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【番外編】3.お天気雨


その日は晴れていた。急に大粒の雨が降り、アスファルトをあっという間に黒く塗りつぶした。


「うそだろ!」


オレは歩道橋の上で止まり折り畳み傘を出そうとカバンの中を漁る。夏の暑さが少し和らいだ雨粒は少し冷たかった。


雨の音が少し遠くなった。体にも雨が当たって来ない。顔を上げれば朝陽が普通のより少し大きめな傘でオレを雨から守ってくれていた。階段を急いで上がって来たのか少し息が上がっていた。


「今日、お天気雨降るって言ってたから」


朝陽が濡れたオレの前髪に触れる。その顔は愛おしそうなものに触れるくらい甘い顔をしていた。垂れていた雫が朝陽の指に伝い地面に落ちていく。


「風邪、引いたら困るな」


優しく微笑む朝陽の顔にオレは釘付けになっていた。

そう、ときめいていた。まるでどこかでみた映画のワンシーンの中にいるようだった。


「え、顔赤くなった!本当に大丈夫か!?早く行こう!風邪引く!」


朝陽は慌ててオレの手を引く。雰囲気が壊れていく。

オレは声を出して笑った。





シャワーの音が浴室内に響き渡る。


「んっ…んんっ」


そしてオレの声も。

外からは洗濯機が動いている音がする。朝陽の家に入ると早々服を脱がされ風呂に入れられた。朝陽は濡れていなかったはずなのに今はシャワーで濡れてしまっていた。


「なんで朝陽まで入って来てんだよ」


朝陽の濡れた服が体のラインを強調していた。細身なのにうっすらと見える胸筋と腹筋。

そして何よりも濡れた髪が頬に張り付き色香が溢れていた。


「水も滴るいい男って朝陽のことだったんだな」


朝陽が噴き出して笑う。


「何言ってんの。ってか、もう鍛えてないんだな」


長い指がオレのうっすらとしか出ていない腹筋を撫でる。

オレは毎日行っていた筋トレや父さんとの鍛錬をやめた。もうオレには必要ないからだ。


「もうする必要がないかなーって」


朝陽の印があった場所を指で突く。朝陽が笑ってオレの頬にキスをする。


「でも、体力落ちたら色々大変だぞ?」


「え、なんで」


にやり、と笑う朝陽はオレの印があった場所を撫でそのまま更に下へと手を伸ばす。


「俺、しつこいの知ってるだろ」


耳元で囁かれ、耳たぶを甘噛みされる。

そのまま朝陽にされるがまま、体を開いた。

あまりにも甘く、執拗に愛されたオレは鍛え直すことを心に決めた。



 

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