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異世界編み師の布教活動  作者: 草食丸
第五章 王都への道は一日にして成らず
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【Side Story③】ピアちゃんの格付けチェック

作品に興味を持って下さり、ありがとう御座います!

どうぞ最後までお楽しみ下さいm(_ _)m


☆6章のためのアイドリング期間中

 王様の誕生日パーティーへ参加すべく王都キルトリンデに向かう途中、僕達は失意の青年アンサス・ヘリオトロープを新しく家族に迎える。


 僕達よく知らないが、有名な騎士の孫であるらしい彼は魔物災害に巻き込まれ、かけがえのない家族、大切な領民、愛おしい故郷、その全てが奪われた。

 その喪失感で自棄になり、野盗に身を落として犯罪を犯しそうになったところを僕達に確保された感じだ。

 まだ犯罪を犯していないことを僕とピアちゃんが保証していること、そして死罪も潔く受け入れる姿勢であること、また彼の祖父がアルバートさんも知る素晴らしい人物であったことから罪を許され、従者として僕たちに同行。一悶着あって、その後僕が家族に迎えたのだ。

 ちなみに本来、野盗に加わることそのものが罪になるのだが・・・そこは有耶無耶に。犯罪を犯していないなら罪科もステータスボードに表示されないので、黙っていれば良いだろう。


 そんな彼は見掛けた当初、髭ボーボーで服はボロボロ、体も汚れきっていて最早野盗盗賊というより浮浪者だったが、身綺麗にしたところ物凄いイケメンだったことが発覚する。

 広い肩幅に長い脚、多少痩せているが体つきも逞しく、背も高い。僕より頭1個以上高い。

 顔の造りも整っていて、爽やかで、凛々しくも男臭くない、まさに乙女ゲームの攻略対象のような男だった。

 スポドリのCMとか似合いそうだ・・・ちくしょう、悔しくなんてないからなっ!


 これ以上は呪詛を蒔いてしまいそうなので、話を変えよう。

 とにかく、そんなキラキラ王子様なアンサス君は現在、ピアちゃんの前で正座している。


「ぅむむむむ〜・・・」


 アンサスから目を離さず、半目で唸るピアちゃんに対し、彼はニコニコしながら姿勢を正している。何でも受け入れますといった姿勢で、険悪なムードは全くない。

 それもそのはず、アンサスは別にピアちゃんに怒られているわけじゃない。これは(僕が知らない間に決まった)僕たち家族に迎える際の通過儀礼らしい。

 家長の僕が知らないところで家族のあれこれが決まっている気がする、何でかな?


 場に走る緊張感、ピアちゃんの少し後ろではミミちゃんやアニマル’s、セレナが並んで決定を待っている。

 このチェックで何の格付けがされるのかというと、新人が家族のどのポジションに入るのかが決定されるのだ。

 ちなみに現在の格付けはこうなっている。


 長女・母:ユウ・マキマ

 次女:ピリアリート・ウェヌス

 三女:ミミ

 長男:アトス

 次男:ポルトス

 三男:アラミス

 四男:ダンタルニャン

 四女・娘:セレナ


 ほぼ家族になった順なのだが、セレナは皆に可愛がられているので、一番下だが一番発言力があったりする。アニマル’sも猫可愛がりしているのだ。 

 アニマル’にあたってはほぼ三獣士の設定上の年齢順。物知りで頼りになるアトスが長男、ダンタルニャンは甘えっ子で自由なので四男が妥当というのが満場一致で決まった。


 さて、問題のアンサスはどこに入るのか。

 年齢としてはこの中で一番上であり、性格も一番大人だが、本人は僕に忠誠を捧げてくれている。

 じゃあ僕かピアちゃんの下かと考えたが、彼はアニマル’sの弟子でもあるのだ。ならセレナの上ということも考えられる。

 ピアちゃんはどう決定を下すのか・・・全員が固唾をのんで見守る・・・。


「アンサス君は・・・」


「「「「・・・・・・ゴクッ」」」」


 ピアちゃんの背後で、どこかのもんたさんが「ファイナル・アンサー?」と言っている気がする。

 僅かな時間が10秒にも10分にも感じる、そしてピアちゃんの目がカッと開いた!


「末っ子っ!!」

「「「「おぉ〜!(パチパチパチ)」」」」

「ありがとう御座います、ピアお嬢様」


 無事認められたらしい、皆から拍手が起こる。

 しかし末っ子か、ということはセレナの下だな。


「ちなみに、何で末っ子?」

「大人はお姉ちゃんのお胸で泣いたりしないの!」


 いや、大人も結構泣くよ? 泣アニメ見た時とか、タンスに小指ぶつけた時とか。まぁ良いけど。


「がうっ、がうっ♪」

「良う御座ったな、アンサス」

「俺がお前の師匠で兄貴だ、よろしくな!」

「末っ子と言えど甘やかしはせぬ、覚悟しろ」

「アンサス、ようこそであります! 吾輩がお兄ちゃんであります!」

『セレナ、お姉ちゃん。ふんす!』


 初めて下の子ができた二人は実に嬉しそうだ。

 お兄ちゃん、お姉ちゃんになるっていうのは嬉しいものみたい。


「ところで、何で五男じゃなくて末っ子なの?」

「アンサス君はずぅ〜〜〜っと、一番下なの!」

「あぁ、だから末っ子なのね」


 哀れアンサスは、永遠に下っ端なることが決まってしまった。

 それを知ってか知らずか、彼は凄く幸せそうだった。


(アンサス君に、おねーちゃんは絶対あげないの!)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


最後まで読んで下さり、ありがとう御座いました!

また次の更新も宜しくお願い致しますm(_ _)m

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