死んでから忍耐
死んでから良枝の中に居るようになり 困ったのは
体育の授業である
良枝が着替える時に 他の女生徒の着替える姿見てしまうのだ
良枝が他の女生徒を見ないようにすれば良いだけの話なのだが
ずっとそっぽを向いて着替えるなんて不自然極まりない
自然に着替えるために 他の女生徒を見てしまう
「他の女の子の着替えを見れて嬉いんでしょ」
『ば…馬鹿 そんなわけねえよ』
実際の所 着替えと言っても下着まで見えるだけなので
露出面としては そうでもないんだが…
やはり雰囲気と言うのは恐ろしい
艶かしい気分になる
だからと言って生前のように前屈みになる必要がなく
心を強くして動揺を抑えるという
修業をしてようなものだ
『それに良枝のお風呂のが凄いからな』
つい 心の声が出てしまった
「裕太のえっち」
赤面してしまう良枝
あまりに真っ赤なので級友が体調を心配する位である
良枝は体育はあまり得意ではない
基礎運動は以前のままなのに
運動神経が少し上達したように見える
単純にタイミングを裕太が教えてるだけなのだが
そして毎日
一日の終りに来る試練
天国と地獄である入浴
期待してないと言えば嘘になる
健全な少年なのだから
しかし動揺する事は許されないのだ
裕太の試練は続くのである
他の苦手科目も同様だった
面白いように裕太と良枝の苦手科目は被らなかった
結果として得意科目は そのままをキープして
苦手科目の成績が底上げされた
二人でテストを受けてるわけだから一種のチートである
元々内気で一分の男子生徒から隠れた人気があった良枝が
ここ最近の成績のアップで注目されて しかも内気さはそのまま
男子生徒から熱視線浴び出した
当の本人は気が付いてないのだが…
裕太は気が付いていた
成り行きでプロポーズなんて事になったけど
受け入れられて 独占欲が出てきた裕太は
それ気に入らないのだ
だからと言っても手をこまねいてるしか 出来ないのだけど