第10話 Eランク
現在、目の前にはでーっかいお城がある。
これがおーさまのいる城ねぇ。
取り敢えず、兵士さんに話しかけて入れてもらわないとね。
「王に話がある、話は通っていると聞いている」
そう言ってギルドカードを見せる。
「なんだお前は、そんな話は聞いていない、怪しいやつめ、顔を見せろ!」
そう言っていきなり武器を構えてきた、おい、どういう事だ、こいつ埋めてやろうか?
仕方ないな、俺は兵士さんの後ろの空気を操作して首チョップ的なやつをやり、意識を落とす。
兵士は簡単に崩れ、白目をむいて、口が半開きになる、その口からは若干よだれが...
おう、ゾンビみたいだよこいつ。
ここからが本番だ、意識を失っているのなら俺の、支配のスキルが使用可能だ、こいつの記憶をちょちょいと操作して、話が通っているという事にしておく。
やべえ、記憶も操作できちゃうよ、スゲー。
「おい、大丈夫か?」
俺は兵士の頬をペチペチと叩く。
「う...ハッ」
「いきなり、倒れたが大丈夫か?」
「すみません、迷惑をおかけしました、話は伺っております、新しいSSランカーの方ですね」
ほう、きちんと出来ているようだ。流石俺である。
兵士さんに案内され、俺は城内を歩く、お、着いたな。
「こちらで王がお待ちです」
俺は謁見の間に入り王の下まで歩いていく。
礼儀とは知らん、まぁなんか問題起こしたら記憶を弄ればいいや、あはは。
「お前が新しいSSランカーか」
王はなんだか偉そうである。まぁいいや、なら俺も偉そうに話すか。
「そうだ」
「この俺に対して、そのような態度許されると思っているのか?」
すると、兵士達が俺に向かって武器を構える。
「力が全てである、私を屈服させる事が出来たなら貴方に傅こう」
「いやはや、良きかな。中々に見所がある者よ、俺に対してそのような態度を取ることを許そう。武器を下げろ」
その声と同時に、兵士達は武器をしまう、周りの大臣たちも、文句を言わない辺り、よく教育されているな。
「お前がゲイルを倒し、新たにSSランカーのトップに立ったということを聞いた時は驚いたぞ」
それを聞いた兵士や大臣たちは、驚いたようだ、SSランクといえど、どうせ一番下くらいだと思ってたんだろう、甘いんだよ考えが。
「当然の結果」
「かなりの自信家と見える、お前の素性は一切不明との事だがそれは何故だ?」
「正体が知られると、面倒ごとに巻き込まれる、それを避けるためだ」
「名前は明かしているのだとか、偽名のようだがね」
「呼び名が無ければ、不便だからだ」
「面白いやつよ、性別すら明かさないとは、今度夜に俺に少し付き合え、もっと話してみたい」
これはあれか?お酒に誘われてるんだろうか、飲んだことないんだけど、まぁいいや、王と飲めるのとか貴重なんじゃないの?
「空いている時ならいいだろう、用件はキースに伝えてくれれば此方に伝わる様になっている」
「わかった、そうしよう。だがそれも、お前の実力を見てからだな、幾つか依頼を完遂したらにするとしよう」
まぁ、そうか。実績が無ければなんとも言えんか。
その後幾つかの話をして俺は王と別れた。
城は大きくて歩くのだるいなこれ、もう来るの止そう、てか次からは転移使おう。
さて、俺は裏路地に入ると、ローブを待機状態に変える。指輪型だ。
便利だろ〜?
そしてローブの隠蔽により表示させるスキルに制限をかける、いやまて、俺って人に見せてもいいスキルって持ってたっけ?
うん、ないね結果的にスキル無しになっちゃうわけだ。まあいいか。
魔法もつかえないし、スキルもないし。あれこれ、人生詰んでね?
あ、そういや俺ってランクアップ試験受けたまんまじゃん、完全に忘れてたよ。
はて、メル草はいったい、いくつ採ったっけ。おお、396本あるね。たくさんだ。
それではギルドまで向かいましょうか。
俺はギルドまで向かった。
受付に並ぶ、はあ、今日何回ここに来てんだよ。もうめんどくさいなあ。
そんなことを思いながら並んでいると、他の冒険者たちの話が聞こえていた。
「おい、聞いたか?新しいSSランカーが決まったらしいぞ」
「それ知ってるぜ、俺見たぞ、黒いローブのやつだよな」
「なんだと!お前うらやましいぜ」
「全ての情報が未公開なんだってな、分ってるのは支配者って名前だけだってよ」
「まじか、なんかかっこいいな」
「いやいや、怪しいもんだぜ、いったい誰が推薦したんだか」
「おい、何言ってんだよ。連れてきたのはゲイルさんだぜ」
「えっ!爆炎の破壊者が推薦したのか」
「しかも、そのゲイルさんが倒されたって噂だ」
「それかなりやばいじゃん、俺、ルーラーさんって呼ぶことにしよ」
やべえ、俺かなり有名人になってるんだけど。
なんか嬉しいぞ、ウハウハだぜ。
「レイ君?レイくーん」
「あ、ハイなんでしょうか」
「もう、レイ君の順番ですよ」
「あ、すみません、ボーっとしてました」
他の人の話に夢中になっていたようだ、いけないいけない。
というか、この人は登録のときの人やん。偶然ですな。
「メル草とって来ました、出していいですか?」
「はい、どうぞ」
俺は396本のメル草を出した、お姉さん引いてるよ笑。
まあ、本数数えるのに時間は掛かったが無事、Eランクになることは出来た、やったね。
あ、ちなみにお姉さんの名前はメアリーって言うらしい。可愛いなおい。
こうして、俺の忙しい一日は終わったとさ、めでたしめでたし。
次回、SSランク集結




