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しばしの別れ

狐族の兄妹を連れ、街に戻った。


狐族の兄はサイラス、妹はリアーナと名乗る。


森からの帰り、ネシリから三人でパーティを組む事を提案された。


三人は二つ返事で了承する。


「三人でもまだバランスが悪いから、盾役タンクは必要だな。

ゼストとタンクが前に出ると、後方のサイラスとリアーナを守る弓使いかナイフ使いあたりがいても良い。」


ギルドで討伐報告し、換金待ちの間にネシリが言った。


狐族の兄妹は疲れが出てきて、フラフラしている。


「あんたらの換金終わったようだ。

今日はもう帰りな。

明日の朝、ギルドが開いた頃、ここで待ち合わせして、続きを話す。」


「分かりました。」


狐族の兄妹は会釈をすると帰って行った。


程なくゼストも受付のお姉さんに呼ばれ、換金を受け取る。


「オーガはネシリが倒したから。」


オーガの分を渡そうと袋を開けるゼストの手を押さえ


「お前にやる。

お前のパーティも決まりそうだから、予定より早いが、俺は明日ここを立つ。

宿代の足しにでもしろ。」


とゼストの耳元で小声で言う。


「そうかぁ。寂しいけど仕方ない。

じゃあ、遠慮なく貰うね。」


寂しげな顔をしながら収納バックにしまう。


宿に戻るとネシリは宿の主人に明日立つ事を伝える。


「残りの宿代は、こいつの宿代に回してくれ。」


「いいの?

いつも、ありがとう。」


御礼を言うゼストの頭をグシャグシャ撫でる。


「あらっ。急だね。

明日行くのかい。」


女将さんが奥から出てきた。


「俺だけね。

こいつは暫く厄介になるわ。」


「そうかい。分かった。

その子の食事は任しときな。」


それを聞いてゼストは思い出す。


「お昼も美味しかったよ。

明日は三人分お願い。」


バスケットを女将さんに渡しながら頼んだ。


「美味しかったかい。

それは良かった。

明日も楽しみにしておくれ。

…ん? 三人分も一人で食べるのかい?」


驚いたように聞く。


「ああっ。

こいつに仲間出来たんだわ。」


それを聞いて女将さんは嬉しげに笑う。


「そうかい、そうかい。

だからかい。良かったねぇ。」


ゼストも嬉しそうに笑った。


翌朝の早朝、ネシリに起こされる。


「しばらく会えないから、一緒に飯食うぞ。」


ボーッとしながら返事をしてゼストは服を着て、食堂へ、二人で降りる。


「おはよう。」


女将さんから声を掛けられる。


「おはよぉ。」


朝食の美味しそうな匂いと、ガヤガヤと他の客の騒めきに、すっかり目が覚める。


「朝食を食べたら、俺は行くからな。」


ホカホカの丸いパンを口に頬張っていたゼストにネシリは言う。


「ドラゴラだった? 

国境全体を塀で囲んであるんだったよね。

大きな街道しか入口ない。」


ネシリは食べ終わり珈琲を飲んでいる。


「そうだ。

俺はそこを拠点にしている。

お前もいつか来るといい。」


「うん。

行ったらネシリの家に泊めてね。」


「いいぞ。

俺のパーティも紹介してやる。」


「楽しみ。」


まだ食べているゼストをネシリは眺めていた。

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