第一巻 神だって職場で働くんです。
「めんどくせぇなぁ…」
俺はそうつぶやいて羊皮紙を出してきて羽ペンで署名をまたはじめた。
神としては人間管理部門につけたのはかなりうれしい。でもこんな現場早く異動してぇよ。
基本的に俺達神は出身信仰歴で就職先が決まる。地元のエンポポ信仰を卒業したあと上京して二浪のうえ中級上位のエクス・マキナ大信仰にどうにか受かった。
両神に予備信仰に大金はらってもらったからこそ大手の人間管理系思想会社のヒュマノピエンスに就職できたわけだけどさ…
「こんなの聞いてねぇよ」
神にとって人間管理系に就職できることはステータス。将来安定、勝ち組ルート…それが多くの神の認識なんだが、なんでいまだに知恵の実PCもなければ紙ですらなく羊皮紙に羽ペンで書類仕事なんかしてるというと、俺の管理部門が「エジプト文明時代」だかららしい…上神がいうにはな。
どうやら、うちの上神はかなりのクセモノらしくこだわりが強く、こうやって部神にもこうやって自分の思想をおしつけてくる。俺は正直そんなに輝が強いわけじゃないから、言い返すこともできなかった。
「あ~この指示書とかまじで南々(なんなん)? 確かに文明をさ、助けてあげたけどさ、ちょっと人口オーバーさせたからって天災起こせってそんなことしたら今度は人口大幅減少と下手したら信仰が下がってまた経済悪化で減給だぜ?ちゃんと現場の"人間"のこと考えてくれよ、こっちは神なんだからさ」
あ、トイレ行きてえなぁ(ガサゴソ)…「あ~~~~~~もうイライラするなんで服まで麻布なんだよどう考えたって機能的じゃないだろ。しかもこれ前任者が来てたやつ洗ったやつで中古品だし。おれは研宗中のバイトじゃねえんだぞ?」
ちなみにこの服を前に着ていた神は三日で改宗したらしい。それを上神はかなり非難していたけど、ここならその彼の行動は英断だと思う。俺なんてもう一年の半分の半世紀もここで羊皮紙とにらめっこしてんだから本当に情けないよ…でもなぁ予備信仰代から大信仰代から神活まで世話になった総本山に帰るわけにもいかないだろ、せっかくこんなおっきな思想会社に入れたのに改宗とか両神の恵みの雨が目に浮かぶ。
「お、もうそんな人間時間か。んしょっと」
俺は立ち上がり神コンソールの前に立つ。
この神コンソールはかなりの人工遺物で、名作中の名作の人工遺物のスフィンクスXPってどんだけ骨董品なんだよ…最近邪神でまた個神情報抜かれたと聞いたし、てか延長加護すら10世紀前にきれてんぞ…
俺はそんなことをいいつつコンソールをいじって…いや引き出しをあけて豊水のペットボトルを開ける。こんな骨董人工遺物に自動降雨機能は、ない。だからこうやって一般販売されてる豊水を開けて神の手自ら恵みの雨を降らせるんだ。
「あっ やべかけすぎた。洪水で人口の3割減…とあの上神にしてこの部神か。」
あんまり他神の愚痴なんて言ってる場合じゃないな…また減信徒か、トホホ。
著作:回想シノプシス
文字訂正
初板エピソード名「第一巻 神のだって職場で働くんです。」2026年 08月06日 04時48分掲載
訂正ペピソード名「第一巻 神だって職場で働くんです。」2026年 08月06日 05時47分掲載
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