アテン公爵家
今では週五でアテン公爵家に通っている。前まで週一だったのに。
<アテン公爵家>
ルミナス王国初代国王の弟『レイモンド・リ・オーディン』を初代当主としこの300年間公爵家として
領民及び国民を守り続けた。
レイモンドは明るく常に前向きの青年であったため兄より『アテン』という名を
授かり今に至る。
「あのー。大丈夫ですかこんなに頻繁に来て?」
「大丈夫よ。両親は仕事で忙しいですし、妹たちの世話は全て専属メイドがやってくれますから。」
「そういうことじゃあないんですけど。」
「じゃあどういうこと。」
「ほら。平民と貴族が仲良くしていたら良く思わない人がいるじゃないですか。」
「あ~。そのことね。私そういうの気にしてないから大丈夫よ。」
「だから周囲がどう感じるかが問題なのに。」
「いいでしょ。もしものときはあなたの幻影魔法(教えて教えてって感じでうざかったので
とりあえず転移魔法と幻影魔法は教えた。)でどうにかすれば大丈夫でしょう。」
「まぁそうかもしれませんけど保つだけでもすごく魔力使うんですよ。そんな簡単に
言わないでくださいよ。」
「そういえばあれできたの?」
「急に話変えないでくださいよ。」
「ごめんごめん。どうしても待ちきれなくてね。」
僕たちは今シャルロッテの神精眼について研究している。そしてそこでシャルロッテは
無意識のうちに神精眼からの魔力を放出し相手の魔力波長を読み取り相手の心の声を認識している
ことが判明した。そこで僕の提案により魔力放出妨害術式付きのメガネをつくることにした。
一週間かけてできたシャルロッテ専用のメガネ(もしかしたらこれ金儲けができるかも)。
あとは実際に試してみて心の声が聞こえないかどうか試すだけである。
「はい。どうぞ試してみてください。」
「ありがとう。」
それから僕たちは外へ出て実際にメガネの性能を確認してみた。
「どうですか?」
「すごいわ。」
「何が?」
「何も見えない。成功よ。」
「よかったですね。これから他人のことを気にせずに暮らせますね。」
「うん。ありがとうねイライジャ。」
シャルロッテはいままでに見たことない可愛らしいいや美しい笑顔で泣いていた。
「よかったですね。感動のあまり泣いてます。あなたは公爵家令嬢なのでなるべく
おさえてください。」
「いいじゃないこれくらい。」
「まあ。そうですね。」
「ありがとう。」
「いえ。作ってるとは楽しかったので気にしないでください。」
「うん!」
スキルを得て苦しむ少女はこれを機に止まっていた彼女の時間が動きだす。