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21話 幼馴染2人はダンジョンに挑む4

 足を伸ばして壁に寄りかかり深く息を吐いたトリーの横でマシュは大の字に寝転んでいる。

 腹の上に乗ったイナリの乳白色の毛並みを撫でて整えながら横を見るとシロがゆっくり近付いて来ているところだった。


 「シロもおいで〜」


 そう呼べば明らかに喜んだ様子のシロが動きを早めてマシュの頬に寄り添う。


 「シロ〜可愛いね〜いい子だぞ〜」

 『姐さ〜ん』

 『わっちの方が愛いのじゃ!』

 「んぐぅっ」


 可愛いという言葉にすかさず反応したイナリが飛び起きて空いているマシュの頬に猫パンチならぬ狐パンチを優しめにお見舞いし、その様子を眺めていたトリーはぼんやりと今後従魔が増えた時のことを想像して大変なことになりそうだと憂いていた。

 イナリがシロを引き摺るように連れていき、マシュが上体を起こし壁にもたれかかる。

 ヤキモチを焼いて威嚇し合う2匹を眺めていると、ゼンがマシュとトリーに飲み物を差し出しつつ向かい合った。


 「2人は狩りなどの経験は本当に全く無いのか?」

 「私は村のおじさんたちに連れてってもらって罠を作ったり、捌き方を教えてもらった程度ですね」

 「私は全くないです」

 「攻撃魔法を使っているところを見たことは?」

 「な~……いです」

 「では、トリーの攻撃魔法なんだが他にはどんなものが思い浮かぶ?できれば水属性以外で何かあるといいんだが」

 「白魔法士の適正が出てるってことは……風と光が使いやすい感じですよね?」

 「そうだな。風と光で何かイメージできるものはあるか?」

 「風かぁ……なんか凄い大きい魔法しか思い浮かばないですねぇ……ハリケーンとか」

 「それ試せなくね?デカすぎて発動しないだけならまだいいけど、発動もしないし魔力だけ吸い取られて動けなくなったりしたら最悪なやつでは?」

 「危険にも程があるな。もう少し身の丈にあったものにしよう!」

 「マシュ、何か思いつく?」

 「かまいたち……なんか違うな。ウインドカッターか」

 「それって」

 「みなまで言うな」


 聞き覚えのある技名は、間違いなく前世で一緒にやったRPGゲームのものだ。

 そこから連想していけば確かにイメージしやすいし、低ランクの魔法も思い浮かびやすいかと納得して他の案もないかと問う。

 

 「あとは?」

 「光ならフラッシュとか?」

 「すごく敵の命中力下がりそう」

 「レイは……光線だよね。結構ムズそうだけど、これは試してみてもいいかもね。直線的な攻撃になるだろうし、当てやすそう」

 「なるほどね~でも、地味に光の攻撃魔法って難しそうなんだよな~。普段、回復でしか使わないせいかもしれんけど。ウインドカッターができれば、水でも同じ要領でやれそう」

 「水ならスプラッシュとか……ハイドロポンプ」


 めちゃくちゃマスコットキャラクターが出してきそうな技だね、という言葉を吐き出しかけて飲み込み顎に手を当ててハイドロポンプを使うキャラクターの姿を思い出す。

 

 「うーん、ハイドロポンプって水量も水圧もかなりあるよね?」

 「あるな~。実際、まだあの量を一気に放出するのはキツそうよな~」

 「だとするとレイも難しそう。あれって要するにレーザービームでしょ?」

 「太いのを思い浮かべるから難しいんかな?」

 「あー、なるほどね?いうて想像しやすいようにレイって技名つけると、どうしても太めのシュパーンって出てくる光線が上から降り注ぐイメージで思い浮かんじゃう」

 「なるほどね。一本の光線じゃないパターンね。じゃあ、やっぱりカッター系からじゃない?想像しやすいだろうし、さっきの要領で当てれそうだし」

 「水鉄砲と違ってカッター系は連携がまじで大事になりそう」

 「あ~間違って味方に当たったら大惨事になる可能性あるか」

 「もう少し連携が上がってきてから試したいね」

 「じゃあ、今の段階でできそうなのはフラッシュ?」

 「瞬間的に目眩ましになる程度の光量の光を発生させるとして、味方もチカチカしないかな?」

 「……しそう」

 「なんか他にあるかな~」

 「突風とか?ドライヤーの超強化版で吹っ飛ばすみたいな。敵本体もだけど敵の魔法攻撃を掻き消したりできそうじゃない?」

 「それ使えそう!」

 「まあ、カッター系にしろ突風にしろ私たちはお互い中長距離の攻撃だからどっかで試すのはあり」

 「マシュが前衛固定なわけじゃないし、きっと今後前衛に出るのはイナリちゃんとか仲間になった従魔が基本になるだろうし、従魔を引かせた時に撃つのがベストだよね」

 「そこの連携力は高めていきたいね。従魔によって動きの速さも違うだろうし、魔法のタイミングはトリー任せになりそう」

 「この後にあるボス戦で試すのもあり?」

 「余裕があればね」

 「あと水鉄砲は直線的だけど、水球?ウォーターボール?みたいな感じのだと変則で飛ばすイメージつけやすいかも」

 「いいじゃん!思い浮かぶの使ってけ!」

 「魔法は私の想像力にかかってるとして、マシュってどう戦うのがベストなんだろうね?」

 「ぶっちゃけ今のところ私ができるのってサポートよな。捕まえて当たりやすくするのがベストなんじゃないかと思ってる。あとは従魔への指示出しか……イナリがどう動けて何を使えるのかは知っておかなきゃ」

 

 そう話し合い、会話が途切れたところでゼンから声がかかり再び探索を始めることにした。

 シロとイナリを呼び戻し、契約の石の中に帰るか聞くとイナリにその気はないようでマシュの隣を心なしか堂々と歩き始める。

 一方でシロはマシュの胸に飛び込み、困惑するマシュの腕の中で『うぅ~オイラだって~』と呻いている。

 どうやらマシュとトリーが魔法談義をしている間に2匹の格付けが終わっていたようだった。

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