第8話 ゲイルの悩み
小説執筆再開、こちらの作品は本命ではないため、文字数及び投稿ペースは遅くなると思いますが、すみません。本命作品は現在書き貯め中なので、このような愚だ具だになる予定ではありません。来年くらいに公開を予定しております。皆さんよろしくお願いします。
ゲイルを撃沈して暫くしたとき、俺は自分の服の修理をしていた。
おっさんとの戦いのせいでボロボロだよ。
丁度いいので、買ってきたローブを魔改造してやろう。
俺は魔法大目録『禁』に載っている魔法をこれでもかというほど使いローブを完成させた。
それがこちらだ。
名前 ただものではないローブ
効果 自動修復、体温調節、声の変更、覗き見防止、防御壁、短距離転移陣、魔素の吸収性能、待機時指輪に変形、魔力量の隠蔽、ステータス隠蔽、気配遮断、光学迷彩、透視 etc...
傷 無し
価値 計り知れない
どうよ?これで謎の人物が完成である。
早速俺はこれを着て、声の変更を試してみる。特徴のない声にしてみた、うん特徴無いな。
次は、恐ろしい声にしてみる、恐ろしいね。
そんな事をして遊んでいると、ゲイルが目を覚ます。
「ぐっ、ここは・・・」
「おっさんどう?落ち着いた?」
「なぜ貴様が、俺を助けたのか?」
「まあね、別に殺したいわけじゃないし、それにしてもおっさんは、自分の声について悩んでるっぽいけど、どうにかしてやろうか?」
「できのか?」
疑っているみたいだ、丁度いいこのローブの効果を使おう。
俺は声の設定をおっさんと同じ声にする。
「こんにちわ、こんなもんだけど、どーよ?」
おっさんは驚いているようだ。まあ、いきなり自分と同じ声で話されたら驚くよな。
「俺の声も何とかすることは出来ないか?今までは、その、恥ずかしくて筆談だったんだ」
このおっさん以外にシャイだな。
まあ俺にとっては簡単なので、やってあげよう、おれやさしー
いつもつけている装飾品はないかと聞くと、ピアスとつけているという、おっさんがピアスって似合わねえな、それはともかく早速それに魔法こかを追加する。
声のバリエーションは1つでいいだろう、何個もあったら、犯罪とかに使われそうだし、俺はおっさんを完全に信じたわけじゃないのだ。殺されそうになったしね。
取り合えず威厳のある声にしてみた。
「使い心地はどう?」
おっさんは、何回か話し、自分の声を確認すると、俺のほうに向かっていきなり泣いた。
おおう、おっさんの泣き顔とかレアじゃね?しかも強面のである。
おっさんは俺に何度も感謝を言ってきた。いいことするって気持ちいいね。
「そうだ、SSランクの冒険者にならないか?お前なら、俺を倒せるくらい強いし問題ない。御礼として推薦するぞ」
おおー、すっげえ嬉しい申し出をしてくれた。やっぱりいいことってするもんだな。
「え?いいの?よっしゃー、どうやってSSランクになろうか悩んでたんだよね。全員ぶちのめそうと思ってたよ」
おっさんは、若干引いていた。
そうと決まれば早速行動である。おっさんを連れギルドに早急に戻ることにする。その前にいろいろと話しておかないと。
「俺さ、正体を誰にも明かしたくないんだけど。出来るかな?」
「なぜだ?名声とか欲しくないのか?」
「まあね、一応素の状態でもう、冒険者に登録してるんだよ。そんでこのローブの効果で別人としてもう一回登録しようと思ってたんだ。狙われたくないから、面倒だし」
おっさんは、俺のことを変わってるといって、笑っていた。失礼な。
誰にも正体を明かしたくないやその他もろもろを話し終えた俺は、おっさんを連れて帰ることにする。
「じゃ、飛んでいくから、動かないでね落ちるよ」
俺はそれだけ言うと、重力支配を開始する。
今回は人物指定じゃなく、空間指定だ。一定の空間の重力を支配する。
俺とゲイルの足が浮かび上がり出す。
「おおい、何だこれは」
「落ちつけ、騒ぐと落とすよ」
そう言うと、ゲイルは黙る。
そして、高速で空をかけた、その時、空に威厳のある声がこだましたとかしなかったとか。
西門前、俺たちは地面に降り立った。
その時、兵士たちが慌てたように武器を取り出しはじめる。奇襲だと勘違いしたんだろう。
だが、そこはゲイルの収めた。
[この者は連れだ、下がれ]
ゲイルは今は筆談だ、本来の声はあんなに可愛いのに、フフフ。俺は心の中で笑う。
「これは失礼しました」
兵士たちは、ゲイルを前に緊張でいっぱいのようだ。憧れの存在かなんかか。
門を過ぎて、俺たちは、ギルへ向かう。
「俺が、いろいろ説明するから、お前は、とりあえずは黙っていてくれ」
「おっけー」
俺は気軽に返事をする、どうやらもう筆談はやめたらしい。
ギルドに到着すると、ギルド印全員の視線が釘付けになる、いろいろな囁き声が聞こえてくる始末だ。
いやー、ほんのに人気なんだな。すげー
俺は感心していると、ゲイルは話を済ませたようで、ギルドマスターの元へ案内させられた。
途中で、ゲイルが話していたのを怪しく思った受付の人が、ギルドカードの提示を求めたときは不覚にも笑ってしまった。
ゲイルが扉をノックすると、向こう側から返事が聞こえる。
「空いている」
そして俺たちは、マスターに対面した。
次回、レイがSSランクに。