8冊目 晩秋と…………
フランソワーの運命は一人の冒険者が救うが
旅行を満喫し叔父の頼みを聞いたり,祖父の畑を手伝ったり魔法の熟練度が上がったり,あっと言う間に8月の終わりの週に登校日に登校すると,カップルが増えて居たが何と斎藤が綾と付き合って居た,政人は色々安堵した。
教室はフランソワーが居ない以外変わらなかった,斎藤と綾を弄る光景以外は平和なもんだ。
「少しはマッサも平和だな。」
コバは昔の事を知ってるので,余り綾に良い印象は無い仲間である。
「コバの恋人はアッキーだもんな。」
「何でやねん。」
アッキーが全力疾走でやって来た。
「マッサギャグでもそれは嫌だ,どうせならオコジョにしてくれ。」
期待に目を輝かせる女子数名,それを見て3人は。
「「「腐ってやがるな。」」」
目を輝かせる女子に向かい呟く3人,まだ来てないフランソワーに雅史はラインで,夏休みが終わり登校日だと送るともうすぐ着くと,返事が帰って来た。
「………………マッサはやはり世話係だな。」
「そうだな。」
アッキーとコバを無視し,ユンケにラインすると何か地響きが鳴ってるが気にしない。
「僕はアッキーともコバとも~」
「?」
アッキーが不思議な顔をしていたが。
「ハァー………ハァー………」
息を切らせて来たユンケ。
「…………僕はノーマルだアッキーとコバ。」
雅史を睨むアッキーとコバ,仕返しは倍返しであるがまた女子数名が「複数よキャ~」とか聞こえた。
「予鈴までに来るだろうか。」
フランソワーは五分前にやって来た,フランソワーが入って来た直後クラス全員固まる,フランソワーの美しさが輝きを増して居たからだ,「まさか誰か恋人が?」と騒ぎに成った,だがアッキーもネイもユンケもコバも,あの祭り後に会って無いので驚く。
「……………」
4人は政人にジト目で見るが,何時もの対応だったので片想いかと察した。
『何かフランさん,先週より更に可愛く成ってるのだけど,誰かと恋に堕ちたのかな?………帰るんだよねフランさん?』
政人はフランソワーの魅力アップと,元の世界に帰りたい発言に,今のフランソワーの気持ちが分からないのである。
『今は帰れる保証無いですし,マサと居るこの日々が私の日常に成って,私の心を焦がすこの想いはマサに届くのでしょうか?先週一緒にゲームをしましたが,私はマサと一緒居る時間が永遠に続いて欲しい。』
フランソワーは政人を見る,紺碧色の瞳に政人が映るが………予鈴に慌ただしく成るクラス,ホームルームが間もなく始まるので,全員急いでクラスに戻ったり机に戻ったりと大慌て,こうして1学期後期が始まった。
秋は読書の秋の筈だがやはり学校は,スポーツと課外活動の季節である。
「対抗クラスマッチは,バレーボールとキックベースだ,あとバレー部はバレーボールには参加出来ない,あと魔法による肉体強化も禁止だ。」
担任から説明されるが,キックベースはサッカー部が有利な気がする政人だった。
〘マッサは当然。〙
ネイから念話が来る。
〘ハンドベースだよな。〙
『なんでやねん。』
ツッコム政人だった,キックベースの腕版であるが,キックベースはサッカーボールだが,ハンドベースは柔らかいバレーボールより大きいボールで,野球をするみたいなものである,まあ柔らかいがそれなりに飛ぶが,やはり野球の様に腕か拳にミートさせないと飛ばない,しかもコツ次第ではドライブが掛かりカーブしてファール連発地獄だ。
『今回はバレーにしょう,バレーボール漫画読むとウズウズする,まあアッキーかコバが選択すればだな。』
トスが上手いこの二人,しかも政人を生かすのが上手い二人である,しかも二人共政人を敵チームにしたくないのだ,政人は知らないが誰のトスにも対応出来るのだが,本人はアッキーとコバで力が発揮してると思って居る,体育はクラスマッチの競技の練習だが,全員バレーだった為2チームに別れ模擬試合をしたのだが。
「山本がアタックするぞ,避けるんだー」
避けたら練習には成らないが,一番最初の殺人的アタックが全員をドン引きさせた,まあ知ってるアッキーも更に威力が上がった,殺人アタックにドン引きした。
「先輩達に勝てるがヤバく無いか?」
アッキーの一言に男子全員肯定した,そして一応キックベースもやる事に。
「吹き飛べぇ!!」
「!?」
またもや政人が蹴ったボール変形しながら,職員棟まで行き超特大場外ホームランに成り,被害が出そうだと全員思った。
「マッサ手加減しろよ。」
だが政人は言う。
「勝つためには手段を選びはしない。」
「手加減はしろよ!」
どちらもヤバいがどちらも優勝出来る,悩むが先輩相手なら大丈夫と意見が合致して,政人は両方出る事に成る。
そしてクラスマッチでは大判狂わせが起き,魔法科一年と一年一組の優勝決定戦に成った,バレーボール大破は4ボールで,魔法科一年の雅史と勿論政人の二人が原因である。
攻防は政人と雅史のアタック合戦,魔法科のシャロの応援で雅史の力も上がるが,強敵と判断した政人が戦闘スキルを発揮し,徐々に雅史の殺人アタックやバックアタックを拾う,だが向こうも雅史が政人のアタックを辛うじて拾う。
「まさか熱戦に成るとはね。」
もうキックベースは優勝を決めてるが,バレーはまだ決まらない,キックベースは楽勝だったがダブルヘッダーで疲れてる政人,だがこの攻撃で決めないと次は政人は下がり,攻撃がダウンするが向こうも同じ,決めるならとアッキーは作戦を練る。
「高くトスを出すから,マッサ頼むよ皆も頼むよ。」
「「「任せろ!!」」」
「僕限界近いけど。」
「ネイもな。」
ニヤッとするネイ,全員政人の限界を無視して,政人のサーブを待つ。
Pi~
政人は高くボールを上げ少し助走を長くし,高くジャンプすると高い打点から渾身のスパイクサーブが放たれた,強烈な勢いボールはネットをギリギリをカスリ斜めに通過し,雅史が追い付きボールを上げるが政人達のコートに行ってしまう,政人とアッキー以外が全員助走し。
「アレ漫画ネタだよな。」
「バレーボール宇宙大会の優勝国のだろ。」
野次が何か言ってたが,アッキーは政人に合図を送ると一瞬で1人飛んで居た,全員助走がオトリで目線の分散化である,アッキーのトスが綺麗に上がりコバが飛び,政人に集中してた雅史やその仲間達が唖然とする。
「これで終わりだ。」
コバのフェイントアタックにブロックジャンプする,魔法科一年チーム前衛だが,更にコバの後ろにネイが居て軽く触れたボールは,弧を描きネットを越えブロックで見えず,反応が遅れた魔法科一年は敗北したのだった。
Pi~
「ヒーローは最後に活躍するもさ。」
ネイが何かポーズをして居たが,アッキーを胴上げするチームメイト達だった。
「流石水野だぜ。」
「えげつないな水野は。」
「流石アッキーだ。」
「二人もオトリに使いやがって~」
胴上げされるアッキーは揉みくちゃである。
「胴上げやめてくれぇ~」
1人悲鳴を上げるアッキーだった,ダブル優勝をしたが次のクラスマッチから,ダブルヘッダーは禁止に成った。フランソワーは政人に目を輝かせ見詰める,同じファンタジー世界だがフランソワーの世界は,強い男性かイケメンが好かれる傾向に有るからだ,まあ強くてもゴブリン顔とかヤクザ顔はモテないのである,逆に政人達の世界は強い男性もモテるが基本,イケメンで強いかイケメンで金持ちか,イケメンで将来性あるか普通メンで安定を目指すかである,結局顔と体型である。
そして日は過ぎ秋も深まる中で政人は,時間を進める魔法と時間を逆行させる魔法が解禁される,稲刈りや脱穀が終わり冬の気配が近付く22月,政人とフランソワーの関係は?
「…………え~と,僕は何でフランさんと,松本城下まで買い物に来てるのだけ?」
白で花の刺繍が施され,フランソワーの魅力を更にアップしたワンピースに,ピンクのカーディガン姿は,周りの人の目を引く,だが政人の言葉にフランソワーは頬を膨らませてる。
「デートです。」
だが政人は否定する。
「買い物に付き合って欲しいて,付き添いで来たのだけど。」
更に頬を膨らませるフランソワー,それを見て可愛いと思う政人だった。
「買い物も男女二人で来れば,デートです。」
政人は言う。
「妹とでも?」
更にムッとするフランソワー。
「屁理屈より今は私とデートです。」
政人はあきらめてフランソワーと,一応デートする事にした。
「服は何処で売ってますか?」
政人は言う。
「駅前通りでさっきフランさんが見てた店が,洋服屋だよ。」
フランソワーは言う。
「アレ大人向けですよね?」
政人はフランソワーの手を握り,引き返した最初に目的を聞いてれば,もう買い物は終わってたと。
近付くの商業施設に入り女性服売場に案内するが,フランソワーは途中で下着売場で紐系のを見てたが無視し,フランソワーを服売場に引っ張って来た。
「フランさん有りそう?」
キョロキョロと見回ると。
「着たら感想欲しいなぁ~」
政人は何処のイチャプルだと,内心ツッコミを入れた。
「自分の感性が一番だよフランさん。」
逃げる政人だがフランソワーは。
『メイドの清水さん曰く,好きな人にグイグイ行けて言ってたし,グイグイ行きますからねマサ。』
その後政人はフランソワーに振り回されるのだった。
「この下着布が少ないですね。」
いつの間に買ったのか紐パンを出すフランソワー,ファミレスで危うく水を気管に行きそうだった政人。
『確か清水さんが,布地が少ない下着は勝負パンツとか,色々雑誌を見せてくれましたけど,勝負下着て何かしら?』
とんでもないメイドの清水である。
「さて僕も私用を済ませるかな。」
「?」
政人はゲームショップで,欲しかったゲームや不随品を予算ギリギリ買ったのだった,次いでにアニメショップを覗き妹リクエスト,異世界帰りのテニスのプリンス様とダークプリンス様の憂鬱な日々と,腐った魚目でも恋がしたいとか最新の小説を買った。
「[プリンセスコネクト!セーラ姫~ゴブリン退治は爆裂よ~]が発売されてる。」
フランソワーは自分の国の,行方不明の姫の名前を聞くことに成るとはと,思った。
「爆裂魔法を使う,猫耳ピンク髪のツインテール姫と,呑気で天然騎士主人公桐間の物語なんだよね,何で姫と騎士が旅をしてるか語られないけど,ツンデレセーラ姫が照れ隠しに爆裂魔法使うのは,名物化してるな。」
表紙には騎士の主人公が吹っ飛んで居て,赤い顔をしたセーラ姫が杖を振り上げて居た。
「これは………遂に最新刊3巻もこれは買わねば,最新刊神坂稲荷先生の珍道中・天才魔道士ゼルガデス18巻の聖バハルス王国編と,19巻の闇を撒き散らし魔王ダークスター降臨前編・後編………」
感度する政人。
「あと[魔法剣闘士バーン]は2冊分の厚さ2巻,34と35巻とは水野信長先生凄いな,値段も1冊1.5倍だけどね。エルミネンス国動乱編と,邪神カーディス復活編前編か凄そうだ。」
政人が小説に夢中でフランソワーはムッとするが,気になったので政人が夢中の作品を大人買いするフランソワーだが。
「お…………これは[魔法科高校の天才無双魔術ガンナー]が,遂に最新刊出てたしかも,新潟事変編かまた隣国からテロリスト来て,また任務で出動してるのだうか?」
政人は恋愛ノベルに来ると。
「[ゼロから始める契約恋愛魔法]………異世界の魔法を使う少年と,桃色髪の落ちこぼれ無能魔法貴族令嬢の契約恋愛ラブストーリーか,どんな恋愛なんだそれ?」
他にも気になるタイトルが。
「[デスマーチから始まる恋愛狂想曲,たゆんたゆんの魔乳恋愛譚編]………要らないな。」
見なかった事にした政人,苦手な方面だったが他に同じ作者で,銀髪清楚な令嬢恋愛旅エチュード編と,黒髪姉妹ハーレム恋愛協奏曲編も在ったのだった。
「[呼んでますよセーラ姫~姫の異世界旅はデスマーチと共に~]セーラ姫ブームなのかな?まあ,こっちのセーラ姫は金髪で白いドレスに,猫人とケット・シーが逃げてる表紙だな,これの何処が恋愛何だろうか?」
「[俺の青春は灰色過ぎて間違っている]か,腐った魚みたいな目の高校生主人公江口の,学園恋愛物語だが舞台は静岡の浜松か人気だな浜松,ゆるいキャンプ同好会も浜松だったな浜松から,自転車でキャンプ地巡りをするのだけど,魔法を使ってモンスター倒しながら,モンスター肉を調理してキャンプしたり,眼鏡の部長が色々やらかしたりの珍道中の,キャンプコメディ漫画。」
政人は凄い本を目にする。
「[ダンジョンに出会いを求めたら,肉食系モンスターに追い回された件]何か凄い題名だな,雌のミノタウロスに追い回されらる主人公松尾て,しかもミノタウロスの目ハートマークだし嫌だな,ミノタウロスに会いたくないわあと,ツインテールでデカイ魔乳の女性怒ってるな,ハンマー片手にミノタウロスを追い掛ける,金髪女性も居るな。」
政人は違うジャンルに向かった。
「日常系か………[日常~喋る猫に怒られる日々~]どんな日々だよ,グータラ主人公杉田が飼い猫中村に怒られる日々………」
政人はまた見なかった事にした。
「[猫とおっさんと猫好き娘]大橋家で起きるトタバタコメディ,娘には懐く猫だがタバコの臭いがキツイ大橋家の父,智和が猫に嫌われ猫パンチされる日常物語。」
原因はタバコだろうと政人は思った。
「ゲーマーの話しか…………何々、[ゲーマーズ!杉尾]ゲーマーの主人公高校生杉尾が,ライバル中村屋と海坊主梶田と繰り広げる戦いの物語か,色々なゲームで闘い青春する話しらしいな。」
もう一度,俺の青春は灰色過ぎて間違っているを見る。
「可愛いヒロイン後輩の綾音はあざとい可愛いらしいし,買うかな………可愛いは正義だし面白そうだ。」
またジャンルを変える。
「[俺の拳に光る物は………]料理漫画だけど不思議な題名だな,あと[銀河冒険記]か。」
赤いノーマル宇宙服が,宇宙空間で大の字ジャンプしてる表紙。
「主人公ベルリック・ベルリーが,宇宙海賊と戦いながら冒険する物語か。」
政人は保留にした,色々気になる物語があったが予算が危ないので止めたが,やはり気になり貯金に迷った金に手を出し買うのだった,フランソワーは色々本やクッズを買ってしまったのである。
「フランさん帰ろう。」
「ハイ。」
笑顔のフランソワーと帰路に就く,はぐれない様に手を繋ぎながら。
数日後フランソワーに電話か来た。
「お久しぶりですね。」
電話の相手は先見の巫女だった。
「悪い知らせなのだが宜しいかしら?」
フランソワーが一瞬にして緊張する。
「構いません。」
意を決して先見の巫女の話を聴いたフランソワーは,元の世界に帰れると聞いたが,間もなくその使い手がフランソワーに近付き,一瞬で元の世界に返すらしいがどうやら,その人物にフランソワーの未来が,メチャクチャに改変されてるらしいと聴かされた,しかも本来戻す役割があったのはやはり政人だったみたいだ,が先見の巫女はまた驚愕の声で言う。
「貴女の居る町には3人異世界に帰れる手立てが居ます,だけど今貴女に向かってる人物………いえ人ではない何かは,悪意を持って貴女の未来をメチャクチャに改変する力があり………」
先見の巫女の通話が切れた,フランソワーは急いで必要な物をマジックアイテムに仕舞い,政人に電話を掛けるが繋がらない,メイドの清水がフランソワーの異常を感じ,伝言を聞きながら書き手紙にする,運転手兼ボディーガードの渡辺が異常を感じ,依頼主の緊急着信を仲間に連絡して警戒する。
「姫様から災厄事態宣言発令,全員警戒せよ。」
「アルファー了解。」
「アークエンジェル了解。」
「アーチャー了解。」
「ぽんぽこ狸さん。」
「「「真面目にヤレ!!」」」
怒られた隊員一名,だが近くでピリピリした戦場の感覚が襲う,その頃ある人物がある者と対峙する。
「やっと見付けたぞ,前世で婚約者達に色々してくれたな。」
雅史が金色の光を放つ,白い衣を着た赤髪の女と対峙する。
「チィまたお前か,転生してまで私を追うとはねそんなに,私が放った猫精霊の裏切りで私に殺され死んだの,まだ根に持ってるなんてね,あのお方はこの世界も次に狙うからまあ,あと少しの運命よ並行世界の貴方の世界もあと少しで滅ぶわ,あっちの貴方を倒さないと行けないの,邪魔をするな出来損ないの冒険者雅史。」
雅史は負ける事は無い,何故ならこの世界に裏切った猫精霊は居ないし,その裏切った猫精霊に彼女が人質にされて無いからだ。
「元女神だろうと,全てを滅ぼす者の配下に屈する私ではない。」
刀を抜き半身で構え突撃の体制に成る。
「人間の物理は我に効かぬよ。」
金色の光がダークパープルの光に変わる。
「やっと本性を出したか。」
雅史はこれを待ってたかの様に,全身から魔力を解き放つ。
「何だその魔力は,これはあの方を凌ぐ魔力,貴様本当は何者だ。」
赤髪の元女神が言うと雅史は。
「ただの甘党冒険者さ,そしてこれで終わりだ!!」
全身から溢れ出る魔力を収縮する雅史,黒き光が刃と成す。
「全ての邪悪な者を滅ぼす暗黒の刃よ,収縮し剣と成せ終焉の黒き刃の剣!!」
黒き刃の魔法剣にたじろぐ赤髪の元女神。
「一撃で滅ぼす。」
逃げる赤髪の元女神,アストラ空間を引き開ける。
「あの娘の運命を狂わせ,破局の世界に導く為に今死ぬ訳には………そして怨みを………あのゼウスに怨みを晴らすまでは………」
アストラルに入る途中の赤髪の元女神を,神速を使い背中に一撃を入れ切り裂く。
「そんな………そんなバカなぁ~」
ダークパープルの光の柱が異空間に立つ,雅史は異空間から脱出し違う並行世界の,恋人だったフランソワーと対面するのだった。
そしてフランソワーに電話が再び来ると,タイムリミットまで2ヶ月有ったが,何故かもう時間がないと言われたフランソワーは,政人に電話した。
「急ですが私,元の世界に帰らないと成りません,だけどいつかまた会いたいマサに。」
いきなりの事に政人は混乱する。
「え?」
政人はそれしか言えない,混乱し過ぎて訳が分からないのだった。
「マサ大好きですよ。」
それだけ言ってフランソワーの電話が切れた。
「フランさんに色々聞かないと。」
不安が政人の背中を押す,政人は無我夢中でフランに会いに向かった,何処に住んでるか分からないのに,そしてフランソワーは雅史と対面した。
「久し振りだね,…………いや今のフランには初めましてかな?」
魔法科の雅史とバナージ王子と一緒に居た,太った冒険者と重なるフランソワー。
「確かに久し振りです,バナージ王子と一緒に居ましたね。」
雅史は違う歴史に歩んだ自分と,フランソワーはやはり婚約者には成って無いと知る。
「何で悲しそうな顔をするのですか?」
メイドの清水さんとボディーガードの渡辺さんは,何故か席を外して居た。
「私は君の未来の1人だったからかね,再び他の異世界で生まれて婚約者の1人とまた一緒に居る,フランは今幸せ?」
雅史の問いにフランソワーは。
「複雑ですが幸せですよたぶん。」
雅史はフランソワーを見る。
「そうか……………フランをこの世界に迷わせた者は倒したけど,元の世界に帰れるゲートが消え掛けているすまない,私には前世のスキルと魔法,他の異世界と異世界を渡る事が出来る,その力で歪みを開いて今送れる様にする,時間は無い急いで欲しい,私の魔法は万能ではないから。」
フランソワーは雅史に聞く。
「この異世界にまた来る方法は有りますか?」
フランソワーの問いに雅史は言葉を濁しながら言う。
「ゼロではないけど,難しいしか言えない私達も余り時間が無いし。」
フランソワーはもう一つ聞く。
「貴方と恋に落ちた,もう1人の私は幸せでしたか?」
雅史は幸せそうに一緒に居た,フランソワーが脳裏に浮かぶ。
「幸せだったよ色々な場所に幾度に,もう一人の君ははしゃいでたから………あの出来事さえ無ければね。」
急いで先見の巫女に連絡すると,「そうか………元気でな………」と言ってたが,何か声が寂しそうだった。
「後の処理は私達が致しますね,お元気でフランソワー様。」
一礼するメイドの清水さんとボディーガード達。
「宜しくお願いしますね。」
歪んだ空間に足を入れたフランソワー,悲しげな顔の雅史と手を振る清水さんにボディーガード達と,一瞬政人が見えた気がしたフランソワーだった。
政人はフランソワーが送り迎え用の車を発見し,屋上からマンションの階段を降り,フランソワーの声が聞こえた場所に急ぐも,フランソワーの背が何も無い箸に消えて行った。
「……間に合わなかったか,さよならだけでも直接言いたかったのに。」
清水さんが手紙を政人に手渡す。
「フランソワー様の手紙です,まあ私が代筆したのであしからず。」
そしてフランソワーの部屋は,荷造り等が始まるのだが殆どは,本人が持って帰ってるのでベッドや棚類や食器等を片付ける,清水さんはある一部を政人に渡して家に帰るよう促した。
翌朝学校は騒ぎに成る,突然フランソワーの転校に騒然とする学校,政人は知ってるしアッキーもスキルで知ってるらしい,だが翌日次は魔法科から騒ぎが起きる,魔法科のエースの雅史とその許嫁のシャロも転校に,騒ぎが広がると昼休みに4人で校庭に集まると,アッキーが集めた情報を話す。
「どうやらあの雅史てのも,異世界人らしく時見の巫女姫様に頼んで,何か壮大な敵と戦い終わったから転校扱いにしたらしいよ,あと奴の実年齢は17歳で魔法で姿を偽ってたらしいよ,原理は分からないけどね。」
政人はフランソワーの二つの告白とラブレターに,どう整理すればいいか分からずに居た,政人にとってもフランソワーは初恋だったのだろう,脳裏に浮かぶのは好きでも諦めてた恋の相手フランソワー,笑顔だったり拗ねた顔や頬を膨らませた可愛い姿が,政人は思い浮かべ過ぎて行く。
「次のクラスマッチは,ライバル無いしマッサの独壇場だな。」
ネイは言うと,空気読めよとアッキーとコバがネイを見る。
そして再び冬が訪れた,真っ白の銀世界の季節が訪れ政人は,フランソワーとの思い出を確かめるかの様に,諏訪みどり湖に来て居た。
「フランさんにたこ焼や,フランクフルト奢ったな。」
「そうなんだね。」
肩には茶トラの猫妖怪のマイケルが居る。
「まさか小学校の低学年の時に飼ってた,マイケルだとは思わなかったよ。」
政人の肩に居るコーヒーにミルクを入れた,薄い茶色のような色の茶トラのマイケル。
「召喚陣から頭出なくて困ってたら,変な歪みから出たら頭暑かったのに,そこから出たら雪が舞ってたから驚きましたよ。」
政人は余りそれを考えない様にした,フランソワーとの思い出をラブレターを持って,自分の初恋に終止符を打ちに来たのだが,熱くない火の玉が特技のマイケルを連れて来たのは,間違ってたらしい……………うるさい。
「さよなら僕の初恋の人……………」
フランソワーと祭りで別れた場所で呟く政人,近くでは黒髪の美少女が政人を見て居た。
『彼は………花火上がる頃にすれ違った人に似てる,何だか寂しそう………でも今は急いで帰らないと,また従姉妹のお姉さまに茅野姫の自覚は有るのかて,また文句言われる………好きで茅野姫を名乗って無いのに,しかも影武者でお姉さまが茅野姫やってるから,私が茅野姫て名乗らなくても良いはずよね。』
彼女は続ける。
『私は花梨のままが良い,茅野姫なんてやりたくない私は花梨何だから,私を………花梨を1人の女の子と見てくれる人と一緒に居たい,高校生まであと2年…………そしたら松本城下の高校生活で,私は実家から出る為の手段を探し出して見せる,家督は双子の弟の禎丞が継ぐから大丈夫だし。』
「またあの不思議な感じがした彼に会いたい,たぶん私の初恋の予感がします。」
さてこの花梨………いや茅野姫の目論みは,上手く行くのか?政人は立ち直れるのか?次回時が流れる。
フランソワー「私の出番は終わりですか?」
オッサン「それは言えません。」
『少し出番在るけどね。』
フランソワーは察し,とぼとぼと舞台袖に向かう……さてフランソワーの未来は如何に,さて本当にフランソワーの出番が終わりかは…………秘密です。
次回新たなヒロイン登場予定かも?




