王子?
「どうしたんですか。シャルロッテ様」
「さっきね。神精眼を使ってみたの。そしたら念話魔法でね、変な話をしてる二人の男の人(?)がいたの。」
「変な話とは?」
「なんかね。一人が1000年前の再現までどこまで進んだって言っててね。もう一人が
順調に進んでいるって。言っててね。話してみた。」
「不思議な話をしますね。そういえばなんで人というときに『 ?』になったんですか?」
「あ~それね。フードをかぶってたからあまり見えなかったけどなんとなく耳がとがってたからね。」
「そうですか。エルフとかじゃないんですか?あまり気にしないほうがいいですよ。
先生みたいになりますよ。」
「誰がはげるよ!まあそうねそうするわ。ちなみに新魔法はできた?」
「ええ。できましたよ。」
「ちょっとみせてみて。」
「了解です。」
『我が手に集え無限の力を持つ魔力よ。顕現』
僕たちの前にキラキラと輝く一本に剣が現れた。
この魔法は自分が想像したものを空気中にある魔力を自分自身の魔力で中和して凝縮して作る
一種の創造魔法(使用魔力量に比例して物質を作り出す魔法)のようなものだ。
「今はまだ剣一本で精いっぱいですけど練習すればもっとたくさん出せますよ。」
「でもこの剣脆いですね。」
「はい。なので多く出すより一つに使用する魔力量と魔力伝導率を高める方法を
したほうが強くなるためには効率がいいです。」
「そうなんだね。」
そのあと僕たちはこの魔法をひたすらに練習してなんとか木刀並(魔物は切れない)の硬さまで
作り出すことができた。
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今僕は裏路地にいる。新魔法に二人とも夢中になっていて気づいたら0:00だった。
裏路地を通った方が早いので呑気に歩いてたらなにものかに襲われた。
もちろんここはモブらしく必死に逃げた。でも他にも仲間がいたらしくすでに
囲まれていた。というところだ。
僕の頭の中には二つの方法が浮かんでいる。
一つ目 見たところ全員弱そうだからぼこす。
二つ目 モブらしく完璧な土下座をして全力で命乞いをする。
さあ~どっちを選ぶのが正解なんだろう。うん~。そういえばこの人達シャルロッテ様が言ってた
ひとたちかな?いやちがうな耳全然とがってないし。
まあいいや。よしこれでいこ。
「す、すみません。どうか命だけは助けてください!」
「.....」
「.....」
「.....」
「...(なにこの沈黙すごく怖いんだけど。)」
次の瞬間周りの気配が消え一人の執事のようなオジサンがでてきた。
「ご無事でしたかフレン王子!」
オジサンは泣きそうになりながら僕のほうにきた。(結構な年ありそうなのにすごいスピードだな。)
「どうしたんですか王子。急に宿舎からいなくなったので心配しましたよ。」
「(フレン王子ってたしか隣国の第四皇子だったけ。どうして間違われたんだろう.....
あっ。そういえば幻影魔法のときに参考にさせてもらったんだよな。モブらしい顔だったから。)
誰かと勘違いしてませんか?」
「そんなはずありませんか。フレン様は人並より魔力量が多いので間違いありません!」
「そ、そうですよね。(そうだったー!?)」
「そうですよ。さあ行きますよ。」
「あっ。はい。」
僕は言われるままについて行った。ちなみに執事さんが来る前にいたひとたちは
王子の護衛だったらしい。
とりあえず僕はこのまま王子を探しながら王子の役をやろうと思います。