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第一話 始まり

悠斗はどこにでもいるような来年に受験を控える学生である。

昼は学校で授業を受け、放課後は友達と遊ぶ。そして家に帰って勉強という一連の流れを繰り返している。


しかし家の中では

「今日も俺の正体を隠しとおす事ができた。組織に俺の本当の正体と力を知られては、ただでは済まないだろうからな」

そう、悠斗は特別な力を持っていて組織に追われている。

わけではない。ただの中二病である。


「今日も世界がどう動いたか。この神の頭脳(パソコン)で確認するとするか」

悠斗はパソコンを使っていつものようにニュースを検索した。

芸能人のスキャンダルやスポーツなど、いつもと対して変化のないニュースと広告

しかし、その中に悠斗の中二心をくすぐる広告サイトを見つけた。


【異世界の危機!?今すぐ迷宮へ転移】


よくある広告だがそこには悠斗を惹きつける魅力があった。

「何、異世界の危機!? どうやら俺の力が必要なようだな」

悠斗は躊躇わずに広告をクリックした。


すると徐々に画面は暗くなり、やがて真っ暗になった。機械の故障か? それともウイルスか?

そう思っていたがいきなり画面に文字が浮かび上がった。


《転移準備開始 人体スキャン中》

《職業 なし》

《スキル ライトを獲得》


徐々に薄れゆく意識の中で悠斗は最後の声を聞いた。


《ユニークスキル 空想を獲得》

《転移準備完了 転移を開始します》

こうして悠斗はこの世界から存在そのものが消えた。


次に悠斗が目覚めたのは洞窟の中だった

悠斗はまだ自分自身の状況を理解できずにいた。

「広告を押したら洞窟にいるし、どうなってんだ」

ついさっきまで部屋にいたのに洞窟の中にいる。


現実ではまず起こりうることのない非現実。当然すぐに理解できるものではなかったが、もともと同じことの繰り返しで飽き飽きしていた悠斗はひとまず洞窟の中を探索してみることにした。


――同時刻 首都エルドにて

エルフ属の領土エルドはその頃混乱に包まれていた。

王女様が竜により、辺境の洞窟リアスへとさらわれてしまったのだ。

そのため、国の戦士たちは一同に集結し、突入の時を待った。

「竜に囚われた王女を救い出すのだ」

戦士長アグナが指揮を執る。

戦士たちが一斉に洞窟へと足を踏み入れた。


一方その頃悠斗はスキルについて色々と試していた。

習得していたスキルはライトと空想の二つだけだったが、ライトは文字どうり周囲を照らすことができるスキルで洞窟の中を明るくすることができた。


「よし、ライトはこの程度できればいいか」

そう呟いた後にユニークスキルの空想について試してみる。

しかし何度イメージしても空想が発動するような様子はない。

「このスキルはまだ使えないか。ユニークスキルっていうくらいだから何か条件でもあるのかな」

悠斗が独り言を言いながら歩いていくと首筋にヒヤッとした冷気のようなものがあたった。

不思議に思いながら慎重になって進むと、開けている空間にでた。


そこには伝説に出てくるような飛竜の姿と眠っている少女の姿があった。

飛竜から放たれる気迫に圧倒されていると、飛竜はゆっくりと起き上がり、悠斗の方を向いた。


「ここに何の用だ。答えによってはお前をこの場で灰にする」

どういう事だよ、異世界に来たと思ったら飛竜がいるし、空想の生き物じゃないのかよ。とりあえずどう応じればいいんだ。

「何を慌てておる。用がないなら立ち去れ!」

考えた末に悠斗が出した結論は

「は、はい。そうさせてもらいます!」

逃げるという選択だった。

とりあえずこの場所はヤバい。でもどっちに行くべきかも分からないし。こんなことなら異世界になんて来るんじゃなかった。


慌てている悠斗が次に聞いた声は高らかな笑い声だった。

「はーっはっはっは。まあそう焦るな少年よ。久しぶりにきた人間を見てからかいたくなっただけだよ」

え…まさか俺はこの竜にずっとからかわれてたって訳か。


悠斗はそのことに気づいたとたん、急に怒りが込み上げてきた。

「上等だ。人間だからってからかわれてたまるかあ!」

悠斗はそういうと、飛竜に向かって殴りかかった。が、抵抗むなしく飛竜の羽ばたき一つで無力化されてしまった。

「そう怒るな少年よ。今のお前では俺の足元にも及ばん」

必死に怒りを抑えて質問を返す。


「じゃあどうすればいいんだよ」

「ちょっとスキルを見せてもらえるか?あと良ければ俺のことはレイとよんでくれ」

「おうわかった。レイ」

その瞬間こそばゆい感覚が悠斗を襲った。肩から背中、背中から胸、胸から足へと伝うこの感覚はまるで体の中に竜が入っていってるかのような……

数十秒の格闘のあと疲れ切った悠斗はレイをみた。すると一仕事終えたような顔をしてレイはその場に佇んでいた。


「てめーよくも人のからだをまさぐってくれたな」

「しょうがないだろ。スキルをしらべてたんだから」

「それでもやっていいことと悪いことがあるだろうが」

「そう怒るな、なかなか面白いスキルがあるじゃないか」

「そんなスキルあったか?俺の持っているスキルは空想とライトだけだぞ」

「その空想だよ。もしかして少年、転移者か」

急にレイの声が鋭くなった。


「ああ、そうだよ。つうか俺のことも悠斗でいいよ」

「そうか、悠斗よ」


「ところで空想ってどういうスキルなんだ?」

「その話だったな。空想とは

不可能を可能にする・・・・・・・・・能力だ・・・

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