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ほぉこれが

「魔物の討伐は初めてだろ。」


ネシリに言われ


「初めて。」


やっと念願の串焼きをベンチに腰掛け、頬張りながら答える。


「ここ、ワローは街の門から出てすぐに、弱い魔物がいる。


歩いて30分程で、奥に行く程強い魔物がいるサラマの森が広がっている。」


果実水を飲むゼスト。


「俺はまず弱い魔物から?」


「そうだな。食事が終わったら行ってみるか。」


串焼きを食べ終え、野菜と肉がたっぷり挟まったパンを食べているのを見て


「動けなくまで食べるなよ。」


とネシリは注意した。


冒険者カードを門番に見せ、門の外に出る。


5分程歩くと灰色のウサギが草陰から飛び出した。


「魔物でないけど、獲ってみろ。」


ネシリは手を出さない様子。


動きが速く剣では無理と判断したゼストは、土魔術で行く手を遮り、逃げ場の無いよう周りを囲む。


ズシャッ。


首を切り、後ろ脚を持つと血抜きする。


「小動物はお手のものだな。」


「うん。村育ちだから。」


獲ったウサギを近くの木にぶら下げると、次々出て来るウサギを狩る。


「もういいだろ。今日はウサギ狩りではなく、魔物を狩りに来たんだから。」


二十匹ぐらい獲った頃、ネシリが止めた。


「そうだった。

ついつい夢中になっちゃった。」


「ウサギもギルドで引き取ってはくれる。

小遣い稼ぎにはなるから、収納バックに入れて持って行け。」


ゼストは村で貰った収納バックにウサギを入れた。


森の方向に歩いて行くと、今度はゴブリンが10匹程出て来た。


「悪い顔したおじさんを小さくした姿だね。

ちょっと気持ち悪い。」


剣を構えるゼスト。


「行けるか?」


「行けるけど…。嫌な気分。」


そうこうしている内に、間を詰められ、一斉に飛び掛かってきた。


ネシリには一匹も行かない。


ザシュッ。ビシュッ。バシュッ。


「こいつらネシリが強いって分かるんだな。」


余裕で倒していくゼスト。


「こいつら一番弱い奴を襲うからな。」


ネシリに言われ


「二人しかいないのに。」


不満そうに言う。


「あっ。二匹逃げた。」


逃げた二匹を氷の矢で仕留める。


「はいはい、お疲れ。

右耳が討伐部位だから、右耳切り落とせよ。」


「うぇー。

俺、ゴブリン嫌い。

気持ち悪いし、臭い。」


切り落とした右耳を持って来た袋に入れ、収納バックに収納した。


生活魔術で身体を綺麗にする。


「今日はこれで帰るか。

明日、森まで行くぞ。」


「了解。

あーっお腹空いた。」


「腹減るの早すぎ。

明日は食糧多めに持てよ。

朝出たら、夜まで戻らんからな。」


「三日分は持ってくわ。」


「流石食べ盛り。」


ネシリが笑うから、つられてゼストも笑う。


街に戻り、ギルドにウサギを引き取ってもらい、ゴブリンの討伐部位を渡す。


金貨一枚に対し、銀貨十枚。


銀貨一枚に対し、銅貨十枚が通貨。


今回はゴブリンが銀貨一枚、ウサギが銀貨四枚だった。


ウサギの毛皮の痛みが少なかったから、上乗せしてくれたらしい。


夕食は宿の隣の食堂で食べる。


具沢山のスープにマナバイソンのステーキ、シャープクックの唐揚げだった。


「マナバイソンもシャープクックも魔物だが、怒らせない限り大人しい。

スフィアシープと合わせ、家畜として飼われている。

どれも肉が美味い。

シャープクックは卵も美味い。」


酒を飲みながらネシリが説明してくれた。


「昼に食べた串焼きはマナバイソン?」


「あれはスフィアシープだな。

パンに挟まれてた肉がマナバイソンだ。」


「へぇー。どれも美味しいね。」


おかわりして食べているゼスト。


「俺は五日でこの街を出る。

お前はここで仲間を見つけ、パーティを組め。

そしてサラマの森の強い魔物を倒せ。」


「うん。

強くなってネシリのようなS級冒険者になる。」


ウエイトレスを呼び、酒を注文するとネシリは


「お前がS級になる頃には、俺はSSS級かもな。」


と笑った。



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