なぜ
貴方のその腐り行く体を
腐り行くまま讃えたいのならば
歴史を学ぶと良いでしょう
(願わくは爾の名は聖とせられ……)
【甘く薫る草原の騎馬を
少女の瞳の色の大海を行く船を
言葉を綴るペンを 夢を魅せる剣を
酒を 貴人を 彼岸の 星を】
誰もが月の満ち欠けを 覚えた
己と天とを どうして重ねずにいられようか
過去を何度も思い起こして
いつかだれかの未来を生きた
それは きっと
消え行くために生きるのならば
きっと貴方は機械に成れない
誰かのために生きるのならば
きっと貴方は人形に成れない