僕はだぁれだ?
身の回りにあるものを、擬人化して書いてみたものです。
どんなものかは、詳しく書いてないので、ちょっと想像しながら読んでいただけたら嬉しいです!
この小説に出てくる物たちは、あくまでも作者の偏見と想像で作りあげた物なので、読者の皆様が共感できるかどうかは保証できませんので、ご了承ください。
一日の内数時間しか一緒にいない。
しかも、一言も喋らない。
僕は結構喋るの好きなんだけどなあ。
確かに君はおとなしいほうだけども。
だけど、家族とか、友人とかとは、楽しそうに喋るじゃない?
あれ、結構うらやましいんだよ。
僕ともおしゃべりしてほしいなぁ…とは、思うんだけどね。
何せ僕と君の間には共通する言葉がない。
君ってさ、案外僕のこと嫌いでしょ?
だって、イライラしてるとすぐに僕のこと殴るじゃない。
今日だってそう。ほら、もう。痛いってば。
あイタ!壁にぶつけるのは、反則でしょ!?いくら抵抗しないからって、それはないと思うんだけど!
僕を散々殴って、壁にぶつけて、おまけに罵詈雑言浴びせて。
久々に、僕に対して言葉を発したと思ったらこれ?
ほかにも何か言うことあるでしょ?
大体それ、僕のことじゃないじゃない。
君が怒ってる理由も。君が僕を殴る理由も。君が僕に暴言を吐く理由も。
何一つ僕は関係ない。
完璧な八つ当たり。僕に対してはいつもそうだよね。
友達とけんかした時。親に怒られたとき。好きな人から理不尽な別れ話を切り出されて悔しかったとき。
僕に怒りをぶつけるのに、その理由の中に僕は一つも入ってない。
こんなんじゃ、僕が精神的に参っちゃう。
何よりも嫌なのは、君を怒らせた誰かの代わりに僕が痛めつけられることだ。
何よりも悔しいのは、その人に言いたいことを言いきれなくて、自分の中に勝手に仕舞い込んで、一人でイライラしている君を見てることだ。
何よりも悲しいのは、僕が君を怒らせることができないってことだ。
だってそうでしょ。いつだって君は、誰かから与えられた感情を僕にぶつけてくる。
でも僕は、顔も知らない誰かから君が与えられた感情になんて興味ないし。
僕は、普通に僕の意思を伝えたい。
誰かなんて関係なく、君とぶつかってみたい。
そうじゃなきゃ、ただの怒られ損。僕は何にも悪いことしてないもん。
でも、まぁ、いいことがないわけじゃないよ?
どんなに怒ってても、どんなに僕に八つあたっても、結局君は僕と一緒に寝てくれるし。たまに、申し訳程度にぎゅーってしてくれるし。
休みの日は、いつもより長くいてくれるしね。まぁ、会話はないけど。
あぁ。でもやっぱり文句言わせて。
夜更かしはあんまりしないで。僕の寝る時間も遅くなるし。
それから、他のやつと重ねて使うのやめてくれる?結構苦しいから。
確かに人の寝方ってそれぞれだけどさぁ、それやられると、僕も相手も呼吸困難だから。
あと、寝ながら何気に首絞めるの、やめてね。
それから、涎…。汚いから。そうでなくても、洋服みたいに毎日洗濯なんてしてくれないんだから!
あぁ、ほら。もう夜遅いよ?
早く寝ようよ。明日も学校でしょ?
今日もいい夢見れるように、寝心地万全!
………夢の中でくらい、僕と喋ってくれないかなぁ?
A.枕
読んでいただきありがとうございました!
いかがでしたか?
感想、アドバイス、こんな物を擬人化してほしい!などの意見がありましたらコメント残していただけたら幸いです。
では、また次回の投稿で…!