訳ない」

あっさり答えられた。


「試しにあそこにある岩をお前が素手で砕くイメージをしてみたらどうだ?」

「出来るわけねえだろあんなもん。俺の身長の二倍はある」

「まあ物は試しだ。一回やってみろ」

言われるがままに俺は右手で大岩を砕くイメージをして大岩に触れた。

すると大岩は砕け、跡形もなく消滅した。

「だから言っただろ。不可能を可能にする能力だって」

呆然としていると、レイは更に言葉を続けた。

「お前面白いやつだな。俺達の旅についてくる気はないか?」

え、旅?これ以上ややこしくさせる気か。

そう思っていると急に眠っていた少女が起きた。


「う、う~ん。ハッ、僕どれくらい寝てた?」

「そうだな。半日ぐらいだ。」

「じゃあそろそろ。あれ、そこにいる人は誰?」

「こいつか?こいつは悠斗、転生者で俺達に協力してくれるんだって」

俺そんなこといったっけ?

「ふ~ん、僕はハル。よろしくね悠斗」

まあいいか。

「よろしくな、ハル」

「うん! じゃあそろそろ移動しようか」

「おう、そうだな。そろそろ奴らもくるだろうし」

奴ら? 誰のことだ?


刹那、後ろから大勢の足音が聞こえた。

「戦士長アグナか。厄介なのがきたな」

ハルは戦闘態勢に入る。

「アグナ! 姫により命令します。今すぐここから立ち去りなさい」

「姫といえどもその命令は聞けぬ。これは女王の命令だ。

「チッやはり洗脳済みか。ハルここは退くぞ、悠斗もこい」

事態が呑み込めない悠斗とハルを背中に乗せ、レイは空へと高く飛び上がった。

「逃がすか! 業火球インフェルノ)

アグナが詠唱を終えると巨大な火球がレイへと向かっていった。

「避けれないな。悠斗あれを消す想像(イメージ)をして空想を発動させろ」

「想像ってどうやって」

「何でもいい。早くしないと全員無事では済まないぞ」

「ああもう! 了解、禁断空間(タブーホール)

想像を終えると巨大な空間ができ、業火球は跡形もなく消滅した。


「よくやった悠斗。とにかくここから離れるぞ」

「ありがと、悠斗。すっごく僕こわかったんだよ」

そういうと、ハルは後ろから抱きついてきた。

「おう、ありがとな。にしても俺に抱きついてくるほど怖かったのか?」

ハルは今気づいたように、慌てて両腕を引っ込めた。

「ごめん。嫌だった、よね」

「そんなことないよ。ハルは可愛いんだから嫌がる人はいないって」

「か、可愛いって、そんな……」

ハルはうつむいたまま黙ってしまった。


数十分後

「ちょっといいか」

「ああ、なんだ悠斗」

「なんで戦士長に追われていたんだ?」

「そのことか。ハル、説明できるか?」

「うん、悠斗になら大丈夫」

ハルは悠斗に対して全てを打ち明けた。

自分はエルドという王国の時期王位継承者だということ

自分は城を抜け出したことで追われてるということ

そして


王国が魔神によって乗っ取られたということ


ハルのどこか悲しそうな顔とレイの深刻な表情がこの話が真実であることを物語っていた。


——辺境の洞窟リアス

「アグナ戦士長」

「気安く呼ぶな!」

馬鹿なあの少年の魔力は禁断(タブー)スキル並の威力だぞ。

使える者はこの世界でまだ百もいないってのに……

「今日は撤退だ。また命令を受け次第活動を再開する」

厄介なやつが加わってしまったな。

アグナはそう思うと洞窟から姿を消した。


悠斗たちはトルトンという町へ降り立った。

レイによると鍛冶職人が多い町なんだそうだ。

これからどう行動するべきかを話し合ううちに、とりあえず町へ行こうという結論に達した。

レイはどうするんだろう? と思っていたが、人の姿へ擬態し、周囲に溶け込んだ格好になった。

悠斗とハルは町民としての衣装に着替えてから町へ向かうことにした。

トルトンは帽子を被ることが習慣のようだが、ハルの綺麗な銀髪が帽子に収まってしまうのが、少し残念だった。

その旨をハルに伝えると宿では外すからそれまでは待ってて、と優しく諭された。

しょうがない。夜まで待つとするか。


「おーい、こっちに大きな建物ががあるぞ」

「なんだ?」

レイがゆびをさすさきにはギルドがあった。

「これがギルドか。とにかくでかいな。あれ? これ俺じゃねえか」

レイはE~SSまでの討伐クエストの中のSランクに分類されていた。

Sランクは存在そのものが幻とされているレベルで中には確認されていないものもいるらしい。

何者なんだよこいつは

「とりあえず俺はギルドに入るぞ。ここはまだ支配されてないようだからな」

「そうだね、僕も入っておいた方がよさそうだ。悠斗、君も入るでしょ?」

「おう、ハルが入るんなら俺も入らなきゃな」

「決まりだね、それじゃあ行こうか」


カランカラーン


「冒険者の方々ですね。今日はどのようなご用件で?」

「俺達三人ともギルドに入っていなくてな。入隊手続きをお願いしたいのだが」

「分かりました。それでは適性試験をもとに入隊を決定させていただきますね」

そういうと三人の腕に装置が取り付けられた。

ウォーンという音の後に装置から紙が印刷された。

「えっとレイさんにハルさんそして悠斗さんですね」

「あれ、なんで名前を?」

「紙に必要な情報は書かれています。といっても必要なのは名前だけなんですけどね」

そうなのか、知らなかった。

「それじゃあ適性度を発表しますね

ハルさん六十七パーセント

レイさん八十二パーセント

悠斗さん……九十パーセント

てことで全員合格ですね! おめでとうございます」

「とりあえずよかったな。じゃあまずは装備を揃えるとするか」

「クエストの時には説明をしますのでまたお立ち寄りください」

「分かりました。それじゃあ僕たちは行きますね」


——その後、ギルドにて

受付嬢ミレナはある疑問を抱いていた。

「今日来たあの子、一体どうなってるの?」

ミレナの視線の先には悠斗の紙があった。

印刷された悠斗の紙にはある文字が書かれていた。

《適性度 九十超過(オーバー)

その事を悠斗は知る由もなかった。


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