頑張れスラオ!
そこから地獄の一分間が始まった。
防寒服を脱げば、環境の影響で鈍化のデバフをうけるので、服を着たまま全身から触手を生やした。
「き……きしょい……」
「そんなこと僕だってわかってるよ……!!」
仕方ないだろう!? 僕だってできたらもっとかっこいい姿で戦いたいよ……!!
涙目になりながら触手を高速回転させ、スラスケを中心に半径二メートルほどの空間を作った。
MPをバンバン素早さに回し、そして全力でストックをMPに変える。
「これでしばらくはいけるか……? いや。そうでもないみたいだ……」
砕けた氷塊が思いっきりスラスケにかかっていた。
「………おい。集中できないからどうにかしろ!!」
「ど……どうにかと言われても……」
こちとら全力でMPを回してるんだぞ……! これ以上回転速度を上げろって……。
どうする……? 触手を増やすか……? でも……ちゃんと制御できるか不安だ。
「えぇい! 限界突破ぁぁぁ!!!」
「おぉ!? なにすんだ?」
「MPの回転速度をあげる! ……うわぁぁ……魔力の摩擦で体が燃えるように熱い……!!!」
でも……いけてる! 回転速度は上がったし制御もまだできてる。
「どうだスラスケ……?」
「まだちょっとかかってる。もっと上げてくれ」
「……え……これ以上上げろと……? えぇぇい!!! ままよ!!」
MP回転速度をさらにあげた。もはや触手が真空波を作り出し、氷塊は触手に当たるより先に砕けている。
でも。。。うぎゃぁぁ!!! 熱い熱い! 体が燃えるようにあつい!!!
このエリアだからもってるけど……これ普通の気候のエリアでやったら死んじゃうよ!!
「どうだスラスケ……っ!! あぁあぁ!! 体があつい!!」
「いい感じだ! あと一分頑張ってくれ!」
「……一分……? ちょっと待てスラスケ!! 僕が守り始めて三十秒は経ってるはずだよね!?!」
「あぁ……飛んでくるのが鬱陶しくて出来なかった」
「なにぃぃ!! も、もう……わかったからはやくしてくれ! 熱くて死にそうだからぁぁ!!!」
「まかせろスラオ! 特大の魔法をぶっ放してやる!」
はやくしてくれスラスケ!